南砂町駅から徒歩4分、南砂三丁目公園の目の前にあるモフ動物病院。「私にとって一番大切なのは、ペットがいる生活」というのは、愛犬「モフモフ」を溺愛している石森斉子院長。同院では犬猫の診療や健康管理、予防治療はもとより、飼い主への飼育アドバイスや勉強会・里親会など各種イベントにも力を入れている。「飼い主さんとペットの幸せな生活のサポートがしたい」という石森先生に、獣医師になったきっかけから開業に至るまでの経緯、ペットを飼うことや動物への思い、今後の展望などについてたっぷりと語ってもらった。
(取材日2016年11月25日)
―獣医師をめざしたきっかけは?
幼い頃から動物が大好きで、犬や猫、うさぎ、ハムスター、モルモットなどたくさんの動物を飼っていました。家族も動物好きで、家の中には常に動物がいたんです。その影響もあり、将来は動物に関わる仕事をしようと思っていました。動物園の飼育員、イルカの調教師、競馬のジョッキーなど、漠然とした思いでしたが。そして高校時代に獣医学部へ進学することを決めました。大学の研究室では動物行動学を専攻し、研究職への憧れもありましたが、卒業後は動物病院に就職することに。そこで犬猫や小動物などの診療に携わるようになりました。勤務医時代に最も掘り下げていきたいと思ったのが犬猫で、今は犬猫専門としています。手術や治療が好きで獣医師になったのではなく、ただただ動物が好きという自然な流れで獣医師になりました。
―開業までの経緯を教えてください。
もとは東日本大震災の前に開業しようと準備していました。しかし、開業予定だった豊洲が液状化で問題になったり、私も東北へボランティアに行ったり……。開業どころではなくなり一度辞めましたが、東北での経験がきっかけとなり、再び開業を決めました。実は、専門学校の講師や動物愛護協会での勤務、犬猫の殺処分数を減らす活動への参加など、臨床以外にも視野を広げようとした時期もあり、そこでいろんな人に出会いました。動物好きかつ秀でた何かを持っているこの人たちのように周囲の役に立つには獣医としてもっと精進しなければならないと、改めて臨床医として邁進すると決意しました。開業して1年、それぞれの患者の状況にあった治療方針を自分で組み立てて提供することに魅力を感じています。なにより大好きな犬猫にたくさん会えるのがこの仕事の良いところです。
―東北での経験が今につながっているのですね。
そうですね。震災後は東北のシェルターでボランティア活動を行いました。そこで実感したのが、動物のボランティアをしている人達の多くは普通の方で、ただ動物が好きという思いだけで一匹でも多くの命を繋ぎたいと頑張っているということ。犬猫の報われない現状の底上げを、ペット関連の職業ではない人達が一生懸命やっている現実を知り、私も何かしら力になりたいと思いました。もちろん目の前の患者の治療をすることも大事にしていますが、犬猫全体の幸せにも貢献したい。診察・治療にとどまらず、少しずつ活動の幅を広げていきたいと思っています。今度、院内で初めて「里親会」を開催する予定です。他にも犬猫との生活が楽しくなる勉強会やイベントを開催したいと思っています。
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