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山田 康裕 院長の独自取材記事

田園山田動物病院

(横浜市青葉区/市が尾駅)

最終更新日: 2023/01/22

市が尾駅から徒歩約6分。駅方向から商店街を歩き、中央にある交差点を右折してすぐの「田園山田動物病院」は、地域のペットの健康を見守り続けて今年で22年目になる。小型犬はもちろん、実家が犬の訓練所を営んでいたという山田康裕院長のもとには、たくさんの訓練士が大型犬を連れて訪れる。子どもの頃から犬が身近にいる環境に育ち、自然体で動物の気持ちを最優先に考え「診療中は、結構すばりと物を言ってしまいますね」と話す診療姿勢に、信頼を寄せる飼い主は多い。そんな山田院長に、ペットを飼う時の心構えや動物病院との付き合い方など、さまざまなことを聞いた。 (取材日2016年1月13日)

小学生時代から犬舎に寝泊まりして犬を看病

こちらに開院されてどのくらいですか?

1994年に開院し、今年でもう22年目になります。今と違って昔は自然が多く、田園風景の広がるのどかな土地でした。ここに開院したのは、ターミナル駅と違ってゆっくりした感じが気に入ったこと、出身地が近かったことからです。最初の頃は、バブル崩壊の影響もあって治療に積極的な飼い主さんは少数で、しかも人の入れ替わりが多く、長いお付き合いになることもあまりありませんでした。近年とは真逆ですね。飼い主さんが希望される治療方法も、昔と今とでは傾向が違います。以前は病気の治療で手術することも多かったのですが、近年は高齢になった犬や猫が増えたため、無理に手術するのではなくサプリメントでつないでいくような方向を選択されるケースが増えてきました。

最近は動物の高齢化が目立ちますか?

そうですね。長生きする子が多くなった結果、高齢化に伴う病気を診ることが当院でも増えました。高齢になると、やはり内科系の疾患が多くなります。心臓など循環器のトラブル、消化器系の障害による低たんぱく血症、アレルギー的な病気や腎臓が弱っている子も多いですね。あとは、整形外科的な疾患で、膝を悪くする犬が結構います。犬種でいうと、当院では高齢のダックスフントの割合が高くなりました。以前は予防のために来ていたのが、最近は病気の治療で来院するほうが多くなっています。

大型犬を連れて来る人が比較的多いと聞きました。

以前に実家が訓練所を営んでいた関係で、訓練士の方が大型犬を連れてよくいらっしゃいます。実は私自身も訓練士の資格を持っていて、学生時代はよく実家の手伝いをしていました。私が獣医師をめざしたのも、家の仕事の関係で小さい頃から犬と触れ合う機会が多かったからでしょうね。通常、訓練を終えた犬はオーナーのもとに帰っていきますが、中には病気にかかってしまい、オーナーさんが面倒を見られなくなったからと私の家で引き取る子もいました。小学生の私は、犬舎に寝泊まりしながら一生懸命に病気の子のお世話をしたものです。そんな経験から、どうしても獣医師になるんだと当時から決めていました。当時は単なる願望みたいなものでしたが、今はその夢がかなった形ですね。

定期健診で、目に見えない病気に先手を打つ

診療内容をお伺いします。

犬と猫を診療対象に一般診療、各種ワクチン接種、ノミやダニの感染症予防、レントゲンやエコー(超音波検査機)、血液検査の機械などを使った各種検査を行います。当院の役割は、プライマリケアを基本とする町の動物病院として動物たちの全体的なところを把握し、必要に応じて二次診療やいわゆる1.5次診療のクリニックに送ることだと考えています。プライマリケアが基本ではありますが、先進の医療についての情報はなるべく取り入れ、興味のあるものはいくつか導入しました。レーザーなどは、外科手術に使うレーザーメスだけでなく、捻挫などの疼痛緩和に使うリハビリ用のレーザー、腫瘍に対して使うレーザーなどを用意しています。レーザーを取り入れたのは、治療にあたり、動物たちの痛みを緩和したかったからです。例えば、足の皮膚を大きく切る手術が必要な時、麻酔をかけるとリスクの高そうな高齢犬でも、レーザーメスなら局所麻酔で治療ができます。

診療の際に心がけているのはどんなことですか?

なるべく動物たちにストレスを与えないように心がけています。そのためにも、必要があれば診察室の中へ飼い主さんにも入っていただいています。動物たちは、ただクリニックに来るだけでもストレスですから、飼い主さんにそばにいていただいたほうが安心です。それから、治療の際は痛みに対して注意を払っています。麻酔も必要に応じて使うようにしていて、特に鎮静の意味で使用することは多いです。診察台の上で動物が興奮して暴れると、動物と私のどちらかがケガをしたり、無理をさせて動物の体に別のトラブルが起きたりする恐れがありますから。

こちらで力を入れていることは何でしょうか。

強いて言えば、健康診断をしっかり行っていることでしょうか。年に1回のフィラリア検査の時に「一緒に健康診断も受けませんか?」と積極的にお勧めしてきたおかげで、受けられる方は多くなりました。検査しなければ見つからない病気を発見できるというだけでなく、病気の予兆を見つけることができるという点でもお勧めです。年1、2回検査するだけですが、長く通っていただいている場合はそれが貴重なデータになります。5年、10年と積み上げていったデータ全体を眺めると細かい変化がわかり、肝臓や腎臓など見た目ではなかなかわからない病気の兆候が数字で現れ、はっきりと症状が出る前に治療のラインに載せることができるんです。そういった形で病気を発見し、軽症のうちに治療に進めていけるケースが、ここ最近はどんどん増えています。

転院は動物にとってストレスのもと

診察中にさまざまなお話をされるそうですね。

はい。最近多いのは、ペットの年齢を考えてくださいということです。例えば、最近元気がないと10歳になった犬の飼い主さんがおっしゃった場合、どういう症状かを聞いてみると、「階段を上るのに時間がかかるようになった」などとおっしゃることがあります。小型犬の10歳は60代です。動作がゆっくりになるのは当たり前ですから、それだけで病気とは言えません。10歳というのは一つの目安ですが、そこを過ぎたら歩行を安定させるためにも体重の管理をしっかりやってくださいとアドバイスしています。歩けなくなると、急速に弱りますから。そもそも階段を上るというのは犬猫にとっては股関節や背骨に負担のかかる行動です。段差はできるだけ避けることが大切。階段だけでなく、車の乗り降りなども注意したほうが良いでしょう。

動物病院との付き合い方についてアドバイスをいただけますか?

この記事を読むのは、これからペットを飼い始める方か、もしくは今とは別の動物病院を探している方が多いと思います。何か行き違いがあって、よそに転院しようと考える方ですね。でも、転院を考える前に、もう一度あなたのホームドクターとしっかり話をしてみてください。当院にもよく、別の病院で検査したのに「改めて検査して欲しい」といらっしゃる方がいます。でも、違うクリニックで同じ検査をしても、あまり意味はありませんし、慣れていないクリニックにいることすら動物にはストレスです。それに、同じ検査をもう一度最初から受けているうちに、病状が進行するかもしれません。そもそも検査そのものが、動物たちの健康に対するリスクを高めることになりかねないのですから。話もできないほどホームドクターとの関係が良くないなら仕方ありませんが、大切なペットのことを考えるなら極力、転院は避けたほうがいいと思います。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

犬や猫を飼うと、楽しいことだけではなく、病気やコミュニケーションなど、時間も労力もすごくかかります。しかも長生きする子なら14、15年くらい付き合うことになります。ペットを飼う前に、その現実についてご家族とよく話し合い、それでも飼うという気持ちが大切だと思います。飼う前に、「15歳くらいになったらそろそろお別れの時期だ、きちんとさようならをしてあげなくては」ということまで考えて欲しいのです。近年は医療が進み、昔なら助けられなかった子も救えるようになりました。それは素晴らしいことですが、人間でいえば70代、80代の子を無理に蘇生させて、その動物たちは本当に喜んでいるのでしょうか。動物たちにも意思があり、お別れの時期が来たら送って欲しいと思うのではないでしょうか。別れはつらいものですが、何度も苦しみを味わわせるくらいならそっと眠らせてあげることも考えていただければと思います。

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