平片修 院長の独自取材記事
アイラ動物病院
(横浜市緑区/長津田駅)
最終更新日: 2023/01/22
どこか懐かしい街並みと雰囲気を漂わせる長津田。他の田園都市線の駅とは少し印象が違い、庶民的で暖かい街という印象を受ける。長津田駅の南口の商店街を抜けた、旧大山街道沿いに「ペットが病気じゃなくても気軽に寄れる」と、近隣の飼い主さんから親しまれている動物病院「アイラ動物病院」がある。ガラス張りで開放感があり、緑の看板が爽やかな「アイラ動物病院」。今回は平片修院長にお話をお伺いしました。(取材日2007年1月26日)
当時ではあまり耳にしなかった、バイオの道に進もうと思っていました
子供のころの話を聞かせてください
取りたてて特別な子供ではありませんでした。出身は横浜市旭区です。今も緑が多く残っているエリアですが、僕が子供の頃も畑や田んぼがたくさんありました。そこではおけらやザリガニを取って、日が暮れるまで遊んでいました。小さいけれど農場もあり、牛や馬、犬、猫など、様々な生き物が身の回りに自然にいましたね。
いかにも獣医師になるための環境でしたね。
確かに獣医師になった今の僕を見ればその様に思うかもしれません。しかし子供の頃はもちろん、獣医師を意識していませんでしたし、農学部系の大学進学を決心した高校3年生の時も、あまり獣医師は視野にはありませんでした。
では、その頃は目指していた職業は?
今でこそ普通の技術ですが、当時ではあまり耳にしなかった、バイオ(生物化学)の道に進もうと思っていました。元々、人の知らないものを作る、新しいものを作るという事に興味を持っていました。当時はバブルの真っ只中。日本経済が拡大していく中で、いつまでもこの成長は続かないだろう。この先はバイオ化学が伸びる。特に農業の分野で有望だろうと考えていました。今は大学の学部も細分化されて専門的になっていますが、私が大学受験の頃に学ぶには、獣医学部系の大学に行くのも選択の1つでした。それで日本獣医畜産大学(現:日本獣医生命科学大学)に入学しました。ここが獣医師になるきっかけですね。
教育や経営についても学ばせてもらいました。
開業までの経緯を教えてください
大学の先生に紹介された板橋の病院から始まり石川県や横浜の港南区、都筑区の動物病院を4箇所勤務しました。自分が学びたいことを吸収できる病院を選び、色々な技術を持った獣医師の方から、たくさんの事を学びました。技術だけではなく後輩の指導を通して獣医師の教育や病院経営についても勉強させてもらいました。
様々な経歴を経て開業された訳ですが、なぜ長津田に開業したのですか?
1番は土地勘があること。地域密着の医療を行いたいと思っていましたので、その土地の住人の人柄なんかも、ある程度はわかっていましたから。それから動物病院が少かったのも理由です。又、現在も再開発が進んで住宅も多くできてはいますが、大きな公園もその計画の中に入っていたり、川にはホタル、林の中には野生動物もおり、子供や動物と生活するにはとても良い環境であるというのも理由の1つです。
学術的にだけとらわれないように
先生が心がけていることを教えてください
かつての医療の常識が今は非常識になっていたりして、飼い主さんも悩むことが多いと思います。またインターネットで多くの情報を得ることもできるし、動物の病気に関する本もたくさん発行されています。僕は学術的根拠と経験の双方を照らし合わせ、飼い主さんの要望にできるだけ沿ったアドバイスをする様にしています。
どのような動物病院を目指していますか?
気軽に入って来れる病院にしたいと思っています。ガラス張りのオープンな医院にしたのもそういう理由です。また、通りかかりの飼い主さんとワンちゃんに声をかけたりして、相談事を聞いてあげたりしています。フラッと入ってきて犬の体重だけ計って帰っていく飼い主さんもいるんですよ。そういう身近で気軽に立ち寄ってもらえる動物病院にしたいですね。
飼い主さんへ何かアドバイスはありますか?
マナーをしっかりして欲しい。これはその子達のためでもあるんです。可愛がることはとてもいいこと。でも過剰に可愛がったり、孫の感覚で育てている飼い主さんが多い様に感じます。コントロールが効かないと病院で状態をきちんと診れないこともありますし、過剰なスキンシップ(口から口へものをあげる等)は、飼い主側にも危険があります。心配事を少しでも減らして楽しい動物達との生活を過ごしてもらいたいと思います。