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清水邦一院長、清水宏子先生の独自取材記事

清水動物病院

(横浜市鶴見区/鶴見駅)

最終更新日: 2023/01/22

動物を飼ったらシミドに行こう、が飼い主さんたちの合言葉だ。「最初は『シミド』って何だろうと思いました(笑)」と2人で楽しそうに笑う清水邦一院長と宏子先生。もちろん「清水動物病院」の略で、そう呼ばれるほど地域に愛され、鶴見駅近くで約40年診療を続けてきた同院。動物たちも行くのを楽しみにして、早く行こうよ!と催促するとか。「だから診療時間より早く着く犬!?も多くて(笑)。もちろん散歩途中の立ち寄りも大歓迎ですよ」とうれしそうな2人。清水院長は動物たちが安心して治療を受けられるよう、検査・治療機器まで発明するアイデアマンで、動物医療発明研究会の会長。宏子先生は”藍弥生”のペンネームを持ち、新聞や書籍、イラスト、ラジオ番組などで活躍するアクティブ派。「どこにでも連れて行けるよう育てたら、動物がいてよかったと思う機会は増えますよ」と宏子先生。そんなふうにいろいろな「ハッピーを見つける」動物との過ごし方について聞いた。(取材日2013年7月19日)

2人で移り住んだ鶴見は、昔ながらの人情味あふれる町

鶴見駅近くで開業されて、どれくらいたちましたか?

【清水院長】40年近くになりますが、鶴見での開業はまったくの偶然でした。2人で開業先を探し回っていて訪れた隣の不動産屋さんに、「動物病院の場所を探している」と話すと、「それなら是非ここで開業してください。以前からあった動物病院が閉院して、皆さんが困っているんです」と頼まれてしまって。 【宏子先生】とても熱心に勧めてくれたんですよ。「動物好きな人に悪い人はいないから!絶対にここで開業を」と。その場でお宅に招かれ、鍋焼きうどんまでごちそうに(笑)。私たちは2人とも東京都内の出身でしたが、そこまで言ってもらえるなら……と思って鶴見での開業を決めました。 【清水院長】鶴見に住んでみると工業地帯のイメージとは違い、昔からの素朴なおつき合いがしっかり残っている、人情味にあふれた地域でしたね。 【宏子先生】そうなんです。飼い主さんからは、週何回もおかずの差し入れをもらって(笑)。こちらに引っ越して私たちにも子どもが生まれましたが、それが3人全員年子というたいへんな状況……。だから皆さんが気を利かせてお風呂に入れてくれたり、泣いている子を自宅でしばらく預かってくれたり。そうやって地域に支えられて診療を続けてきたので、もうここを離れられませんね。スタッフも24年間ずっと勤めてくれて、飼い主さんとも仲良しで仕事の段取りも完璧。長女はTOQUIWAというバンドのボーカル。国内外で活動しながら、普段は動物看護師として当院を手伝ってくれるなど、本当にスタッフにも恵まれています。

開業して、自宅も鶴見に引っ越されたのですか?

【清水院長】開業当初は東京から通った時期もありましたが、すぐに病院の近くに家を持ちました。それからずっと鶴見で暮らして診療を続けてきました。 【宏子先生】急患を考えると、私たちは病院と自宅が近い方が便利だと思っています。また「治療は病院で、看護はご家族で」という考えもあって、診療した動物はなるべくご自宅での看護をお勧めしているんです。ですから心配ごとがある時は、すぐに連絡をするように伝えています。ご自宅では動物たちも落ち着いて過ごせるので、いつものしぐさと比べられるので、食欲や元気の回復状況がわかりやすいんです。それにご家族なら24時間つきっきりで看護して、話しかけてくれます。それが動物たちも安心なようです。心配な方には方には2人の携帯NO.も教えています。

ではどんなときに、病院に連れて来たらいいでしょうか?

【宏子先生】動物を飼ったら、できればできるだけ早くに連れてきてください。健康診断と一緒に、スポイトトレーニングなどのコツをお教えします。健康なときからスポイトでその子が好きなものを飲ませる習慣をつければ、飲み薬が必要になったらその好きなドリンクに混ぜて、スムーズに飲ませられますから。 【清水院長】とはいえ初めてきた子は落ち着きませんね。3回ほど来院すると、だいたい慣れてもらえるようです。動物病院が大好きになれば来院してもストレスを感じないし、私たちも治療しやすいんです。なかには飼い主さんが当院に電話すると、「病院に行ける!」とわかって、そわそわしてワンワンほえて早めに着く子もいるとか(笑)。そんなに喜んでくれると有り難いです。 【宏子先生】治療や予防のときだけでなく、散歩の途中など気軽に寄ってほしいですね。私たちも「よく来たね」とフードを少しあげるので、だんだんここが好きになるみたい。飼い主さんが電話の向こうでよく「シミドに行く」「今はシミドだから」と話されるので、何だろうと思ったら清水動物病院の略称で(笑)。そんなふうに親しまれていると、なおさらうれしくなりました。

動物たちの安心のため、検査・治療器具まで自作する

40年近く診療を続けて、どんな変化を感じられますか?

【清水院長】開業当初は「病気やけがをしたから」という受診が多かったのですが、次第に予防での受診が当たり前になり、飼い主さんの意識も変わったと思います。

ウサギが多く来院するそうですね。

【宏子先生】診療する動物も変わりました。昔は犬、猫、小鳥がほとんどだったのが、今はウサギ、ハムスター、フェレットなどが多くなりました。当院は昔からウサギを診ていたことから、私たちは杉並区のウサギ専門店「らびっとわぁるど」さんで飼い主さん向けに「ウサギ塾」を開催するようになりました。近所の動物病院からも「ウサギなら清水さんのところに」と勧めていただいて、みなさんのおかげです。 【清水院長】実はウサギはかなり気が強く、自分と人間を上下関係で判断する動物。何でも言いなりに許していると、「相手は格下」と思って言うことを聞かず、ウサギが王様の生活になるので要注意です。 【宏子先生】ウサギを飼う方は優しいですから。私たちはケージから出たくて騒ぐ子を「出せ出せウサギ」、食餌を催促する子は「くれくれウサギ」などと呼びます。かわいそうだからと1度外に出すと学習して、それを何度もガタガタ騒ぎを繰り返すようになります。ウサギは自分の名前も覚えられるので、名前を呼びながらほめてあげます。ペレット1粒のごほうびでもしつけにも役立ちます。しかる時は、名前は呼ばずにストレートに「NO」「ダメ」と言います。しかる時に名前をつけると、呼んでも来ないウサギになります。

ほかにウサギを飼うときの注意はありますか?

【清水院長】ウサギは骨を折りやすいので気をつけてほしいですね。ゲージの中でもジッとしていたら、急に飛び出したり、突然あばれてけがをするのはよくあります。 【宏子先生】体を洗われるのはきらいなので、強く押さえただけで、骨が折れるケースも多いので、おうちでのシャンプーは、おすすめしていません。 【清水院長】そういうウサギたちのために、私は小動物専用安心ホルダーバッグを作ったんです。ロック付きのファスナーの口から入ってもらい、閉めれば動物の力では開かない仕組み。バッグから首だけ出してだっこの練習にも使えて、私たちがバッグ内に手を差し入れて診察もできて便利です。重さは100gちょうどで、体重を量るときも計算しやすくしました。このバッグは、気が小さい猫や子犬にも使っています。

こちらではそういう自作ツールなども多いとか?

【宏子先生】動物たちの受診ストレスを減らして、飼い主さんにわかりやすい説明をしたくて、院長が常に器具の工夫をしています。便利なのは、ウサギの口は小さくて切歯(前歯)しか見えませんので 患者さんと一緒に口の中をのぞくことができる手持ちスコープ。耳鏡を利用するのですが、先の部分を一部を削って、観察しやすくしています。牧草を十分与えていないウサギでは、臼歯(奥歯)が思った以上に伸びていたりしてます。その部分を飼い主さんと一緒に見ることで、「大変なことが起きている」と理解してもらえるんです。削るときは特殊な溝をつけた院長オリジナルのカッターを使うので、歯の縦割れもほとんどおこしません。そうやって飼い主さんの理解を深め、安心して診療を受けてもらうことを何より大切にしています。 【清水院長】私はハムスターや小鳥の心音を聞く聴診器も役立っています。これまでは聴診器の先端と動物の毛が擦れ合って、雑音が出がちでした。自作の聴診器は、先がシリコンのチューブで当たりも柔らかく、金属のヒンヤリ感もなくて、動物たちも安心でよく聴こえるのです。 【宏子先生】カルテや計算書も当院オリジナルです。例えばカルテの医療記録は、現在の年齢やこれまでの病歴や治療歴が一目でわかるタイムライン形式。マイクロチップの有無、喫煙されるご家族の有無といった記入欄もあります。喫煙者が長期不在だと動物のセキやアレルギーが治るなど、家族の暮らしは動物たちに影響しますから。また診療後にお渡しする計算書も、検査項目や治療項目を細かく記入して、内容を理解しやすくしています。カルテや計算書は毎年2人でアイデアを出しあい、さらに使いやすくリニューアルを続けているんですよ。

いなくなった後も、動物には人と人をつなぐ力がある

診療で大切にされていることは何でしょうか?

【宏子先生】何でも気軽に飼い主さんが話せる、そんな関係作りを大切にしています。例えば病気のときに、飼い主さんがしかりながらお薬を無理に飲ませても逆効果。薬は苦くないのに、薬を飲まされること自体が嫌になるんです。「ちゃんと飲ませたい」と頑張る気持ちは十分わかります。次の診療で「うまく飲みませんでした」と素直に言える雰囲気があれば、適切なアドバイスを差し上げています。ふだんから一人ひとりとよく話して、心配事をためずに私たちにどんどん話してほしいですね。 【清水院長】私は病院と飼い主さんが協力して、動物たちが治るのを手助けするのが理想だと思っています。若いときは「私が治す」と気負う面もありましたが、本来の獣医師は動物と飼い主さんの手助け役。残念ながら治せない病気もあります。その場合も、これからその子と一日一日を丁寧にどう過ごすのかを、一緒に考えたいですね。 【宏子先生】病気のことは口頭だけではわかりにくいので、病気ごとに私のイラストと説明文でやさしく解説したパンフレットを作っています。院内がこんなに貼り紙だらけなのも、お知らせしたいことがたくさんあるから。逆に飼い主さんからは、最近気づいたことをメモやノート(介護記録)にしていただきます。「この頃いびきをかく」など何気ないことも、麻酔のときに呼吸しづらい原因になるかもしれません。飼い主さんの協力があるから、病院で見えないこともわかり、リスクを避けて治療効果を高めることができるんです。

お2人とも休日には多方面で活躍されていますね。

【清水院長】現在は動物医療発明研究会の会長ですが、休みの日も動物たちの診療に役立つツールやアイデアを考えるのが好きなんです。院内に「アイデアの泉」という袋があって、そこに日常で思いついたアイデアメモをストック。手術中などで手が放せない時は「このアイデアをメモして」とスタッフに伝えて、書いてもらいます(笑)。その作製・整理などで、休日を使うことも多いですね。それ以外には週1回どちらも万年初中級ですが?!テニススクールと英会話スクールに通い、1ヵ月1回は日本泳法を学んでいます。 【宏子先生】文章や絵を描くのも好きなので、当院のホームページ以外にも藍弥生のペンネームで新聞連載や書籍の執筆もしています。2014年には新しい書籍「快適な動物診療・技術のアイデアと心のマネージメント」も出版予定なんです。以前はラジオでも10年パーソナリティを担当しましたが、獣医師をめざす前はアナウンサー志望だったので、2つも夢が叶ってうれしく思います(笑)。このほか絵画や五行歌も好きですが、異業種交流会にもよく参加します。IT企業の方にホームページやブログのつくり方、フェイスブックなどSNSの始め方などを教えてもらいました。

最後にこれからの目標についてお聞かせください。

【宏子先生】どうしても動物たちとのお別れはやってくるので、その後の飼い主さんのケアをもっと大切にしたいと考えています。例えば当院からお悔やみカードを出すことで、飼い主さんの心を和らげ、早く立ち直ってまた動物との暮らしをスタートさせてほしいと、願っています。ハムスターなど小さく寿命が短い動物でも、ハガキが届くと「生きた証になる」とすごく喜んでいただくんですよ。そして海外の学会に行くときは、そこの現地語(英語・仏語・スペイン語など)で書いたお悔やみカードを持参して、カードの目的を学会の参加者に説明しています。こういう習慣をもっと世界に広げたいと考えています。また飼い主さんのなかには、ご自分の年齢への不安から、飼うのをためらう方もいらっしゃいます。でもご本人が病気になったり亡くなったりしても、残された子の面倒をみるシステムがあれば、もう少し前向きに検討されるかもしれません。そういった提携に業界全体で取り組めたらと思っています。動物がいるだけで、そしていなくなった後でも、「こんな子がいるよ、いたよ」という会話から、人と人との新たなつながりを作ってくれます。だから自分がかわいいと感じるだけでなく、どこでも連れて行けて、きちんとしたマナーができて、誰とでも仲良くできる子にしてあげたいんですね。それは自宅から避難し、ふだんと違う環境、食餌になる災害時への対策としても重要です。どこでも一緒にいられたら、「この子がいてよかった」と思えるチャンスはもっともっと増えるし、動物を飼っていない人にも、動物のかわいさがわかってもらえたらいいなぁと思うからです。 【清水院長】やはり地域に根付いた診療に心がけて、動物に優しい獣医療を常に考えていきたいと思っています。工夫してきたことやものを、国内だけでなく海外の学会でもアピールしていくのが夢です。

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