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塩瀬将之 院長の独自取材記事

しおせ犬猫病院

(横浜市西区/横浜駅)

最終更新日: 2023/01/22

横浜市の環状1号線沿い、浅間町車庫前バス停すぐ近く。犬と猫のイラストが描かれたブルーの看板がある、黄色いビルの1階が「しおせ犬猫病院」だ。塩瀬将之院長は愛犬を抱いたまま、幸せそうに笑って取材に応じてくれた。「私は獣医師ですが、それ以前に飼っている動物たちを愛する飼い主。だから診療の時も、できる限り飼い主さんの立場で、その方が気にしていることをしっかり説明したいんです」。話に熱中し、飼い主からも次々に質問が出て、気がつくと説明だけで1時間近く……そんな時もあるとか。病院名のとおり、診療する動物は犬と猫だけ。「個人的には診療動物は、獣医師本人が飼うべきだと思っています。毎日一緒にいれば、教科書に載っていない発見がたくさんあって、それが治療のヒントになりますから」。獣医師を本格的にめざしたのは大学の付属高校時代。推薦入学を選ばず、自分なりの道を模索して、獣医師になった塩瀬院長の愛情あふれる仕事ぶりについて聞いた。 (取材日2012年7月9日)

京都から横浜へ。厳しい受験の中で貫いた獣医師への道

いつごろから、獣医師になろうと思われたのですか?

私は同志社大学の付属高校で、最初は漠然と「推薦で大学に進学するのかな」と思っていました。しかし最終的には外部受験を選び、浪人して日本獣医畜産大学(現在の日本獣医生命科学大学)に入学しました。推薦で同志社大学に行けるといっても、実際は希望者全員の推薦枠はなく、結局どこかで競争が起きるんです。いつも顔を見ている同級生との推薦枠争いに、私は疲れてしまいました。また同志社大学に行くとしたら、理系は工学部、文系は法学部、経済学部、商学部、文学部、神学部が進学先。この中から自分の将来を決めることにも、何だか息苦しさを感じたんです。結局、小さいころから身近に犬がいたことを思い出し、獣医師になろうと外部受験に変更しました。しかし私たちは、団塊ジュニアとも呼ばれる第2次ベビーブーム世代。受験もたいへんな時期で、最初の受験結果は散々でした。

そうすると、不本意ながら浪人生活を送られることに?

ええ。外部受験を決めた時は、自分の将来をどこから選んでもいいと解放感がありました。しかし勉強面では甘く見ていたというか、「なりたい」と「なれる」は違っていましたね(笑)。一浪した時、高校の同級生が大学1年生でしたから、いろいろと周囲からお誘いも多かったんです。これではちゃんと勉強ができないと、二浪の時には横浜の祖父の家に引っ越して、受験勉強に集中しました。当時、部屋にはテレビも電話もなく、朝起きて予備校に行き、戻って復習と翌日の予習を済ませ、唯一の楽しみだったラジオの深夜放送を聞いて眠る生活。この頃は獣医師になりたいというより、早く大学に入って両親を安心させたい気持ちの方が強かったですね。

そうして入学された大学生活、どう過ごされましたか?

大学は勉強も部活も充実していて、獣医師としての基礎を作ってくれました。特に私がこの大学を選んだ理由の1つ、「日獣大ケネルクラブ」という部活は面白かったですね。体重50kgにも成長するグレートデンなど、一般家庭では飼いにくい犬を学年ごとに担当して飼い、出産までお世話もするんですよ。獣医学部でも小動物の出産の立ち会いは少ないんですが、部活のおかげで何度も経験でき、今の診療にも役立っています。そして「日獣大ケネルクラブ」は、学園祭で一般の方が飼っている珍しい犬種を集めてドッグショーも開催しています。毎回100頭以上も集まるので、犬種や原産国などに詳しくなりました。また、私は大学時代から小動物専門の獣医師希望でしたが、牛や馬など大動物についても学びたくて、高学年では大動物を扱う研究室に入りました。大学の牛舎の掃除当番は朝6時に始まるのですが、横浜からの通学では始発でも間に合いません。結局、前の日から大学に泊まり込むことも。合宿気分もあり、楽しい毎日を過ごしました。

働き始めて痛感した、飼い主から“命”を預かる責任

念願の獣医師になった感想はいかがでしたか?

大学で基本的なことは勉強したのですが、獣医師になる心構えは未熟でした。大学時代にお世話したのは、たいてい大学で飼っている動物たち。しかし卒業して働き始めると、飼い主さんにお会いし、「この方が大事に飼っているんだな」とわかる動物たちを預かって、治療していくんです。その緊張感は大学とは全く違いました。研究室でかなり難しい手術も経験したのに、仕事で行う簡単な手術で汗びっしょり。責任が伴う仕事のたいへんさを痛感しましたね。それだけに働くことで得る実体験は、大学とは違った“濃さ”があると思いました。

大学卒業後は、どのような病院で働かれたのですか?

最初に勤めたのは小規模な病院で、きめ細やかな診療が特色でした。将来は私も小さな病院を開業したいと思ってたので、経営面でも参考になりましたね。次に働いたのはさいたま市の大きな動物病院。私の目指す方向とは違っていましたが、たくさんの飼い主さんが病院を信頼してお見えになる、そのやり方を現場で知りたかったんです。院長はさっぱりとした性格で、人間的な魅力にあふれる方。建前と本音が入り交じる世の中で、誰とでもなるべく本音でつき合おうとする人でした。多くの飼い主さんと同様、私も院長の人柄にひかれて、予定よりも長く勤めました。今でも院長とは親しく、「仕事が終わったら飲みに来いよ」とお誘いがあれば、すぐ飛んでいきます。ただ横浜市とさいたま市、お互いに遠いのがつらいところです(笑)。

開業される時は、どんな病院にしたいとお考えでしたか?

小規模な病院とその対極にある大きな病院、両方を経験して感じたのは、忙しくなると診療のきめが粗くなり、たくさん人が関わると情報伝達が悪くなることでした。私は飼い主さんと動物を、ゆっくり時間をかけて診たいと思い、あまり規模を拡大しないで、基本的に自分の目の届く範囲で診療できる病院を作ったんです。今は忙しくなる曜日に週2日、サポートに入ってもらいますが、そのスタッフも私の方針を十分理解してくれる人なんです。

この病院の場所は、何か先生とご縁があると聞きました。

本当は病院を作るなら、もっと自然とふれあえる地域がいいと思っていたんです。ただここは祖父が住み、母の実家があった場所なんです。父親の退職を機に、母親はここで一緒に住みたいと希望していました。そこで私の開業時期と合わせて家を改築して、1階を病院にしたんです。そして予備校時代、私は改築前の家に住んで獣医師をめざしたのですから、ここで病院を開業するのは縁といえるかも知れません。

飼い主だから見つけやすい。動物たちの病気のサインに注意

診療の時、先生が心掛けていることを教えてください。

私は獣医師ですが、それ以前に飼っている動物たちを愛する飼い主です。だから診療の時も、できる限り飼い主さんの立場で、皆さんが気になることをしっかり説明したいと思っています。病気の原因は何か、これからどう治療するのか、費用はどれくらいかかるか……。飼い主さんが不安に感じることは、何でも話して解決しておきたいんです。例え簡単な手術でも、手術前にはこのようなリスクがあると、きちんとお伝えすべきだと考えています。ただ、こうした説明をすると、30分から1時間近くかかることもあります。当院は予約制ではなく受付順なので、タイミングによっては長くお待たせしています。大変申し訳ないのですが、やはりこのやり方で私は続けたいと思っています。

こちらで診療されるのは、犬と猫だけなんですね。

ええ。個人的に診察する動物は、獣医師も飼うべきだと考えているんです。犬猫病院とひとくくりにしても、診療にはそれぞれ専門知識が必要で、診療対象が増えれば知識はそれだけ膨大になります。私にはすべてを勉強するのは無理ですから、犬と猫だけを診療対象にしているんです。それに動物たちの不思議な行動の理由、病気に気づくための癖など、飼わないとわからない情報はたくさんありますよ。例えば犬が床を繰り返しなめる癖。これは胃もたれで、胃液が出過ぎているのかも知れません。外で飼っていれば草を食べるのですが、室内では毛ぼこりなどを食べ、胃もたれ解消に吐こうとしていると考えられます。日々のこうした発見が、診療の大事なヒントになるんです。私は犬を3頭、猫を1匹飼っていますが、数年前には飼っている犬たちの母親と祖母を亡くしました。その時は、元気かなと心配しながら帰宅し、大丈夫だったと安心する繰り返し。最終的に助けられませんでしたが、この経験で飼い主さんの悲しみを実感し、獣医師としてさらに一歩踏み出したと感じます。

これから、どのような病院にしたいとお考えでしょうか?

飼っている子が病気でなくても、気軽に立ち寄っていただける場所にしたいですね。この待合室の窓の下から道路が少し見えるようにしたのは、散歩で通り過ぎる犬たちの様子を知りたいから。知っている子が通ると、やっぱりうれしいんですよ。おやつ代わりに試供品のフードも無料で差し上げていますから、世間話で来てもらえたらと思います。そうした会話の中で「最近、うちの子はこんな感じです」「それは○○かも」と、大事な情報が見つかるかもしれませんから。例えば成犬が水をたくさん飲む、おしっこをよくするなら、病気のサインと考えてもいいのです。また体重減少、食欲減退も、やはり何かおかしいと感じてほしいですね。こういう話も気軽にできて、動物たちの健康管理につながる、地元に愛される病院になりたいと思っています。

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