小林弘寿 院長の独自取材記事
PUPU動物病院市川
(市川市/下総中山駅)
最終更新日: 2023/01/22
JR総武線・下総中山駅南口から徒歩で約10分。県道283号線沿いに「PUPU動物病院市川」はある。オープンは今年4月。外観院内ともに新しくフレッシュな雰囲気にあふれている。院長を務めるのは小林弘寿先生。麻布大学を卒業後、梅島動物病院で研鑚を積み、開業に至った。コンセプトは、多様化する犬・猫の疾病に対する包括的な高度医療提供。内科・外科だけでなく、腫瘍科、循環器科、整形外科、眼科、皮膚科など幅広く対応し、ペットに何かあれば、まず通える病院づくりに取り組んでいる。また、「動物への愛情」を一義として診療にあたることをモットーにしており、ペットも飼い主も心底安心できる環境をめざしている。病院の概要や特徴、診療に対するこだわり、獣医師になったきっかけなど、小林院長に聞いた。 (取材日2015年4月6日)
飼い主の気持ちも大切にしてくれる、親しみあふれる動物病院がオープン
最近オープンした動物病院だそうですね。
今年の4月6日にオープンしました。以前は、足立区にある梅島動物病院に従事していて、6年間研鑚を積み、この度の開業に至りました。市川は私の地元なんです。開業を考えたとき、慣れ親しんだ場所でという思いがあったことと、ペットを飼う旧知の友人や知人の「どこの動物病院に行ったらいいのかわからない」という声も以前から聞いていましたので、この場所に開院しました。すべてがこれからの動物病院ではありますが、全身全霊で、飼い主さんとペットの生活に、そして地域の獣医療に貢献していきたいと思っています。
ペットの種類など、何か地域性は感じますか?
特別、特定の種類のペットが多いということはないと思います。私の印象は、とてもペットと飼い主さんが睦まじく暮らしている地域ということですね。当院の近くには江戸川が流れていますが、飼い主さんが犬を連れて仲良く散歩している光景をよく見かけます。周辺を歩いていてもそうで、ペットと人のつながりが深い場所だと感じています。また、飼い主さんはお年寄りの方も少なくないのですが、ファミリー層がとても多いのも特徴です。ただ、当院が開院するまで、この付近には病院がなかったそうなんです。内覧会で、「近くに動物病院できて安心しました」と、多くの飼い主さんからお声をいただきました。
病院名「PUPU」の由来を教えてください。
私が以前飼っていたマルチーズの名前なんです。女の子なのですが、好き嫌いがとても多くてグルメ、そしてダンディな男の人が好き(笑)。まるでお姫様のようなワンちゃんでした。そんなPUPUを、家族の一員として心から愛していたのですが、PUPUは老齢になり病気を患ってしまいました。私は獣医師として必死に治療に努めました。また飼い主として早くよくなるよう願っていたのですが、無念ながら闘病の末に亡くなってしまいました。そのとき、獣医師以前にいち飼い主として、愛するペットと別れるつらさを実感したんです。今でも思い出すと、言葉につまってしまうこともあります。でも、その思い出から、当院を開業するにあたって飼い主さんのペットへの思いにも寄り添い自分の子のようにペットを診る動物病院でありたいと思い、病院名にPUPUの名前を付けました。PUPUは心から愛しい存在であり、その思いは昔も今も変わりません。
包括的な医療提供と、ペットと患者に伝わる愛情ある診療を
クリニックの特色を教えてください。
診療では、まず包括的な高度医療の提供を標榜しています。研鑽を積んだ梅島動物病院や大学病院では、眼科・腫瘍科の診療で数多くの難治性疾病の治療を担当していました。その経験を生かし、当院は一般内科・外科から、整形外科、歯科、眼科、腫瘍科など幅広い診療を実施しています。特に眼科は、街のかかりつけで標榜するところが少ないと聞きますから、当院の大きな特色といっていいと思います。人間と同じように犬や猫も白内障や緑内障を患うリスクがありますので、眼疾患予防の面でも積極的にお役に立っていきたいですね。また、それぞれの科において、他の専門病院や大学病院、夜間救急施設などとの連携もしており、最良の治療を求められる医療機関を迅速にご紹介できる体制を整えています。
診療に対してのこだわりをお聞かせください。
獣医療以前のことですし、こう言うと違和感を覚えられるかもしれませんが、私がいちばん大切にしているのは「動物への愛情」です。その意識が根底にあるからこそ、獣医師としてよりよい治療をめざせるのだと確信しています。具体的には病気が治る、または症状が改善に向かうなど……、愛情を持つことで何かが変わるわけではないかもしれません。でも、目の前のペットのことを、獣医師がどれだけ思いやり診療にあたるかによって、やはり結果は変わってくるのだと思っています。また、実際の診療では「透明性のある診療」をモットーにしています。診察から治療に至るまで当院では、飼い主さんと一緒に取り組んでおり、何か不安や疑問などがあれば、真摯に説明し、ご理解・ご納得いただけるように努めています。
獣医師として今、発信しておきたいことはありますか?
自身の体の不調などを伝えられないのが動物であり、人間と同様に早期発見と早期治療が欠かせません。そして、ペットの末長い健康に寄与するのは、病院での定期的な健診以前に、普段の生活で飼い主さんが如何に異変に気づくかということです。しかし、異変に気づくためには知識が必要ですから、ペットが病気になる前に、ぜひかかりつけの病院で健康にとって大切なことを学んでいただきたいと思います。また、例えば、「うちの子は歯磨きや目薬を嫌がる」と、悩まれている飼い主さんも少なくないと聞きます。こういった場合も、コツを覚えることでスムーズに対処できる場合が多いんです。獣医師はペットとの上手な接し方のプロフェッショナルでもありますから、そういったことも気兼ねなく相談していただければと思います。より多くの飼い主さんに、動物病院は治療するだけの場所ではなく、“ペットの相談所”であるということを当院から発信していきたいですね。
生粋の動物好きから獣医師をめざす。「助けたい」と願い、積んだ研鑚の日々
獣医師をめざしたきっかけを教えてください。
やはり動物が好きだからです。とにかく小さい頃から、動物を愛らしく感じていました。もちろんペットも飼っていましたし、昔あった動物番組を食い入るように観ていたのを覚えています(笑)。そのようにして、自分なりに動物に対してアンテナを張っていて、知ったのが動物のお医者さんだったんです。また、不条理に命を落とした動物の話を聞いたときなどは、「自分が助けてあげたい」と強く感じていて、いつしかめざすべき職業になっていきました。大学は麻布大学に進みましたが、進路を決めたのは高校生のとき。プロフェッショナルな先生がたくさんいらっしゃると情報を得たからです。在学中の思い出は数々ありますが、一番は諸先輩方の医療技術を見て、数年で自分もここまでできるようになるのだろうか? と、感銘とともに不安を抱いたことですね。でも、切磋琢磨できる数多くのよき仲間ができ、ともに研鑽を積むことができました。こうして振り返ってみると、動物と接するばかりですが(笑) 獣医師をめざしてよかったと思いますし、はっきりと天職だと感じています。
休日はどのようなリフレッシュをしていますか?
忙しくてなかなか時間が取れないのですが、ラグビーの試合を見に行っています。実は私も、高校・大学と部活でラグビーをしていました。今は、ケガはできませんのでしていませんが、試合を観ると当時の気持ちが甦ってきますね。また、仕事に対するモチベーションにもなっていると思います。あとは、特別な趣味というほどのものはないですが、室内仕事がメインですから、ドライブなどで外に出てリフレッシュしています。
最後に、今後の展望をお願いします。
何よりもまず、近隣のペットと飼い主さんの生活のお役に立てるよう、毎日の診療を全力であたっていくことですね。ペットに何か心配事があったとき、まず思いだしていただけるような、動物病院をめざしていきたいと思っています。また、展望としては、深く地域の獣医療に貢献できるような万全の医療体制を構築していければと考えています。各科における専門的な治療、または夜間救急など、医療設備やスタッフの拡充によって、ペットと飼い主さんが気兼ねなく通えて安心して診療を受けられる病院づくりに尽力していきます。まだまだ、日の浅い動物病院ではありますが、誠心誠意ペットと飼い主さんの幸せを守れる病院でありたいと思っています。病気だけではなく、何かの疑問でも構いませんので、ぜひお気軽にお越しください。