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食欲不振や歯・生殖器の病まで うさぎの病気・注意点を徹底解説!

ナチュラ動物病院

(座間市/入谷駅)

最終更新日: 2021/10/12

飼いやすく、人懐っこく癒やされると、人気の高いうさぎ。ただ、自然界では肉食動物に追われる立場にあったので、自分を守るために弱みを見せず、病気であることを隠してしまうことも多いそう。犬・猫だけでなく、小動物のホームドクターとしてうさぎの診療にも力を入れている「ナチュラ動物病院」の瀬戸忠一院長に、うさぎに多い病気やその注意点、動物病院で診てもらう際の注意点などを聞いた。(取材日2015年7月22日)

消化器や歯、子宮に関する病気が多いうさぎ。定期的な健康診断で早めに異変に気付いてあげることが大切

  • Q.うさぎのしつけについて教えてください。

    A.

    ▲うさぎの扱いに慣れた瀬戸院長による診察

    本能的な習性を持つうさぎのしつけは困難です。うさぎはいろいろな物をかじります。カーペットの毛を食べたり、電気コードをかみ切ったり。好奇心旺盛で、興味を持ったものをかじるという習性があるのです。ですから、怒ってもしょうがなく、飼い主がかじると危険なものを身近に置かないようにするしかありません。トイレは、うさぎ用トイレを置けば、そこですることを自分で覚えます。ただ、中には一定の場所でできないうさぎもいますが、これを直すのは難しく、そのうさぎに合わせた環境づくりを考える必要があります。また、拘束されるのが嫌いで、抱っこされるのは好みません。ただ、小さなうちから慣れていれば、抱っこさせてくれます。
  • Q.換毛期に気をつけることはありますか?

    A.

    ▲些細な変化に気付くためには、日頃のコミュニケーションが重要

    夏と冬、年2回の換毛期には特にブラッシングをしてあげましょう。また、中高齢になると年中毛が抜けるので、注意が必要です。うさぎは自分で毛繕いするとき、毛を食べてしまうことがありますが、体の構造上、毛を吐き出すことができず、排泄物で出すしかありません。換毛期が長いと毛を食べ続けることになり、胃腸に毛が詰まって毛玉症という病気になる恐れがあるので、小まめにブラッシングする必要があります。草などの繊維質の多い食事をすることで、胃腸の動きが活発になり、毛玉症になりにくくなります。歯が削れやすくなって歯の健康も保ちやすくなるというメリットもありますので、飼い主さんは積極的に繊維質の食事を与えましょう。
  • Q.うさぎの食欲不振が心配です。

    A.

    ▲食欲不振の原因になりうる歯の健康状態をチェック

    食欲不振の原因はさまざまですが、大きく分けて2つ。一つはおなかの病気。毛繕いした自分の毛などの異物が腸の中にたまり、腸閉塞になるもので、命を失う可能性もあります。兆候としては排泄物の大きさが小さくなったり、少なくなったりします。2つ目は歯の病気。うさぎの歯は一生伸び続けます。食べることで削れますが、ゲージを噛む癖やケガによる歯の破折などで噛み合わせが悪くなると、歯が尖って伸び、頬や舌を傷つけてしまうことも。奥歯は見えにくく確認しづらい位置にあります。口の周りがよだれで汚れている場合は、奥歯が悪い可能性があります。飼い主さんはこまめに気にしてあげて、気になる点がありましたら気軽にご相談ください。
  • Q.避妊・去勢手術について教えてください。

    A.

    ▲避妊や去勢の手術に対応

    避妊手術や去勢手術も一つの選択肢です。メスでは4歳以上になると50%以上の確率で子宮疾患が起きるというデータがあります。子宮疾患の場合、がん化していることが多く、手術しても長くは生きられないことが多いです。後悔しないよう、生後6〜12ヵ月での避妊手術(卵巣子宮全摘出手術)を勧めています。オスもメスほど多くありませんが、精巣にがんが発生しやすいので、去勢手術をしたほうが安心です。去勢すると、縄張りに対する精神的なストレスがなくなり、オシッコを飛ばすなどの問題行動がなくなるというメリットも。注意点としては、メスもオスも手術後は太りやすくなるので、カロリー控えめの食事を与えてあげましょう。
  • Q.うさぎの動物病院の選び方について教えてください。

    A.

    ▲ますますうさぎの診療には力を入れたいと語る瀬戸院長

    初診の場合、近隣の動物病院でうさぎを診てもらえるかどうかを調べます。うさぎは体力がなくストレスを感じやすいので、30分以下で通えるところを探しましょう。一番いいのはうさぎを飼っている知り合いの方の評判を聞くことです。また、うさぎを診ている症例数が多い動物病院ですとより安心です。うさぎの場合、定期的にワクチン接種などが必要な犬や猫と違い、病気になって初めて病院に連れて行くケースが多いもの。しかし、病気になってからではなく、元気なときに爪切りや健康診断などに連れて行き、話しやすい先生なのか、うさぎが落ち着ける環境なのか、待合室にいるときに配慮があるかなどをあらかじめチェックしていくといいでしょう。

動物病院からのメッセージ

瀬戸忠一院長

うさぎは自然界では肉食動物に追われる立場なので、なかなか弱みを見せようとしません。弱っていると知られたら、食べられてしまうからです。病気になっても元気を装うので、飼い主さん側は病気に気付きにくいです。気付いたときには手遅れということも。見た目は元気でも、排泄物の量や大きさ、食欲など少し変だなと感じたら、早めに病院に行きましょう。また、健康診断を受けることをお勧めします。4歳までは年に1回、4歳を超えてきたら年2回以上、受けると安心です。当院では「わんにゃんドックふた葉コース」でうさぎの総合的な健康診断を行っています。爪切りだけでも大丈夫ですので、ぜひ気軽にいらしてくださいね。

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