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伊東三晴 院長の独自取材記事

ハルペットクリニック

(海老名市/海老名駅)

最終更新日: 2023/01/22

海老名駅前にある大型複合商業施設「ビナウォーク」の4号館1階にある「ハルペットクリニック」。商業施設内という立ち寄りやすい立地に加え、2面が大きなガラス張りという開放的な雰囲気があり、敷居の低さが特徴だ。伊東三晴院長は野生動物の生命の強さや神秘性に惹かれて獣医学科に進み、卒業後は免疫分野の研究職にも就いた経歴の持ち主。臨床医になってからは「human-animal-bond(人間と動物の絆)」を何よりも大切にしている。一般外来診療はもちろん、高度専門医療の窓口としての役割も果たすため、レントゲン、超音波、内視鏡を含め各種検査体制も充実している。自身も3匹の犬と1匹の猫と共生している伊東院長に、クリニックのコンセプトや心がけていることなどを聞いた。 (取材日2015年6月22日)

話せないペットの一次診療を的確に行い、必要なら専門病院を紹介

海老名で開業されたのはどうしてですか?

海老名駅前に2002年にオープンした「ビナウォーク」が開業されたことで、今までの海老名よりも多種多様なニーズが生じました。ビナウォークさんが医療棟と位置付ける4号館に、動物病院を誘致したいという話があり、ちょうど私も開業する場所を探していたので、ここにクリニックを開くことにしたのです。大規模な複合商業施設の中にあるので、買い物のついでや散歩の途中などにも寄ることのできる、動物病院としては来やすい環境という点が気に入りました。さらに、動物病院は従来、中で何がどうやって行われているかわからないというイメージが定着していましたので、これをまずなくす必要があるなと、ちょうど角地だったので2面をガラス張りにし、クリニック内をオープンにしました。出来立ての施設が成長していく中で、自分も一緒に成長していけるのが良かったです。

開業されて12年、ペット医療に何か変化はありましたか?

この12年間で獣医学は飛躍的に向上し、またペットブームもあり、ネットや雑誌ペットの管理や予防医学、口のきけない動物の病気の潜在性に対しての知識が広まり、飼育の仕方も変わってきました。われわれのクリニックが飼い主さんにとって身近な存在になってきたのではないでしょうか。開業当初からそういう傾向はありましたが、ここ数年でそれを強く感じるようになってきました。定期的な検診の必要性も年々認知度合いが高まってきています。

クリニックとしてのコンセプトは何かありますか?

初期(スクリーニング)検査をしっかり行い、思い込みで判断せず、客観的な検査診断を確実に行うことです。よくわからないけど、元気がなく具合が悪そうだと飼い主がペットを連れて来られても、ペットは言葉をしゃべれないので原因がわかりません。その原因を、ジェネラリストとして総合的に診て、探りだすのがプライマリケアーの役割です。もちろん、獣医療の世界にも専門分野は必要です。これからは動物病院にも専門性を掲げるところが出てくると思います。しかし、全体を総合的に診る診療科(総合診療医)は獣医界では非常に重要です。一次診療として全体を診るジェネラリストがいた上で、専門性が要求されるのです。このクリニックではファーストルックをきちんと行い、専門的あるいは高度な二次診療が必要であると判断した場合は、獣医師のネットワークによって最適な機器や技術を有すると考えられる病院やクリニックを紹介しています。

「human animal bond(人間と動物の絆)」を感じられた時が最高の喜び

一次診療をきちんと行うために検査機器もそろっているようですね。

救急医療や一般診療の設備を除き、全てのクリニックが大規模な検査・治療の設備を持つことは困難です。ただ、初動診療対応をきちんと行って、必要ならば二次診療先の大きな病院や専門性のある病院に紹介する道を付けるためのツールとして、必要な検査機器は揃えています。例えば、血液や尿検査はもちろん、デジタルレントゲン、超音波検査装置、内視鏡などによる検査体制を整えています。中でも内視鏡は、検査機器としては非常に有力な機器ですが、動物病院では全身麻酔を必須とする検査であるため、なかなか飼い主様にとって気軽に応じていただける検査ではありません。そのため麻酔装置やモニターなどの機能を充実させ、患者様により安心していただける環境づくりをしています。内視鏡で撮影した画像をモニターで見ながら飼い主さんに説明すると、客観的な情報を共有でき、飼い主さんも次のステップへ進みやすくなります。

プライマリー診療を行われていますが、専門分野も何かありますか?

大学での専門は免疫学でした。大学を卒業した後、もう少し免疫学を学んでみたいという意識が強く、研究を続けられる場所としてヤクルト本社の中央研究所に入りました。研究室で臨床に関する研究を繰り返しているうちに臨床に強い興味を抱き、臨床医の道を選びました。企業に入社したことや、研究職の経験は今の自分に非常に役立っています。臨床医としても皮膚科やアレルギーの分野では研究職の経験が生きていますので、今後もこの分野での専門性は動物たちに還元していきたいと思っています。ペットにも、食物や環境の変化などによってアトピー性皮膚炎などアレルギー性の疾患が増え、来院者も多くなっていますからね。

では臨床医になって良かったと思われるのはどういうときですか?

病気を治したことで喜ばれるのはもちろんありがたいことですが、私はそれよりも、飼い主さんとペットの間に「human animal bond(人間と動物の絆)」が目に見えて感じられた時がうれしく、喜びを感じます。これからも「この犬がいるから私は大丈夫、この猫がいるから私は幸せ」と多くの人に思っていただけるお手伝いをしていきたいです。

先生が診療にあたって心がけていることを教えてください。

ペットは言葉を話しません。まずは飼い主さんと話をし、普段とどう違うのかなど、症状を分析したり、原因を探ったりする上で必要な情報をできるだけ引き出すように努めています。かかりつけ医となっている場合は、日ごろのペットの性格も知っておくようにします。病状の話をお伺いするときは、誘導的な質問をせず、自然な会話の中に質問を混ぜてお話し情報を集積します。また状況にもよりますが、ペットがつらくしているのを見ると、どうしても感情的になったり、混乱したりしてしまう方もおられますので。一時的に集中治療室などにお預かりしてから、冷静に話ができる環境をつくることも大切だと考えています。

様子がおかしいと感じたら自分で原因をつくらず、すぐに診察

「パピークラス」という子犬のしつけ教室も開かれていますね。

生後4週齢から13週齢ぐらいの「社会化期」と呼ばれる期間の子犬に、社会性を身に付けさせる教室です。動物の社会化期を学んだ時、社会化期に何らかの原因で社会性がうまく身に付かなかった犬の場合、その後、精神的な不安が出てきて、人を怖がったり、他の犬と仲良くできなかったり、さまざまな問題が生じます。当院では獣医療の一環ではなく、確立した学問としての知識が必要と考え、専門のしつけインストラクターを招いて、社会化期にきちんと社会性が学べるパピークラスを予約制で始めました。私は健康面をチェックする役割です。

先生が獣医師を志したのはどうしてですか?

小さいころから動物が好きで、小鳥とか猫を飼っていました。動物全般にも興味があり、特に野生動物が自分たちの力で生きていく生命の力強さ、生命の神秘性に魅かれました。弱肉強食という言葉がありますが、大きいから必ずしも生きていけるわけではなく、小さなものは小さいなりに生きていくし、寒い中で生き抜いていく動物もいる、そういう人間とは違うところに魅力を感じましたね。それで将来は動物に関わる職業に就きたいと思っていましたが、高校生の時、具合が悪くなった小鳥を診てもらった先生が魔法のようにあっという間に治したんです。あこがれましたね。あの時の感動は今でも忘れません。

今後の抱負を教えてください。

適切な二次診療先を速やかに紹介できるようなネットワークを、近隣の動物病院、獣医師と連携して構築したいと考えています。あそこの先生はこういう分野に精通している、こちらの病院にはこういう機器があってこういう治療ができる、といった情報を幅広く共有できればと思っています。また、インターネットを介してみんなでさまざまな症例を共有して、ディスカッションもできればいいですね。一人の考えではなく、大勢の医師の考え方で症例に対応できるようになりますから。すでに、知り合いの先生とそういう組織をつくろうと計画を進めている最中です。この組織の輪がどんどん広がっていくように頑張りたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

動物と触れ合うことで得られるものは大きいです。「人と動物の絆」は私たちの生活を豊かにする一つの手段です。ペットを亡くされた場合にも、良い思い出が心深く残るように、日ごろのコミュニケーションを大切にしていただきたいですね。クリニックとしてのお願いは、ペットの様子がちょっとおかしいなと感じたら、様子を見ないで相談していただきたいということです。おかしいなと感じた時は、おかしいんです。年のせいだとか、引っ越したためだとか、原因を決めつけることは危険です。場合によっては手遅れになることもありますから、違和感があればまずは獣医師に診せるようにしていただきたいです。

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