菅 俊孝 院長の独自取材記事

常勤としては私と妻、そして最近新しく入っていただいた若手の先生の3名です。その他、非常勤として週に2回、皮膚科認定医の先生に来てもらっています。

専門という訳ではありませんが、私は整形外科分野を比較的得意としております。最初に勤務をした横浜の病院の院長先生が、この分野における第一人者で私も興味を持つようになりました。当院に直接通院してくれているペットで、整形外科疾患というのはあまり多くなく、通常診療のメインではないのですが、他院から難症例の犬猫をご紹介いただくケースも多くあります。オペ室などの施設も比較的整っておりますし、他院で難しい整形外科手術も対応できますので。とはいえ、以前勤めていた下関の病院に比べて、この辺りでは緊急の整形外科手術というのはあまり多くないように思います。田舎では放し飼いされているペットが道路に出てしまい、車と接触するなどの事故が多く発生していましたが、この辺りでは皆さんペットをとても大事にされているので、放し飼いというのはあまり見かけませんよね。

同じく獣医師である妻が歯科、妻の友人が皮膚科を診てくれています。私自身、どちらもあまり得意でないので、非常に助かっています。大学時代の同級生だった妻は、気軽に相談できる良きパートナーです。分野的に住み分けが出来ているのも良いのかもしれません。

はい。若い獣医師ですが、超音波や内視鏡をお得意とされている先生に来ていただいています。これからは積極的に活用していけそうなので、新たに高機能の機器も導入しました。これまで、休診日の病棟ケアなどすべて私一人でやってきたため、まったく休日がなかったのですが、分担をお願いすることができるようになり、負担を軽減することができました。現在は、整形外科、歯科、皮膚科に超音波、内視鏡による診断と、4人の獣医師がそれぞれの長所を持ち寄って、4本柱で運営しているのが当院なのです。私一人ではとてもカバーしきれない広い範囲に対して、レベルの高い診療を提供することができる、素晴らしい体制です。

最初に勤務した横浜の院長先生が、こうした木の素材感を生かしたインテリアがお好きで、確かに落ち着く感じが良いと思いこちらでも採用させていただきました。こだわった点は、皆さまにお見せするわけではない場所ですが、少しわがままを言ってオペ室を広くしてもらったところでしょうか。複数の獣医師が入って一緒にオペをできたり、オペを見学してもらったりできるように、スペースを広くとっていただきました。

大分県に整形外科分野で名医といわれる、素晴らしい腕をお持ちの獣医師がいらっしゃいます。九州全域から難症例が集まるという感じの病院だったのですが、下関の動物病院に勤務していた当時、何度かペットを連れて行ってオペをお願いしたことがあるのです。その先生は、紹介元であるわれわれもオペに参加させてくださいます。一緒にオペ室に入って助手をやったり、症例への対応を見学させていただいたり。そうすることで、必要な情報のやりとりもスムーズにできますし、われわれとしてもレベルの高いオペを目の当たりにすることができます。ご自身が習得した知識や技術を独占することなく、気持ちよくシェアしてくださるその姿勢に感銘を受け、将来的に私もそのような獣医師になりたいと思いました。そうした経験から、当院でも同様のスタイルをとっています。ご紹介を受けてオペをする際には、紹介元の先生に助手をお願いすることもありますし、見学も積極的に入っていただいているのです。

整形外科の手術というと、それなりの設備が必要になってきます。すべての動物病院で必要な設備を整えることは難しいですし、せっかくあるのだから当院の設備を活用していただきたいという思いもあります。ご要望があればオペ室と設備をお使いいただいて、私が助手に入ることもあります。単純にご紹介を受けてオペだけを引き受けるというケースももちろんありますが、オペ経験を共有することで、少しでも地域の獣医療レベル底上げにつながればいいなと思っています。

私自身、藤沢生まれの藤沢育ち。勤務医時代こそ横浜市や下関市など別の街で過ごしていましたが、人生の多くの時間を藤沢で過ごしてきました。友人がサーフショップを経営しているのもあり、当時は自分もウィンドサーフィンをやっていたことから、「開業するなら海の近くがいいな」と、漠然と考えてもいました。そんなタイミングでこの物件を見つけて、ここでの開業を決意したのです。

よく言われることですが、藤沢は非常に住みやすい街です。人にとって住みやすい街であると同時に、ペットにとっても住みやすい街だと思います。ここに暮らしているペットたちはとても大切にされている子が多いですし、飼い主さんは意識が高い方が多いです。そうした飼い主さんからのニーズに応えるために、さまざまな治療の選択肢をご提供したいと思っています。

お互いに動物が好きで獣医になったもので、現在犬2頭、猫2匹に海水魚、カメ、クワガタ、カエルなど、さまざまな動物を飼っています。元は通院患者だったドーベルマンを、飼い主さんのご都合で引き取ったので、今は朝晩散歩に出ています。休日はあっても、長く自宅を離れるというのはなかなか難しいですね。

病院選びは相性によるところも大きいもの。特に専門分野での診療が必要となる場合以外は、できる限り通いやすい、近くの病院を選ばれたほうが、負担は少ないと思います。当院は、4人の獣医師がそれぞれの得意分野を持ち寄って診療を行っている、守備範囲の広い動物病院です。獣医師会をメインとしたネットワークもありますので、他の専門医へご紹介することも可能です。お近くで動物病院をお探しの方がいらしたら、お気軽にご相談いただければと思います。