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原因に合わせて正しく治療したい 猫の皮膚疾患
とことこ動物病院
(千葉市若葉区/都賀駅)
最終更新日: 2021/10/12
いつも自由気ままに動き、ストレスを感じることがなさそうに思える猫。しかし、遊ぶ時間が少ないことやトイレが汚れていることなど、日常生活の中でストレスを感じ、自分の体を舐めることや毛をかきむしることで皮膚疾患を引き起こすこともある。そこで、皮膚疾患を得意とし、クリニックでも二匹の猫を飼っている「とことこ動物病院」の所正樹院長に、猫の皮膚疾患の症状や治療法など詳しく聞いた。(取材日2016年1月22日)
目次
気ままそうで実は繊細な猫。皮膚疾患はストレスや他の病気が原因で起こることも
Q.猫の皮膚疾患の原因や症状を教えてください。
A.ネコちゃんはワンちゃんに比べると神経質な子が多いことから、皮膚疾患とストレスとの関係は大きいと言われています。遊ぶ時間が少ない、トイレが汚い、多頭飼いの場合は相性がよくないといったことでストレスを感じ、毛をむしってしまうことや、爪で掻いて傷を作ること、舐めることによって毛が抜けてはげてくるなどの症状が見られます。その他の原因としては感染症や、皮膚自体が悪いのではなく、膀胱炎があってその部分を舐めることで皮膚に炎症を起こしてしまうこともあります。▲猫の皮膚疾患に対応してくれる所先生
Q.ストレスが原因の場合はどのような治療を行いますか?
A.ストレスが原因の場合は、よく飼い主さんとお話をして、毛を舐める以外に何か変わった動作はないか、お家の環境に何か変化がないかなどをお聞きして、環境が改善できるようにしていきます。もちろん動物の皮膚の状態を診ながら話を進めていきますが、飼い主さんの個々の飼い方や最近変わったことはないかといったことのほうが、メインの判断材料となります。行動療法がうまくいかない場合には、精神安定剤のような薬を使って行動の様子を診ることもありますが、皮膚病は特別な薬や治療よりも、飼い主さんのコミュニケーションをとることが何よりも大切だと考えています。▲診察室でしっかり話を聞いてくれる
Q.ほかの病気が考えられるときはどのような診療を行いますか?
A.ワンちゃんは皮膚がもともとの原因になることが比較的多いですが、ネコちゃんは皮膚だけに限らず、全身に原因が隠れていることもあります。ですから、あらゆる角度から幅広く診ていく必要がありますね。関節やお腹が痛くてその部分を舐めているときは、ぱっと見ただけではストレスなのか病気があるのか、見分けが付きづらいので、皮膚以外の膀胱炎や虫歯といったほかの部分の疾患も考慮して、膀胱炎があればおしっこの検査を、関節炎ならレントゲンなどを元に診断をしていき、根本の原因となっている病気の治療を行います。▲院内でも猫を2匹飼っているそうだ
Q.猫がストレスを感じていると思ったときの対処法はありますか?
A.遊ぶ時間を増やすなどの対策のほか、トイレの砂の素材や、トイレを違う場所に置くなど生活環境で変えられることは変えてみるとよいでしょう。ネコちゃんは自由気ままに生活しているように見えますが、実はデリケートな動物です。元々は外できままに生きていた動物なので、人が介入することでストレスに感じることもあるかもしれませんが、ちょっとした工夫でストレスをなくせることもあると思うので、飼い主さんが気づいたことがあればやってみてください。▲「猫はデリケートな動物だ」と語る
Q.受診のタイミングや連れていく際に気をつけることはありますか?
A.前述のとおり、皮膚疾患の原因は多岐にわたるので、毛が抜けたりはげてしまっている、自分で舐める以外に掻くことで顔が傷だらけになっているなどの症状があるときは、様子を見すぎずに医療機関を受診されることをお勧めします。お引っ越しの後など生活環境が変わったときには特に注意が必要です。ネコちゃんに限って言えば、病院に行くときはワクチン接種や病気のときが多いので、病院があまり好きではない子もいますので、基本的には洗濯ネットに入れてなおかつキャリーに入れて移動するとよいと思います。洗濯ネットを嫌がる子は意外と少ないですし、小さいうちから慣らしておくといいですよ。▲駐車場も4台分有り、来院しやすい
動物病院からのメッセージ
所正樹院長
ワンちゃんと比べるとネコちゃんの皮膚疾患はわかっていないことも多く、行動療法を行っても必ずしも毛が生えてくるわけではないため、長いおつきあいになることもありますが、頑張って一緒に治していきましょう。最近は、ワンちゃんよりも手がかからないからとネコちゃんを飼う人が増えてきています。飼育環境が整っている場合はよいのですが、飼育環境が変わったり、トイレが汚かったり、遊び時間が少ないと皮膚病に限らず具合が悪くなってしまうこともあるので、ネコちゃんが退屈しないように遊んであげたり、手間をかけてあげてください。もしも具合が悪くなったときには勝手に治ると思わずに、動物病院を受診していただければと思います。
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