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高齢の犬・猫が発症しやすい心臓病 超音波検査で的確な検査診断を

七光台どうぶつ病院

(野田市/川間駅)

最終更新日: 2023/09/15

人間と比べると成長・老化が早い犬と猫。小型犬や猫では1年で人間の4歳分、大型犬では7歳分年を取るともいわれている。そんな動物たちがより長く元気に暮らすためには日々の体調管理がとても大切だ。「最近では心臓病を発症する犬や猫も多く、特に猫は子猫の時から発症する例もあります」と話すのは「七光台どうぶつ病院」の洲崎伸一院長だ。洲崎院長は、循環器を専門としこれまで多くの心臓病の犬や猫を診てきている。心臓病はまさに命と直結する病。言葉が話せない動物だからこそ、飼い主が早めに気づいてあげることが必要だ。心臓病の初期症状や検査方法などについて洲崎院長に話を聞いた。(取材日2023年9月7日)

犬は咳や速い呼吸に注意。猫は腹式呼吸や運動時の開口呼吸が心臓病の初期症状

  • Q.循環器がご専門とのことですが、どんな疾患があるのですか。

    A.

    ▲これまで多くの心臓病の犬や猫を診てきている洲崎院長

    犬の場合、心臓の弁の異常から起きる僧帽弁閉鎖不全症や、肺の動脈の血圧が高くなる肺高血圧症などが代表的です。中でも僧帽弁閉鎖不全症を発症するケースが多いですね。これは左心房と左心室を仕切っている僧帽弁に異常が生じ、血液が逆流する病気です。進行すると死に至ってしまう病気なので、早期発見が大切です。フィラリア症も心臓疾患の一つですが、今、都心部では予防管理が徹底されていて、当院でも診る機会は少ないですね。猫の場合は、心筋症や高血圧、動脈血栓塞栓症、大動脈弁下部狭窄症などの病気があります。中でも肥大型心筋症は猫の心臓病の中で特に多い疾患です。
  • Q.高齢になるとそういった心臓疾患にかかりやすくなるのですか?

    A.

    ▲歯周病と心臓病は深い関係があるという

    犬の場合、7歳~10歳になると僧帽弁閉鎖不全症を発症しやすくなります。大型犬や中型犬と比べると小型犬に多いので、小型犬を飼っている方は注意してください。猫の場合、心筋症は病態によって肥大型、拡張型、拘束型、不整脈型の4つのタイプに大きく分けられます。中でも多いのが心臓の筋肉が厚くなる肥大型心筋症です。この病気は発症年齢が幅広く、子猫の時から発症するケースもあります。心臓病は発見がなかなか難しいので、飼い主さまは普段から犬や猫の様子をよく観察していてほしいですね。また、歯周病と心臓病は深い関係がありますので、歯周病の予防や歯磨きケアなど口腔環境に気を配ることが大切です。
  • Q.心臓病の初期症状はどんな症状ですか。

    A.

    ▲少しでも違和感があれば、すぐに受診してほしいという

    犬の場合は、咳が出る、呼吸が速いといった症状です。ただ、これらの症状が心臓病によるものか、呼吸器疾患によるものかをよく見極めることが必要です。こうした症状があれば動物病院を受診して検査を受けるようにしてください。他にも疲れやすい、散歩の距離が減るという特徴もありますが、これらも加齢による体力低下によるものか、あるいは他の疾患によるものかを見極めることが大切です。猫の場合は、咳は目立ちませんが、犬のように口を開けて呼吸する、腹式呼吸をしている、普段と比べて運動が少なくおとなしいといった様子に気づいたらすぐに受診するようにしてください。
  • Q.早期発見のための検査に力を入れているそうですね。

    A.

    ▲各種検査機器を備えており、画像診断に注力している

    視診、触診、聴診といった身体検査や血液検査、血圧検査に加えて心電図検査、胸部エックス線検査、超音波検査などを必要に応じて行っています。血液検査では心臓機能と関連するバイオマーカーを調べることで心臓に負担がかかっているかがわかります。心電図検査は不整脈の診断に有用です。胸部エックス線検査では心臓の形や大きさを調べるとともに肺の状態も確認します。正確な診断のために特に重視しているのが超音波検査です。超音波検査では、心臓の動きや血流の速さ、弁の状態、逆流の有無などについて詳細に観察します。これらの検査結果を総合的に精査して診断をしています。
  • Q.画像診断について具体的に教えてください。

    A.

    ▲病気の早期発見のため、年に一度健康診断を受けてほしいと話す

    最近では超音波検査機器の技術進化によって、より高画質で鮮明に撮影できるようになっています。加えて高い撮影技術も重要で、当院ではこれまでの経験を生かして精密な検査を行っています。動物は同じ体勢を維持するのは難しいですから、ストレスを感じさせないよう優しく体を支えて、できるだけ短時間で必要な情報を取得できるよう検査しています。また、具合が非常に悪い子については無理のない体勢でもピンポイントで心臓の状態を把握できるようにしています。こうして超音波検査で得た画像を3次元的に理解して、正常な状態の画像と比較しながら適切な診断を下すようにしています。

動物病院からのメッセージ

洲崎伸一院長

心臓病になると動物たちはつらく苦しい思いをするでしょうし、それを見守る飼い主さまも同じようにつらい思いを感じることになります。そのような状況にならないためにも、早期発見が大事です。普段から動物の様子をよく見て、何か気になる症状があればすぐに受診するようにしてください。1日でも長く、家族の一員である動物たちと一緒に暮らせるよう診療を通じてお手伝いさせていただきたいと思います。また、日頃の健康管理の一環として、年に1回は健康診断を受けていただくと、心臓病だけでなく他の病気の早期発見にもつながります。

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