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綾井 淳 院長の独自取材記事

あやい動物病院

(鎌倉市/大船駅)

最終更新日: 2023/01/22

鎌倉市大船にある「あやい動物病院」。周囲の雰囲気にマッチした、一見戸建て住宅のような外観の医院である。オープンは2000年だが、設備の充実のため2014年に現在の場所に移転してきた。院長の綾井淳先生は、さまざまの情報の中から、飼い主とペットにとってよりよい選択をするための手助けをしたいと言う。「ベストな選択というのは、飼い主さんの価値観や、ペットとの関係によって大きく異なります。元気に過ごせる3ヵ月と、寝たきりの1年。どちらもそれぞれに価値があるんです」。動物たちは苦痛や不安を言葉で伝えることができないからこそ、少しても安心できる治療を行いたいという綾井先生。診療方針から趣味のボルダリングまで、幅広く話を聞くことができた。 (取材日2015年9月28日)

動物病院では珍しい、歯周病の治療や予防も可能

開院は2000年とのことですが、昨年こちらに移転したそうですね。

開院したのはここから徒歩数分、今よりもう少し北鎌倉よりでした。開院時は私1人で診療にあたっていたんですが、スタッフが増えてきて手狭になってしまったんです。前の病院は、診療室と処置室兼手術室がそれぞれ1つずつでした。私を含めて獣医が4人いるのに、それでは少なすぎですよね(笑)。やはり診察室はもう少し増やしたいですし、処置室と手術室も分けたかった。入院施設も狭かったですし、キャパシティの問題でお預かりできない場合もありました。ペットホテルというか、飼い主さんの都合で預かってほしいということもあったんですが、それもなかなか希望通りにいかない。ともかく、診察や診療、検査やケアなど、余裕を持って行いたかったので物件を探していたんです。そうしたら、縁あってこの場所を紹介してもらったので、以前の場所からも近いし、駐車スペースも広く取れるので、ここに移転してきました。

開院時と比べて、患者さんや飼い主さんの変化はありますか。

開院当時は予防接種とか、ちょっと下痢をしたとか、そんな軽症なケースが多かったのですが、15年経ちますから、その頃から来院していただいている子たちはシニアになっています。ですから最近ではたとえばがんだとか、年齢に応じた重篤な病気で来院することも多いですね。それから飼い主さんの傾向としては、インターネットの影響もあって「こういう治療をしてほしい」という希望や意見を持ってこられる方が増えていますね。私が獣医になった20年くらい前は、病状や治療法などに詳しい飼い主さんはほとんどいませんでした。でも今は多くの飼い主さんが、事前にインターネットで情報を収集して来院されます。それは大きな違いですね。治療の傾向としては、高齢化もあって歯周病が多いですね。開業当時から歯石取りなどはしていましたが、最近では歯周病の治療や予防などの歯科処置も増えています。

動物病院で歯周病の治療や予防というのは、珍しいのではないでしょうか。

そうですね。スケーリングといって歯石取りをしたり、そのときにぐらついている歯を抜いたりという処置をするところは多いと思いますが、当院ではレントゲンを撮るなどして悪くなっている歯をピックアップして、必要であれば抜歯をします。また、ルートプレーニングという歯根の清掃や、ポリッシングという歯の表面を滑らかにして歯石を着きづらくする処置も行っています。このように人間で言うところの歯科が行う口腔ケアを実施しているところは、増えつつありますがまだ少ないと思います。ただ、こういった治療には全身麻酔が必要ですので、全身状態が悪く麻酔をかけられないケースもあります。その場合は将来的なリスクなどをお話ししてから、飼い主さんとよく相談して、できる範囲のケアを行うことで歯周病の進行を遅くするようにしています。

情報過多の現在だからこそ、正しい情報を伝えたい

先生はどういった方針で治療に取り組んでいらっしゃるのでしょうか。

当院は「大切な家族の一員だからこそ、守りたい」がモットーです。さきほども言いましたが、今はインターネットの普及によって、いろいろな情報を手に入れることができます。しかし、その中には正しくない情報も氾濫していて、リスクがあるのに良いところだけをクローズアップしているものもありますし、根拠のない情報もあります。また正しい情報でも、種類や体質、大きさ、環境などによって、できるこことできないことがあります。飼い主さんによっては、費用の問題もあります。そういったことをすべてお伝えして、きちんと話し合った上で治療をしたいと考えています。どんな対応がベストなのかは、飼い主さんや、ペットとの関係によっても違うと思うんです。人間でもそうだと思うのですが、たとえば、寝たきりになってしまってもがんばって1年長生きするのを望む方もいれば、3ヵ月でも良いから元気で散歩に行きたいという方もいます。ですから、ペットにとっても飼い主さんにとっても良い方法を考え、選んでいただくことのお手伝いをしていきたいと思っています。

その他に、特に力を入れている治療はありますか。

最近スタッフと話すのは猫、特にシニア層の診察や治療に力を入れていきたいということです。犬に比べると、来院機会が少ないので、15〜6歳で、「はじめまして」というケースも、少なくないんです。犬の場合は狂犬病やフィラリアの予防など、定期的に来院する機会が多いのですが、猫の場合はおろそかになりがちなんですね。ですから当院では健康管理のために、全身をていねいに検査する犬猫用の健診もしています。犬や猫は人間より老化のスピードが早いので、元気そうに見えても何らかの病気が進行していることがあるのです。それを早く見つけてあげることによって、元気な期間を延ばしたり、長生きをしてもらうことができます。ですから少しでも来院の機会を増やしていただけるよう、飼い主さん向けの院内セミナーも実施しています。

先生が獣医師になったきっかけや、開院までの経緯をお教えください。

私はもともと薬学系に進もうと思っていたのですが、その受験勉強中にはじめて犬を飼うことになったんです。親戚から譲り受けたのですが、その子がちょっと病弱だったので獣医に診てせることが多かったんですね。そこではじめて「こういう職業もあるのか」と興味を持ったのがきっかけです。もともと動物は好きでしたし、自分がめざしていた方向とリンクする内容もあったので、最終的に獣医学部のある大学に進学しました。いずれは県内で開院しようと思い、卒業後は大和市の動物病院に勤務していました。ある程度経験を積んだ頃、縁あって鎌倉で開院しないかというお話があり、現在に至っています。

元気なときの通院が、病気の早期発見・治療につながる

ところで、休日などはどのようにお過ごしですか。

最近凝っているのは、ボルダリングです。オリンピックの追加種目として話題になっている、スポーツクライミングの一種です。もともと体を動かすのは嫌いではなかったんですが、ずっと不摂生で、体も重くなってきているので(笑)、体を動かさなければということで、つい最近はじめました。住んでいるのが茅ヶ崎なので、以前は緩い感じで海までサイクリングをしたりしていたんですが、天候に左右されるじゃないですか。でもボルダリングは屋内ですから、夜もできるし、休みの日でも思い立ったらすぐできます。自分のレベルでできるのも、良いですね。頻度は週に1回くらいで、今のところはそんなにストイックにやるというよりは、気晴らしも兼ねて体力をつけようかなと思っている程度です。女性や子どもの方がうまかったりしますし、指の皮が剥けちゃったりして(笑)、初心者なんでがんばっていますっていう感じですね。

今後取り組みたいことなど、将来の展望があればお聞かせください。

シニアのわんちゃんや猫ちゃん、特に来院機会の少ない猫ちゃんのケアや検診に力を入れていきたいと考えています。そのためには、まず飼い主さんにその意識を持っていただきたいので、来院のきっかけづくりのために、今後は院内セミナーにもっと力を入れていきたいと思っています。セミナーは移転してから始めたのですが、動物病院というのは、どうしても春先が忙しいので準備を含めると秋口になってしまい、昨年の秋に2回開催しただけなんです。でも今後はもう少し回数を増やして、定期的に行いたいと思っています。2ヵ月に1回くらいが理想なんですが……。とにかく、病院というと敷居が高いと構えてしまいがちなので、セミナーを含めてもう少し気軽に来院していただけるきっかけづくりをしたいと、いろいろ考えています。

ペットを飼っている方へのアドバイスなど、読者へのメッセージをお願いします。

わんちゃんや猫ちゃんは、口をきくことができませんから、調子が悪くてもなかなか気づきづらいものです。ですから病気になってからではなく、元気なうちに来院してほしいのです。簡単な血液検査でもかまいません。血液の採取だけならそれほどストレスはかかりませんし、実はほんの少しの血液からたくさんの情報を得ることができるんです。また私たち獣医も、ふだんのその子の状態を知っていた方が、性格や気質的なものも把握できますし、より正しい診断がつけられます。たとえば、本来はすごく人慣れしていてフレンドリーなのに、「今日は端っこでじっとしてておかしい」ということも、ふだん来ていないとわからない。また病気になっていきなり診るのでは、ペットも不安です。ですからペットにもかかりつけがあった方が良いと思います。本当に元気なときに、たいしたことでなくても気軽に相談できる獣医がいるといいと思いますし、当院もそういう存在になれるよう努力しています。

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