動物病院・獣医を探すなら動物病院ドクターズ・ファイル

動物病院・獣医を探すなら動物病院ドクターズ・ファイル。
獣医の診療方針や人柄を独自取材で紹介。好みの条件で検索!
街の頼れる獣医さん 940 人、動物病院 9,606 件掲載中!(2025年03月12日現在)

井上 寛 院長の独自取材記事

国分寺台動物病院

(海老名市/海老名駅)

最終更新日: 2025/02/28

1992年の開業以来、長きにわたり地域のペットの健康を支え、飼い主との安心できる暮らしを支えてきた「国分寺台動物病院」井上寛院長。多くの診療に携わる中で、ニーズに応えて皮膚科や眼科の研鑽も積んできたベテランドクターだ。息子の井上優先生も獣医師の道を進み、心エコー検査などを同院でも行っている。高齢化する地域にあって、通院が難しくなったケースでは動物の送迎を行い、年始年末を除いて毎日診療するなど地域貢献を第一に考える井上院長。2代目3代目のペットを連れてくる長い付合いの飼い主も多いことが納得できる。そんな井上院長に診療の特徴や動物医療への思いを聞いた。(取材日2025年2月5日)

30年以上にわたり、動物の健康と暮らしを支える

こちらは歴史のある動物病院と伺いました。

私が1992年に開業した動物病院で、今は犬と猫を対象に、一般診療や予防医療など幅広く行っています。開業当初は小鳥なども診ていましたが、鳥類専門の動物病院も増えてきたので、犬と猫を対象に絞って20年ほどたちます。飼い主さんは近隣の方が中心ですが、紹介などで少し遠方から来られます。私のほかに女性獣医師が在籍しており、また息子の井上優先生も週に2回診療を行っており、心エコー検査などに対応しています。

開業までの経緯やその後の変化などを教えてください。

私は獣医学部卒業後、都内の動物病院で研鑽を積みました。地元が蒲田なので、川崎市辺りで開業場所を探していたのですが、なかなか見つからず、やっと出会えたのがここでした。北里大学出身なのでこの辺りには土地勘もあったのです。開業当初は開発されたばかりのエリアでしたが、最近は高齢化が進んでおり、付合いの長い飼い主さんもたくさんいらっしゃいます。受診数からいえば、犬が減って猫が増えています。以前は大型犬を飼育している方が多かった時期もありましたが、近年は小型犬を飼っている方が増えてきました。ただ、新型コロナウイルス感染症の流行があってから、また最近大型犬が増えてきた印象があります。

診療面にはどのような特徴がありますか?

動物医療も進展してさまざまな検査の精度が上がり、昔ならば診断しにくかった症状も診断がつき治療ができるようになっています。診断技術が進んだので治療の選択肢も広がりましたね。皮膚病については、皮膚科を専門とする獣医師のもとで学びました。また眼科についても力を入れています。犬では、特に小型犬には心疾患が多いので、循環器診療にも力を入れています。小型犬の心疾患は遺伝的なものが多いとされてきました。最近は遺伝的な心疾患は減っている印象がありますが、それでも小型犬には多い病気ですので、早期発見できるよう健康診断の際に心臓の検査などをお勧めするようにしています。

通院が難しい場合は、犬や猫を送迎して診療を提供

こちらならではの診療や取り組みはありますか?

地域医療に貢献するのが第一と考え、地域のニーズに応えることを大切にしてきました。その一環として、この地域も高齢の飼い主さんが増えて、また新型コロナウイルス感染症の影響もありましたので、通院が難しい場合には動物の送迎をして診療を行っています。飼い主さんのご自宅で診療を行う往診ではできる診療が限られ、必要な検査や処置などができないこともありますから、送迎のスタイルをとっているのです。私自身が迎えに行くこともあります。また動物も高齢化していますので健康診断にも力を入れています。犬も猫も、6、7歳になると、人間で言えば40歳ぐらいにあたり、そろそろ健康上の問題が出てくるので、定期的な健康診断が大切だと思っています。

診療する際、どのようなことを大切にされていますか?

診療では、なるべく細かく丁寧に説明することを心がけています。飼い主さんによく理解していただくために、例えば、整形外科ならば骨格の模型を利用するなどして、わかりやすく説明しています。また、長年、診療している間に実感するようになったことですが、ワンちゃん猫ちゃんをご自分のお子さんか、それ以上に大切に考えられている方が多いので、そのお気持ちを大切にすること、飼い主さんの意見をよく聞くことを心がけています。その上で、「検査結果から考えて、専門家の立場から適切だと考えられる治療方法はこれです」と提案して、どういう治療を行うか擦り合わせていく。よく対話するということですね。

先生の立場から、何か気になることはありますか?

インターネットが発達して、さまざまなことを調べられる方が多くなりました。ペットの飼い方や病気の知識のある方が増えて、治療の説明もよく理解してくださる方が増えました。話が早くなりましたよね。それはいいことなのですが、ネットの情報というのはさまざまですから、「ネットではこうだったから、うちの子も同じようにしてほしい」と言われても「それは当てはまりませんよ」ということもあります。調べて知識を得てくださるのはいいことですが、実際に動物を診ている獣医師の判断は信頼していただきたいなと思います。

印象的なエピソードなどがあれば教えてください。

当院の近くで交通事故に遭ったらしいケガをした地域猫を、通りかかった方が連れてこられたことがありました。神経症状が有り、骨盤も骨折していましたが、懸命に治療を行いました。そして治療後は、連れてこられた方が飼ってくださることになったのです。その子がとても懐いてくれる子で、いい人に拾われて幸せになれてよかったなと思います。私も今、猫を2匹飼っていますが、1匹は母が蒲田で拾った子、もう1匹は近くの緑道で、当院にかかりつけの犬の飼い主さんが拾ってこられた子です。どちらもとても懐いてくれて、動物との出会いは縁だと思いますね。

高齢化や介護も含めたペットとの暮らしのサポートを

動物を飼う時に心がけたいことを教えてください。

飼い主さんによく聞いていくと、動物をよく見ているようで、意外とあまり見ていないということがあります。例えば「食欲がない」と連れてこられることは多いのですが、本当に具合が悪くて食欲のない子は半分ぐらいで、フードの匂いをかいで食べるのをやめるというような子は食欲はあるが、選り好みをして食べないということが少なくないのです。選り好みをしている子は空腹になったら食べ始めますから、そこのところを見極めていただきたいですね。また犬や猫は、生まれてから1年くらいで、人間でいえば高校生ぐらいになります。成犬、成猫といってもまだ大人にはなりきっていないので、よく観察して、ちょっといつもと違うとか、病気になる前のサインを見落とさないでいただきたいのです。犬も猫も、当然ながら、人間のようにどこが痛いとか、何がつらいとか話してはくれませんから、飼い主さんがしっかりと見てあげてほしいですね。

これから動物を飼いたいという人へ伝えたいことはありますか?

よく「どんな犬が飼いやすいか」と聞かれますが、その子の生まれた性格もありますし、一概には言えません。ただ犬はどんな犬種でも飼い方で変わるので、飼う前に動物病院などに相談して、より良く育つ飼い方を心がけていただきたいですね。猫は難しいところがあり、慣れてくれない子もいますし、意外と保護猫や拾われた子が懐きやすいこともあります。ただ、犬も猫も母親やきょうだいと長く生活した子は、その後人間の社会に適応しやすいようです。あまり早くに母親やきょうだいと離れた子は、自分が犬や猫という認識がないまま人に育てられるというケースもあるので社会化がうまくできないといわれています。小さい子のほうがかわいいですし、よく慣れそうなイメージがありますが、できれば少し成長してからのほうがよいでしょう。

読者へのメッセージをお願いします。

犬や猫を飼うことをどのように考えて飼い始めるかは、その人、そのご家族それぞれだと思います。何よりペットのいる暮らしは豊かですし、お子さんの情操教育にも役立つと思います。ただ犬も猫も、10年20年と生きるものです。高齢になったり介護が必要になったりすることも含めて、最後まで責任を持って飼っていただきたいですし、そんな動物やご家族を動物病院として支えていきたいと願っています。私もまだまだ頑張るつもりですが(笑)、ゆくゆくは息子がこの地で動物医療に携わってくれればいいなと思っています。地域のかかりつけ医として、身近で丁寧な診療を心がけ、大切なペットの健康と安心な暮らしをお手伝いしたいと考えていますので、犬や猫のことで気になることがあれば気軽にご相談ください。

動物病院ドクターズ・ファイルは、首都圏を中心としてエリア拡大中の獣医師・動物病院情報サイト。
路線・駅・行政区だけでなく、診療可能な動物からも検索できることが特徴的。
獣医師の診療方針や診療に対する想いを取材し記事として発信し、
ペットも大切な家族として健康管理を行うユーザーをサポートしています。

掲載情報について

掲載している各種情報は、株式会社ギミック、または株式会社ウェルネスが調査した情報をもとにしています。
出来るだけ正確な情報掲載に努めておりますが、内容を完全に保証するものではありません。
掲載されている医療機関へ受診を希望される場合は、事前に必ず該当の医療機関に直接ご確認ください。
当サービスによって生じた損害について、株式会社ギミック、および株式会社ウェルネスではその賠償の責任を一切負わないものとします。
情報に誤りがある場合には、お手数ですがお問い合わせフォームより編集部までご連絡をいただけますようお願いいたします。

TOP