八田 嘉朋 院長の独自取材記事
ハロー動物病院 新鎌ヶ谷分院
(鎌ケ谷市/新鎌ヶ谷駅)
最終更新日: 2023/01/22
複数の電車が乗り入れる、交通の便の良い新鎌ヶ谷駅。駅から徒歩5分の好立地に、可愛らしいペンションのような建物ある。この建物の中に「ハロー動物病院 新鎌ヶ谷分院」がある。八田嘉朋院長は、動物の幸せを第一に考え、なるべく体の負担のかからない内視鏡を使った治療や、健康診断による早期発見・早期治療に努めている先生だ。チャリティーや啓発活動にも力を入れていて、飼い主向けの勉強会なども開催している。穏やかで安心できる話し口調からは、その優しい人柄がうかがえる。今回はそんな八田院長にクリニックのことや活動内容についてインタビューした。 (取材日2016年1月22日)
幅広い治療に対応し、本院との連携や往診も行う
こちらのクリニックは船橋本院の分院として、2009年に開院されたそうですね?
はい。船橋の本院が手狭になってきたので、もっと広いクリニックを開院したいと考えました。また、駅に近いという利便性も重視し新鎌ヶ谷に3階建ての建物を建て、2009年に分院を開院しました。1階の一部と3階部分がクリニックになっています。1階は総合受付になっていて、診察室もあり、3階に上がるのが大変な大型犬は1階で診察を行っています。1階にはドッグカフェ、トリミングサロン、ヘアサロンなどをテナントで入れているため、診察の待ち時間にカフェでお茶をすることができます。愛犬がトリミングをしている間に飼い主さんがヘアサロンに行ったり、お茶をしながら待つことができるのも好評です。また、1階では犬猫雑貨のセレクトショップを営業しています。院内にも少し商品を置いているのですが、こちらも喜んでいただいてます。
クリニックの特徴を教えてください。
当院には10人の獣医師がおり、それぞれに得意分野を持っています。そのため、幅広い分野をカバーでき、オールラウンドな治療を行うことができます。特に整形外科の治療後はリハビリスタッフが丁寧に対応しているのも特徴です。その他に本院との連携で、年中無休、12時間の診療体制を確立しています。船橋本院の診療時間は7:00~16:30、当院は11:00~20:00まで診療しています。朝早くに来院されたい人は本院、夜を希望される人は当院を利用されていますね。飼い主さんが高齢だったり、足腰の立たない大型犬を飼っているなど、来院するのが難しい場合は往診を行っています。
診療で心がけていることはありますか?
なるべくお待たせしないために、スムーズな診療を心がけているのですが、時間の許す限りじっくりご説明したいとも思っています。その兼ね合いがなかなか難しいところですね。また、病気を治すだけが医療ではなく、どう関わっていくのかが大切であると考えています。予防にも力を入れていて、ノミ・ダニ・フィラリア予防、ワクチン接種だけでなく、健康診断で早めに病気を見つけ、早めに治療を行うようにしています。健康診断ではX線、超音波検査、血液検査、心電図などを行っています。特に7歳以上は年2回の健康診断をおすすめしています。
チャリティーや地域貢献を目的としたイベントも開催
いろんなイベントを企画されているそうですね。
当院には専属のドッグトレーナーがいるため、定期的にしつけ教室を行っています。また、飼い主さんにいろんな情報をお伝えするために「ハローアカデミー」というセミナーも開催しています。ノミ・ダニ・フィラリア予防の薬の紹介や、ペットに食べさせてはいけないものなど、飼い主さんに知ってほしいことをテーマに開催しています。また、毎年1回、「ハローフェスティバル」という大きなイベントも開催しています。東日本大震災以降は、チャリティーをテーマに開催するようになりました。福島でフラダンスを教えている先生をお招きしたり、福島に関連のある人や団体をお呼びしてイベントを開催しています。他にもチャリテイバザーや、日本救助犬協会や国際セラピードッグの実演も行っています。イベントを通じて、世の中に貢献する犬もいることを知っていただきたいですね。
イベントを通じて地域貢献をされているのですね。
現代は、人と人との付き合いが希薄になってきていると言われています。そのため、フェスティバルは単なるチャリティーイベントではなく、地域のコミュニティー作りも目的としています。万一災害が起きた時に、頼れるのは近所の人たちですから。フェスティバルを通じて、人と人のつながりを作っていけたらいいなと思っています。また、東日本大震災の時、私も福島を訪れてその光景を目の当たりにしたのですが、逃げた犬はどうしても野犬化してしまうんです。そのため、万一の時に愛犬をどうやって守ったらいいか、ということも日頃から啓発するようにしています。まずはマイクロチップを入れることが大切です。首輪が外れても、マイクロチップが入っていれば、誰が所有者であるかわかりますので。また、行政にはペットと一緒に入れる避難所を作ってほしいと願っています。犬や猫が苦手な人はいますが、ペットを頼りに生きている人もたくさんいるからです。
クリニックにはたくさんのスタッフがいるそうですね?
当院には獣医師、看護師、専任ドッグトレーナー、パピーケアスタッフなど27名のスタッフが在籍しており、月に1~2回勉強会とミーティングを行って、知識の共有をしています。長く働いているスタッフが多いため、みんなとても仲がいいです。やはりスタッフが良い顔をしていないと優れた対応ができないと思うので、日頃からコミュニケーションをはかることを大切にしています。部活動なども作り、仕事外でのスタッフ同士の関わり合いの場を設けています。
ペットの体に負担のかからない診療を心がける
獣医師をめざそうと思ったのは、どのようなきっかけからですか?
最初は獣医師ではなく、航空機の操縦士になりたいと思っていました。でも、目が悪くて、当時は視力を矯正する機関もなかったので、夢を諦めるしかありませんでした。それが大きなショックで、中学時代は今後どうしたらよいかわからないくら大きな挫折を味わったのですが、高校2年生の時に獣医学科を出た父の知人から「獣医師になったらどうか」とアドバイスを頂きました。もともと動物は大好きでしたし、その人が現実的にいろいろな話をしてくれたおかげもあり、獣医師の道へ進もうと決意しました。大学は北海道にある酪農学園大学へ進学しました。牛や馬など、産業動物が主体の大学ですから、大学時代は大動物が中心でした。でも、地元の千葉に戻って小動物の臨床を行いたいと考えるようになり、卒業後は都内の動物病院に勤務をしました。その後、1989年に船橋で開業をしました。
大変お忙しいと思いますが、休日はどのようにして過ごされていますか?
大学が北海道だったので、スキーが趣味です。大学時代は先輩に連れられて、深い雪の中を滑ったので、山スキーが好きになりました。また、大学時代はスキーのトレーニングの一環として、自転車部に入っていました。今でもスキーや自転車は続けていますよ。スキーは群馬や新潟辺りに日帰りで行くことが多いですね。また、私はチワワを飼っていて、日頃から一緒に出かけるようにしています。最近は犬連れで宿泊できる宿も増えてきましたし、旅行に出かけることもあります。犬を飼っている人は、外出の際にはなるべく愛犬も連れていってほしいですね。犬にとって最大の幸せは飼い主と一緒にいることですから。
今後の展望について教えてください。
今後はもう少し深く入り込んで、肝臓疾患について専門的に取り組みたいと考えています。また、日頃から内視鏡を多く使っているので、腹腔鏡を取り入れた、体に侵襲のない治療を強化していきたいです。内視鏡は検査だけでなく、異物を取り除いたり、腫瘍などを切除することができます。開腹手術に比べて体に負担がかからないことがメリットです。また地域や時代のニーズに合わせ往診を増やしたり、本院ではネコ専用のクリニックを作ろうと考えています。
最後に読者に一言お願いします。
ペットが長生きするためにも、定期的に健康診断を受けてほしいです。人の一年が、犬にとっては約4年にあたります。そのため、特にシニアは年2回の健康診断を受けることがとても大切です。初期の病気は飼い主さんが気づかないケースが多く、症状が出た時には病気が進行しているおそれもあります。特に動物は毛があるので、腫瘍があってもわかりにくいんです。健康診断で細かくチェックして、早期発見・早期治療を行えば、助かる可能性が高くなります。