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杉岡 広隆 院長の独自取材記事
うめさと動物病院
(野田市/梅郷駅)
最終更新日: 2023/01/22
「うめさと動物病院」は2015年2月にオープンした新しい動物病院だ。場所は梅郷駅と運河駅の中ほどの流山街道沿い。同院の目の前には4台分の駐車スペースがあり、道路からも入りやすい立地になっている。レンガ風の壁と犬の足跡模様がかわいい院内で迎えてくれたのは優しい物腰が印象的な杉岡広隆院長。開業前は2つの病院で10年以上、さまざまな分野の診療経験を積んできた。開業約1年にして地域の飼い主から信頼を集める杉岡院長に医療への思いや今後の抱負などを聞いた。(取材日2016年2月3日)
気軽に足を運べる町の動物病院
まずは開院のきっかけから教えてください。
大学を卒業し、まず我孫子市、後に三郷市の動物病院で10数年間勤務していました。ここの開院は2015年2月です。もともと自分の病院を開きたいと思っていたので、そろそろかなと思って開院しました。動物病院はハードルが高いと感じている飼い主さんも多いですし、ワンちゃん・猫ちゃん自身も来るのを嫌がる子がほとんど。そういう人にとっても動物にとっても、来やすい病院でありたいと思っています。意図したわけではないのですが、建物も外から待合室の様子が見えやすいガラス張りの造りなので、結果的にはそれも良かったかなと思います。スタッフも経験者の方に来ていただけて僕が指示する前に動いてくれるし、受付でも丁寧で明るい対応をしてくれているのでとても助かっています。スタッフ全員でしっかりした医療を提供していきたいと思います。
なぜこの場所を選ばれたのでしょうか?
僕は隣の柏市出身ですが、姉2人をはじめ親族が何人かこの辺りに住んでいて馴染みが深かったのが一つ。これまでの勤務先ともほど近く、町の雰囲気がなんとなく似ていたことが一つ、でしょうか。この一角は住宅地ですが、少し行くと田んぼがあったりと、のどかな所です。飼い主さんも大らかな方が多く、そんなところもこれまで勤務していた動物病院と似ているかなと思っています。
先生が獣医師になろうと思ったきっかけは何だったのですか?
やっぱり単純に動物が好きだったからですね。物心ついた時から犬が側にいて、自然に動物が好きになり、動物関係の仕事を考えました。動物関係の仕事というと、開業や病院で働く獣医師以外にも、検疫所などで働く国家公務員や畜産・林業・水産試験場などで働く地方公務員もありますが、自分がやりたいことを考えると獣医師が合うかなと思った、という流れです。大動物診療の獣医師になるかと迷った時もありましたが、小さい頃に思い描いた「獣医」の原点に返って、今のような道を選びました。
納得した上で、動物に一番いい治療を選んでほしい
診療の内容や設備について教えてください。
「町の動物病院」なので特に何かの分野に特化するわけではなく、健康診断やワクチン接種などをはじめ幅広く一次診療を行っています。以前の勤務先も地域のホームドクターという立ち位置の病院で、1日100件ぐらい患者さんが来る中でオールラウンドに治療に携わっていましたので、これが自分に一番合っているかなと。大きな手術は、大学病院や川崎の日本高度動物医療センターなど適切な二次診療機関にご紹介しています。検査も特別なものは行っていませんが、血液、レントゲン、超音波はできますし、症例は多く診てきたのでかなり詳しい所までみられるのは強みです。健康診断・病気予防は今後力を入れていきたいところです。トリマーさんにも来ていただき、院内でトリミングも行っています。現状では病院の人手が足りないので予約を受けきれていないのが悩みですが、将来的にはこちらも充実させていきたいです。
診療にあたり、大切にしていることは何でしょうか?
飼い主さんの話をよく聞くことです。あとはペットにはそれぞれの性格があるので、その子の性格に合った治療法を飼い主さんと相談しながら決めていくこと。中にはあまり人に慣れていなくて、暴れちゃう子もいますしね。飼い主さんとその子、双方とのコミュニケーションを大事にしています。
ペット医療では「どこまで治療するか」も重要なところになるかと思います。
そうですね。どこの動物病院もそうだと思いますが、飼い主さんの考えと獣医師が「動物にとって一番いい」と考える治療法に違いが生じることはあります。もちろん飼い主さんの意思を尊重することは大事なのですが、「もう寿命でしょ」と諦めていたり、どんな治療法があるかわからないまま治療できないと思われていることも珍しくありません。なので、例えばまず検査することを勧めたり治療法についてお話したりして、動物に一番いい治療を選択してもらえるようにお話しているつもりではあります。動物病院にいらっしゃる飼い主さんは、基本的にみんなペットを大切にしている方。お話すれば、「じゃあやってみようか」とわかっていただけることは意外と多いです。
健康診断・病気予防に注力していきたい
今後の展望を聞かせてください。
開業からの1年で感じたのは、まず動物を飼っている方はこんなにいたんだなということでした。たったの1年ではまだ何の症状が多いとかも言えませんが、フィラリアなどワクチンで予防できる感染症で来院される方は一定数いましたので、獣医師会が実施する集合注射を紹介するなど、病気予防を呼びかけていけたらと思います。あと今は病院スタッフが少なく1人の負担が大きくなってしまっているので、人を増やしてそれを解消できればいいですね。忙しいとどうしても対応にも余裕がなく機械的になってしまうと思いますので、スタッフを充実させて、よりきめ細かいケアができる環境をつくっていきたいと思います。その点で、忙しい中頑張ってくれている現在のスタッフには本当に感謝しています。
先生ご自身が、リフレッシュのためにしていることはありますか?
実はそれが今の問題で……。時間がなくてなかなか運動もできないし、だんだん不健康になっている気がします(笑)。先日も、飼い主さんから「先生、やつれてきていますよ」と心配されてしまったので、何とかしなければいけないと思っています。少しでも合間を見つけて休んだりと、体調管理をしていきたいですね。今はちょっとした休みに子どもと出かけるように心がけています。
最後に、飼い主さんたちに一言メッセージをお願いします。
ワンちゃん・猫ちゃんは病院では緊張や興奮から本来の状態を見せてくれないこともよくあります。おうちでの様子は飼い主さんにしかわからないので、よく観察していただいて、来院した際、詳しく伝えていただきたいというのは、ぜひお願いしたいことです。今後も学会や勉強会、獣医師会の活動に参加させていただき勉強を続けて、さまざまな症状や悩みにしっかりと対応できるよう自分の知識と技術の向上にも努めていきたいと考えていますので、何か気になることがありましたら気軽にいらしてください。地域の皆様のおかげで開院して1年を迎えることができました。これからも地域に愛される動物病院をめざしていきたいと思います。