宮崎 英俊 院長の独自取材記事
グリーンヒルズ動物病院
(八千代市/八千代緑が丘駅)
最終更新日: 2023/01/22
東葉高速鉄道、八千代緑が丘駅から徒歩1分。とてもアクセスの良い場所にある「グリーンヒルズ動物病院」。2016年2月に開業したばかりのきれいなクリニックだ。天井が高く開放的な院内には、飼い主同士がコミュニケーションをとりやすいよう円形の椅子が置かれている。院長の宮崎英俊先生は、2007年に酪農学園大学獣医学部を卒業。地域に根ざした獣医師として、「特に何かに特化することなく、どんな症例でも診れるようでありたいんです」と語る宮崎先生。その思いは、動物用ICUなどの医療設備を充実させていることにもよく表れている。そんな患者思いの宮崎先生に、この土地に開業した理由や診療の際の心がけ、獣医師をめざしたきっかけなど幅広く聞いた。 (取材日2016年7月7日)
飼い主同士が気軽に話せるスペースを提供する
開業するにあたって、どうしてこの土地を選ばれたのですか?
実家が八千代市にあり、以前からこの辺りは緑も多くきれいなところだなという印象を持っていました。開業するにあたり、まず第一に子どもにとって良い環境がそろっている場所を選びました。自分が生活し子どもを育てるうえで環境の良い土地を選びたかったんです。また、妻も船橋市出身ということもあり色々なご縁でこの地で開業することになりました。この地域に住んでいる皆さんは、動物の健康や病気に対する意識の高い方が多いですね。しっかり検査を受けてくださり、治療のための通院・入院・手術も積極的に受けていただいています。自然が多く、動物を飼育可能なマンションも増えていますので、ワンちゃん猫ちゃんにとっても住みやすい環境なのではないでしょうか。
どんな症状の患者さんがご来院されることが多いですか?
現在、ワンちゃんが75%、猫ちゃんが25%ぐらいの割合で来院されています。症状としては、嘔吐下痢などの胃腸器症状や皮膚病が多いように感じますね。あとは動物も長生きできるようになり腫瘍などの病気でご来院される方も多いです。また、当院のホームページをご覧になって、目の病気のセカンドピニオンのために来院される患者さんも多くいらっしゃいます。
院内のつくりで何かこだわっていることがおありですか?
いかにして飼い主さん同士・飼い主さんとスタッフがコミュニケーションをとりやすい環境をつくるかにこだわって作りました。ですので待合室の大きさ・形にはこだわりましたね。待合室を広くし中心に円形の椅子と対面するように椅子を配置することで自然に皆さんの距離が近付くようにしました。看病や治療は飼い主さんにとってつらいことの方が多いです。そのことを誰にでも気軽に話せるわけではありません。自分一人や家族だけで悩むのではなく、病院のスタッフ・通院されている飼い主さん同士でお互いの悩みを少しでも話し合えればちょっとは気が楽になると思うんです。「今日はどうしたの?」、「うちの子はこうなの」などと飼い主さん同士のコミュニケーションの場にしていただけたらうれしいです。もちろん、一人でいたい方もいらっしゃると思いますので、そのためのスペースも設けています。
病気の早期発見をめざして、詳しい検査を実施
先生が得意とする診療についてお聞かせいただけますか?
眼科・整形外科・腫瘍外科などにも対応しており、外科手術にも力を入れています。ですが何かに特化しているということはないです。例えば、人医療では専門分野が細分化されますので、専門外の分野が出てしまうのは仕方がないことです。ただ、一般開業獣医の現状として獣医療はそうなるべきではないと思います。患者さんにとって一番の理想は「一番信頼できる病院で全ての病気に対応出来る」ことじゃないでしょうか。それがかかりつけの動物病院の本来あるべき姿だと思うんです。だから獣医師として専門にとらわれず、なんでも診れるようでなければならないと思います。もちろん専門が悪いというわけではありません。獣医療も素晴らしい専門的な先生方が多数いらっしゃいますし、私自身そうした先生方から助言をいただき治療・手術をすることもあります。ですのでしっかりとした基礎の上により高い専門性を身に付け多くの患者さんに還元できればと思います。
動物用ICUなどの医療設備も充実していますね。
動物用ICUにもいろいろなタイプのものがあります。当院のICUは、酸素濃度、温度、湿度の調整ができる優れものなんです。この装置があることで、重篤な心臓病や肺水腫・肺炎などによる入院管理、高齢動物の術後管理をしていくことができ、確実に延命率も上がっています。ICUがあることで動物に対するストレスが減り、僕自身も安心して診察に集中し納得いく診療を行うことができるんです。
診療の際にはどんなことを心がけておられますか?
誤診をしないことです。表面に表れている症状だけを診るのではなく、最初に必要と思われる検査をして、詳しく調べさせていただくようにしています。そしてそうした検査を積極的に受け入れてくださる飼い主さんが増えたのも事実だと思います。実際当院にも検査希望のセカンドオピニオンで来院される患者さんも多いです。もちろん、どれぐらいの検査費がかかるかをご説明して、飼い主さんの同意を得てから進めていきます。そして常に自分自身の診断にも疑いを持ちデータを客観的に判断して誤診を減らせるように心がけています。また、6歳以上の子には、健康診断を受けていただくことをお勧めしていますね。健康診断の際には、血液検査、胸部や腹部に対するレントゲン検査とエコー検査を行います。さらに、眼圧を測定したり顕微鏡で水晶体の状態を診たりなど、目の検査も実施します。そのように詳しい検査をすることで、病気の早期発見に努めています。
地域の飼い主から信頼され感謝される獣医師でありたい
先生が獣医師をめざしたきっかけについて教えてください。
基本的に動物が好きだったっていうことですね。幼い頃から猫を飼っていましたし、その猫とは兄弟のように育ちましたから。よく動物のテレビ番組も観ていました。要するに身近に動物がいたんだと思います。ですが具体的に小さい頃から獣医師になりたかったわけではありませんし、なりたい職業があったわけでもありません。ですので、大学進学を前に将来の進路について悩んだ時期もありました。実は僕は子どもも好きだったので、保育士をめざすか獣医師をめざすかで迷っていたんです。両親にも相談し獣医師をめざすことにしたのですが、そこからが大変でした。結局浪人して親にはかなり迷惑をかけてしまいましたし。浪人生活を許してくれた親には感謝しかありません。
休日の過ごし方や健康法についてもお聞かせください。
娘たちと遊ぶことが多いですね。そんな時は本当にリラックスできるんです。時には、大学時代の友人たちと食事に行ったりもします。つい最近も、大学時代の獣医師の友人が家族連れで遊びに来てくれました。それで、うちの家族と友人家族でテーマパークに遊びに行ったんです。とても楽しかったですね。開業してからは一人でやっていますので、心細くなることもあります。そんな時、獣医師の友人・先輩・恩師に相談にさせてもらうことでとても助かっています。先に開業している友人からは、いろいろなことを教えてもらえるんです。仲間は本当に大切ですね。健康のためには、食事をしっかりとることや睡眠時間をきちんと確保するよう心がけています。休みの日に往診に行くこともありますが、基本的には、休みをしっかりとって無理をしないように努めています。
最後に先生が獣医師としてめざしていることをお聞かせください。
皆さんに信頼される獣医師でありたいと思っています。信頼される獣医師というのはもちろん医療技術が無ければなれないと思いますが、技術だけあっても会話ができなければ信頼は得られないのではないでしょうか。ですのでなんでも相談できる話しやすい先生でありたいです。そのためには、あまり偉くなりすぎないことが重要かもしれませんね。また、患者さんの後悔を可能な限り減らすことができればと常に考えています。もちろん後悔というものは人それぞれ違うものですが動物が亡くなってしまった場合には少なからず後悔の念というものは存在すると思います。ですのでそれを最小限にするために最大限の手助けができればと思っています。そしてその子が亡くなられた時には「この子がうちに来てくれて楽しかったなあ」とか「ありがとう」と思ってもらえればうれしいです。