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松岡裕美 先生の独自取材記事

モリヤ動物病院 相模大野病院

(相模原市南区/相模大野駅)

最終更新日: 2023/01/22

森谷孝雄先生が院長を務める「モリヤ動物病院」は東京都町田市、神奈川県大和市、相模原市に4つの動物病院を展開している。そのひとつ相模大野病院は小さくてアットホームな雰囲気の病院だ。取材に応えてくれた松岡裕美先生は獣医学部を卒業後、町田市中町の本院で経験を積んだのち、この相模大野病院を任されている。まっすぐに相手の目をみて、一つ一つ言葉を丁寧に選びながら話す松岡先生。その言葉の端々から誠実で、そして小さい生き物たちへの愛情が伝わってくる。インタビューでは獣医師の経験で得たことや、最近気になるペットの症状などについて伺った。(取材日2011年1月17日)

幅広くいろんな動物を診療したいとモリヤ動物病院へ

先生はこの相模大野の病院に来て何年になるのですか?

相模大野の病院に来て2年になります。ここに来る前は町田市中町にある本院にいました。私は大学を卒業してはじめて勤務した病院が、このモリヤ動物病院なんです。最初はまず本院で森谷院長のもとで指導を受けながら3年ほど経験を積み、その後こちらに移りました。モリヤ動物病院に入った動機は、ここがいろんな動物を診療している病院だから。私は動物のなかでもげっ歯類が大好きなので、そういう動物も診られるところで働きたかったんです。今の動物病院は犬猫専門がほとんどで、げっ歯類や爬虫類などのエキゾチックアニマルを診療できる病院は案外少ないんです。ここなら自分が望む獣医師の仕事ができそうだと思いました。

動物のなかでは、げっ歯類がお好きなんですね。

はい。もう小さい頃から大好きで、家でもハムスターやモルモットばかり飼っていました。表情とか動きがなんとも言えずかわいいんですよね。ちゃんとなついてもくれますし、それにけっこう賢いんですよ。大学生の時に飼っていたモルモットは、自分の名前が呼ばれているのもちゃんとわかるし、私が床で寝てしまった時には心配して起こしに来てくれたりも (笑)。家のなかで放し飼いにしていたんですけど、毎晩7時くらいになると自分でカゴに戻ってくるんです。賢いでしょう?喜んでいる時、怒っている時も、表情や鳴き声でちゃんとわかるものなんですよ。

獣医師になろうと思ったのはいつでしたか?またそのきっかけは?

獣医師を目指したのは小学生ぐらい、いえ、もっと小さい時だったかもしれません。なにがきっかけで獣医師になりたいと思ったのか忘れちゃうくらい昔だから、物心ついた時から動物のお医者さんになりたいなあと思っていたんですね。途中、動物看護師さんやイルカの調教師に憧れた時期もありました。どの職業も一貫して動物に関係する仕事ばかりですね(笑)。でもやっぱり最後はめぐり巡って、獣医師に落ち着きました。

大学ではどのようなことを熱心に学びましたか?

大学は日本大学へ進みました。実は私、獣医学部に入る前に、同じ日本大学の動物資源科学科を卒業しているんです。最初の受験で獣医学部に受からなかったので、ひとまず合格した動物資源学科を卒業し、獣医学部の編入試験を受けようと思ったんです。どうしても獣医になりたかったので。動物資源はいわゆる畜産学なんですが、そこを卒業したのち2年生から獣医学部に編入しました。始めて間近でみる牛に恐怖したり、犬に手をかまれてけがしたり、臨床の実習ではいろいろなことを体験しましたが、念願の獣医学部でしたから、楽しかったですよ。私がとくに興味を持ったのは放射線学。研究室に入って熱心に学びました。レントゲン撮影やMRI撮影をして、写真を見ながらそこでなにが起こっているのかというのを診断するんです。診断の基準になるものがレントゲンであきらかにわかっていくところが面白く興味をひきました。動物資源学科で4年、獣医学部で5年と、長い学生生活でしたが、アーチェリー同好会にも入って、はじめて体育会系クラブも経験しましたし、とても充実した学生生活でした。

いい治療を行うためにも、飼い主との関係作りをたいせつに

卒業後、いよいよ念願の獣医師に

学生の時は、ただ動物の病気を治していけばいいと思っていたんです。でも実際に仕事としてみると、飼い主さんと関係もとても重要だということがわかりました。動物対医師ではなく、その間に飼い主さんがいる。飼い主さんに理解、納得してもらうためのスキルが獣医師には必要なんですね。森谷院長からは飼い主さん一人ひとりに合わせて対応していくことの大切さを教えてもらいました。たとえば、動物に依存してしまっている方、ある程度距離を置いてる方、ペットへの思いや関係性はみなさんそれぞれ違うものです。「獣医師はその違いをきちんと見極めて、その人その人に合わせた診療を提供していかないとダメだよ」と、まだ獣医師になりたての頃、森谷院長からよく言われていましたね。なので私は、飼い主さんが動物に声を掛けている様子やなに気ない会話のなかから、その方がどういうスタンスでペットと接しているかを注意して見るようにしているんです。

先生が診療の際に心掛けていることは?

診療では、最初にこちらの意見を一方的に伝えるのではなくて、飼い主さんの要求も一度きちんと飲み込むようにしています。相手のお話を一度全部受けとめてから、こちらの考え、たとえば医師としては絶対譲れないものというのがありますから、それをうまく伝えるように心掛けていますね。一方的だとどうしても相手も納得してくれないですし、最初に心を閉ざされてしまうと、そのあとの診療に差し支えが出てしまいますから。治療診察も大切ですけれど、それと同じくらい飼い主さんとの関係づくりも大切。まず信頼してもらうことからすべてが始まります。

モリヤ動物病院では動物だけじゃなく飼い主さんの心のケアにも配慮しているそうですね。

私たちの病院ではターミナルケアにも積極的に取り組んでいるのですが、大切なペットを看取った飼い主さんのなかには、ペットロス症候群のような状態になってしまわれる方もいらっしゃいます。覚悟はしていても、今までずっと一緒にいた家族の一員が突然生活からいなくなってしまうため、大きな精神的ダメージを受けてしまうんです。そんな時、飼い主さんへのケアは重要ですし、それも私たちの仕事の一つ。ペットが亡くなったから終わりではないのです。患者さんは近隣の方がほとんどなので、ペットを亡くしたあとでも病院に顔を出してくださる方もいらっしゃいます。そういう時にいろいろとお話させていただくんですよ。難しいことですが、少しずつ少しずつ思い出にしていけるようにサポートしていけたらと思っています。モリヤ動物病院では臨床心理士を招いて心のケアについての勉強会も行ってきました。大学では診療や治療についてしか教えてくれません。このようにペットを亡くした方の心のケアまでも考えるようになったのは、この病院に入ってからですね。

気になるペットの肥満。長く一緒に暮らすためにもまず意識改善を

病院を訪れるのは主にどんな動物ですか?また、気になる疾患などありますか?

圧倒的に多いのがわワンちゃんで、その次が猫ちゃんです。この子達を診療するなかで気になっているのが肥満。最近増えているように感じます。ところが飼い主さん達って、自分の子が肥満だとわかっていない場合が多いんですよ。ちょっと丸いくらいが可愛いと思っていらっしゃる方も少なからずいらっしゃいます。なので病院に来られたときに体重を量ったり、体型を見て「ちょっとぽっちゃりしすぎているので、もう少し痩せましょうね」とこちらから伝えてあげないと、なかなか自覚できないものなんです。

肥満を防ぐには、飼い主はどういうことに注意したらいいのでしょう?

毎日のごはんにしても、目分量で「だいたいこんな感じかな」とあげるのではなく、できるだけ量るようにしましょう。犬種やその子の体格に応じた適正な量というのがありますし、量ることで、ペットが欲しがると「足りないのかな?」と、余計に与えてしまうことも防げますので。また、標準を知るという意味でも、自分のペットの体重を把握しておくことも大事。自分のペットの体重を知らない方、案外多いんですよ。おうちでなかなか計れないという方はここに来ればいつでも計れますし、トリミングや日頃の健康管理も兼ねて来ていただきたいですね。病院へ行くのが年に1度のワクチンの時だけでは、ちょっと少ないかなと思います。大切なペットと、少しでも長く一緒に過ごすためにも、肥満を防止し、改善するために、日ごろから運動をきちんとさせて、食事にも注意しましょう。「かわいい、かわいい」と甘やかして太らせることは、結局寿命を縮めていることと一緒なんです。

先生がお仕事をされるなかで、やりがいを感じるのはどんな時ですか?

飼い主さんから「ありがとうございました」という一言をいただいた時。そしてやっぱり、みんなが元気になって帰っていく姿を見ることですね。動物って言葉を話せませんから、具合が悪そうだとかわいそうでしょうがないんです。でも、それがだんだんと回復して健康になってくるとうれしいですよね。どんよりした目が澄んできて、顔つきもいきいきとして、見た目にも元気になったんだなあとわかります。そんな様子を見るたび、こちらのほうが励まされ、元気をもらえているような気がします。あんなに調子悪かったこの子が、こんなに頑張ったんだから、よし、私も頑張ろうって思えるんです。

お休みの日にはどのように過ごしていますか?

休みの日は家でゆっくり過ごしていることが多いですね。ただ家にずっといるわけではなくて、散歩に出掛けたりもします。お散歩は好きですね。なにか目的を持ってどこかに行くんじゃなしに、花や草木などを眺めながら近所をぶらぶら歩いたりするのが好きです。私の家は横浜市内の少しはずれたところにあるので、家のすぐ近所にちょっとした森があるんですね。そこでのんびり過ごす時間がリフレッシュになっているかな。なんかリセットされる感じがするんですよ。ペットは残念ながら今はなにも飼っていません。機会があったらまた飼いたいのですが。その時はやっぱり、また大好きなげっ歯類がいいですね。

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