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大山 謙一 院長の独自取材記事

はぐみの杜 大山動物病院

(八千代市/八千代緑が丘駅)

最終更新日: 2024/03/14

近年、開発が進んでいる八千代市緑が丘西エリア。その一角に立つのが「はぐみの杜 大山動物病院」だ。院長の大山謙一先生は、長く東京都立衛生研究所(現・東京都健康安全研究センター)で研究職に就いていたが、退職後に念願だった臨床現場に立ちたいと2013年に開業した。診療では、それまでの研究経験を生かして、感染症を引き起こしている原因菌を特定しその細菌に有用な抗菌薬の処方を行っているのが大きな特徴だ。「耐性菌が生じるリスクも少なく、より効率的な治療につながると思います」と穏やかに話す大山院長。この検査の他にも迅速に結果が得られる院内血液検査も行っていてスピード感のある診査・診断が一つの魅力だ。獣医療への思いや具体的な診療内容などについて聞いた。(取材日2024年2月15日)

エビデンスに基づいた獣医療を提供

みどりが丘に開業した理由についてお聞かせください。

実は自宅がこの近くにあり、慣れ親しんだ街でかかりつけ医として地域に暮らす動物たちを見守っていきたいと考えました。開業当初はこの周りはまだ開発されておらず、通りを走る車も少なかったのですが、最近になって一戸建ての建設が進んでいます。若い世帯の方々も増えてきていますね。この地域では犬を飼っている方が多いようで、当院にも猫より犬を連れてくる方が多い傾向です。診療は、犬、猫が中心ですが、他にもインコなどの小鳥、ハムスター、フェレット、うさぎなど爬虫類以外の動物はほとんど診ています。

先生は、開業なさる前は、ずっと研究畑にいらしたと聞きましたが。

東京農工大学大学院で家畜病理学講座を修了した後、東京都庁に入庁し、東京都公害研究所(現・東京都環境科学研究所)や東京都立衛生研究所(現・東京都健康安全研究センター)で研究に携わっていました。東京都立衛生研究所時代には、大気汚染物質や環境中内分泌かく乱化学物質について培養細胞やラット、マウスなどの実験動物を用いた生体への影響の研究などに従事していました。ちょうどダイオキシンなどの化学物質が問題になっていた頃でしたね。その間、それらの研究をベースに横浜市立大学にディーゼル排気粒子の抽出物に関する論文を提出して医学博士の資格を取得しました。獣医師で医学の博士号を持っているのは珍しいと思います。東京都職員の定年を迎えた後は、ずっとやりたいと思っていた臨床に携わりたいと思い、知り合いの動物病院で臨床研修を受けて2013年に開業しました。

それらの経験を生かして診療なさっているのですね。診療方針についてお聞かせください。

診療ではまず動物が今どのような状態にあるのかしっかり把握して、飼い主さんにご理解いただけるよう時間を取って説明しています。飼い主さんのご要望やご意向もしっかりお聞きして、それに沿うように治療方針を決めています。少しでも動物や飼い主さんの不安が和らぐように、何か処置をする際は飼い主さんにそばにいてもらって飼い主さんの目の前で行うようにしています。また、エビデンスに基づいた治療を心がけています。ヒトを対象とした医科では、エビデンスに基づいた治療が重視されていますが、獣医療においてもそれは同じです。論理的でエビデンスのある治療法を複数提案して、飼い主さんのご要望に合わせて選択しています。

感染症の原因菌を検査して適切な抗菌薬を処方

こちらで行っている細菌検査に基づいた抗菌薬の選定もまさにエビデンスに基づいたものですね。

そうですね。膀胱炎や風邪症状、皮膚疾患など細菌性感染症になると、ごく一般的な抗菌薬を処方して、1週間飲んでも効かなかったらまた別の抗菌薬を出す、といったケースもあるかと思います。しかし当院では、症状を引き起こしている原因菌を検査して、その細菌に有用な抗菌薬を特定して処方することを重視しています。私は研究職時代に細菌培養の経験がありますので、院内で迅速に培養検査ができ、原因菌に合う抗菌薬を見つけられます。より効率的な治療が望めますし、耐性菌の発生の予防にもつながると思います。ただ飼い主さんのお考えなどもありますので、飼い主さんとよく相談しながら行っています。

血液検査も院内検査ができるのですね。

はい。体内での炎症の有無や、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモンの分泌状態を調べられる血液検査機器も最近新たに導入しました。甲状腺ホルモンなどの検査はこれまで外注していたのですが、やはり時間や費用がかかります。院内で検査すれば15分くらいで結果が出ますし費用も抑えられます。甲状腺疾患は高齢の猫に多く見られ、甲状腺ホルモンの過剰生成・分泌が主な原因です。よく食べているのに痩せてきた、などといった症状があれば甲状腺疾患が疑われます。犬の場合は、逆に甲状腺ホルモンの不足が主な原因で、食欲がない、元気がない、動きが鈍くなるなどの症状が出ます。これらの症状があれば一度受診して検査を受けたほうがよいと思います。

他に飼い主さんが注意すべき症状はありますか。

動物たちも高齢化が進んでいます。今、お話ししたような内分泌系の疾患のほかに、骨格系の疾患にも注意していただきたいですね。足の関節や股関節などの不調が起きていることも多いです。動きが鈍くなった、散歩に行きたがらない、抱っこした時にキャンと鳴くといったことがあれば一度受診したほうが良いでしょう。動きが鈍くなったりすると、年のせいと思いがちですが、何か病気が原因となっている場合も多いです。動物たちは口では何も話せない代わりに行動で表します。最近、元気がない、食が細くなってきた、できものができたなど、これまでと違うと感じたらそのまま放っておかずに早めに受診するようにしてください。

飼い主の状況によっては往診にも対応

こちらでは往診もなさっているのですね。

飼い主さんが何らかの理由で車の運転ができず動物を連れて来られない場合、往診しています。往診して当院での処置が必要と判断したら、動物を当院まで連れてきて、治療や処置が終わったら、またご自宅まで送るということも行っています。地域のかかりつけ医として動物たちと飼い主さんにはできるだけ寄り添って差し上げたいと考えています。

そもそも先生はなぜ獣医師を志したのですか。

小さい時から動物が好きだったからです。犬や猫は飼っていませんでしたが、セキセイインコなどの小鳥はかわいがっていました。私が大学受験した当時は、理系の中でも工学系が人気で、獣医師をめざす人はとても珍しかったですね。獣医療は牛や馬、豚などの産業動物がメインでしたから農学部の一部として捉えられていました。そして今、実際に動物たちと触れ合っていますが、毎日が試験のようです(笑)。目の前の問題を解決していくためにどうすべきか、何が最も重要か、さまざまな視点から動物と飼い主さんにとって最も良い方法は何か、常に考えながら診療しています。研究職時代はある程度自身で道筋を立ててそれを証明することが主でしたが、臨床となるとまったく違いますね。病気が治って動物たちに元気になってもらえたら、とてもうれしいですし、それだけやりがいを感じます。

では、最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

動物を飼うのはとてもすてきなことです。動きのある動物がそばにいると、家の中が活性化しますし、ご夫婦やご家族の会話も増えると思います。家族と同じように愛している動物たちがいつまでも元気で幸せに暮らせるように、エビデンスに沿った獣医療をこれからも提供していきたいと思います。何か気になる症状がある、元気がないなど不安なことがあればお気軽に相談に来てください。

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