専門的な知識と技術を持って対処することが大切 犬猫の心臓病

高い専門性をもって適切な診断を行い、心臓に負担のかかる段階の早期発見と的確な治療につなげることを図る

• Q.先生は獣医循環器認定医の資格をお持ちだそうですね。

  A.

  

  ▲さまざまな相談に乗り、寄り添う片山院長

  はい。獣医循環器認定医は、動物循環器学に関して十分な専門知識と技術を持つと認められた獣医師が取得できる資格です。診断から治療に至るまで専門的な観点から実施できるというのが、獣医循環器認定医の大きな特徴だと考えています。病名をはっきりさせ、病気の進行具合を正確に把握することで適切な治療につながります。心臓病の診断や治療で不安がある場合には、一度獣医循環器認定医に相談することを視野に入れると良いでいしょぅ。

• Q.心臓病の動物を飼う際に気をつけることはありますか？

  A.

  

  ▲診察では、不安や心配な気持ちが拭えるよう丁寧に話を聞く

  正常時の状態を知っておくことは非常に大切です。心臓病は多くの場合、呼吸が早くなったり、咳が出るといった症状が見られます。しかし、正常がわからないと異常に気がつかない、気づくのが遅れるといったことにもつながります。当院では、まずは1週間意識して呼吸の回数を数えることをお勧めしています。基本的には胸の動きで回数を数え、だいたい1分間に30回ほどまでが正常です。ただ睡眠時や運動後とでは呼吸数も違うため、日常生活のさまざまな場面での平常の呼吸数を知っておくと良いと思います。最初は意識して行うことが必要ですが、次第に意識せずとも普段とは違うことがわかるようになり、早期発見・治療につなげられると思います。

• Q.心臓病の可能性がある場合はどうしたら良いのでしょうか？

  A.

  

  ▲オリーブの木が印象的だ

  心臓の雑音が認められた場合には、まずは検査をして病名をはっきりさせることが大事です。病名がわかればどういった治療が必要なのか、どういった症状に気をつければいいかなど知ることができます。そうすることで今後の治療など病気に対する不安を減らせると思います。

• Q.心臓病の外科治療・内科治療の違いについて教えてください。

  A.

  

  ▲待合室には大きな窓から光が差す

  まず根治をめざすのであれば、外科治療が必要になります。医療の進歩により手術の技術は上がってきているとはいえ、命に関わる合併症や大きな費用負担などの問題があります。また、手術が可能な病院も限られるため、移動する負担も考慮しなければいけません。一方、内科治療は投薬がメインなので、大きなリスクなくすぐに始めることができます。しかしながら、症状の緩和と病気の進行を抑えることが目的なので、生涯にわたり治療が必要になってきます。一般的には内科治療がほとんどですが、外科治療を希望される場合には病気の進行具合を見て専門の病院を紹介しています。

• Q.大学病院での診療と一般の動物病院の診療での違いはありますか？

  A.

  

  ▲清潔にされた温かみのある診察室

  基本的に同じですが、大学病院ではより高度な検査・治療に対応しており、特に一般病院では対応できないことが多い外科治療を行うことができます。一方当院では、循環器以外の病気も一緒に診ることができますし、病気以外にも予防やお手入れ、トリミングやホテルなどさまざまなことに対応しています。そのため、大学では循環器に専念して診療していますが、普段は総合的に動物や飼い主さんのサポートができるように意識しながら診療をしています。

動物病院からのメッセージ

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