執行 康弘 院長の独自取材記事
八幡みなみ動物病院
(市川市/本八幡駅)
最終更新日: 2024/07/05
市川市大和田の通り沿いで、朝は8時30分から、火曜と日曜の午後以外は年中無休で診療を行う「八幡みなみ動物病院」。海をモチーフにした院内は、そこが動物病院であるかを忘れるようなリラックスできる空間だ。「リゾートをイメージしたんです」と話すのは執行康弘院長。開業前は複数の動物病院を展開する法人で本院の院長を務め、多くの症例に携わってきた。その経験を生かして2021年に開業。犬や猫を中心に、うさぎ・モルモット・フェレット・ハムスターなど幅広く診療を行う。院内設備の充実も同院の特徴の一つだ。デジタルエックス線検査機器、エコー検査機器、内視鏡に加え、専用手術室や動物用ICUも備えて救命救急にも対応する。心のこもった柔軟な獣医療をモットーとする執行院長に話を聞いた。(取材日2024年2月6日)
安心して通えるリゾートのような動物病院
日当たりも良く、開放感のある動物病院ですね。
そのように感じてもらえるとうれしいです。2021年に開業する際、海をモチーフにしたリゾートのような動物病院をつくろうと考えました。ペットの元気がなくなると、飼い主さまは不安になりますよね。訪れた先がいかにも「病院」というイメージだと、その不安は一層強くなってしまうと思うんです。人間の不安は動物にも伝わりやすく、飼い主さまもペットも緊張してしまうと診療ができなくなってしまうことも。そのような思いを抱かなくて済むような、安心して通える空間をめざしました。消毒の臭いもできるだけさせないように心がけていますし、病気に関するポスターも貼っていないんです。ここが動物病院だということを忘れるくらい、リラックスしてお過ごしいただきたいですね。
こちらではどのような動物を診てもらえるのでしょうか?
犬や猫を中心に、うさぎ・モルモット・フェレット・ハムスターなども診ています。「忙しくて犬や猫を飼えないから、小動物を飼っている」という飼い主さんもいらっしゃるのですが、エキゾチックアニマルに対応する動物病院はそう多くはありません。当院はさまざまな動物を対象に、朝は8時30分から、火曜と日曜の午後以外は年末年始も休まずに診療を行っています。飼い主さまの通勤前にペットをお預かりし、帰りにまた立ち寄っていただくこともありますね。ここは高速道路の入り口も近く、通りに面したアクセスの良い場所。犬や猫はもちろん、小動物と一緒に暮らしていたり、忙しくて時間の取りにくい方にも利用しやすい環境です。診療だけでなく、トリミングやペットホテルにも対応しています。
院内設備について教えてください。
検査機器の充実には力を入れており、デジタルエックス線検査機器、エコー検査機器、内視鏡など一通りのものをそろえています。内科などの一般診療、ワクチンや健康診断、外科手術、救命救急と、当院で対応できる範囲は広いです。手術は衛生管理を徹底した専用の手術室で行い、動物用ICUも備えています。待合室も入院室も、犬と猫とでしっかり分けています。院内はゆったりとくつろげる雰囲気ですが、医療に対して私たちは真剣です。さまざまな動物と暮らす飼い主さまが不安になった時に「八幡みなみ動物病院に相談すれば何とかしてくれるかも」と真っ先に思ってもらえるような動物病院をめざしています。
動物の個性と飼い主の考えに合わせた「柔軟な獣医療」
診療の際に心がけていることはありますか?
個々に合わせた「柔軟な獣医療」です。これは当院のコンセプトにも通じます。例えばある症状に対して「この症状にはこの薬」という教科書どおりの治療が、必ずしもその子や飼い主さまの希望や状況に合っているとは限りません。その子の個性やペース、また飼い主さまのライフスタイルや希望も把握しながら、実現可能な方法を一緒に考えていきます。また実際に治療を進めるにあたっては、詳しく説明するのが私の診療スタイルです。
事細かに説明してくださるということでしょうか?
そうですね。さまざまな選択肢の中から治療法を決めるのですが、私はそれが適切だと思って選んでいます。しかし良かれと思って進めたことが、その子や飼い主さまの負担になることもあります。そのような時は、遠慮なくお聞かせいただきたいと思っています。なぜその治療が必要なのか、もしくは他にも方法があるのか。もしその治療をやめたらどうなるのか。原因は何なのか。中には原因がわからないこともあり、その場合もきちんとお伝えします。私の話はとても細かくなるかもしれませんね。中には「先生の説明が多すぎて、内容がわからない」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが私は飼い主さまに症状や治療について理解していただき、信頼関係を築きながら進めていきたいんです。もしわからないことや不安なことがありましたら何でも聞いてください。私は飼い主さまのその不安にきちんと向き合います。
スタッフさんについてご紹介ください。
獣医師は私を含めて2人、その他に看護スタッフ、助手、トリマーが在籍しています。愛玩動物看護師の資格取得に向けて勉強したりと、若く意欲があるスタッフぞろいです。また当院も私自身も猫の医療に関して専門的な設備や知識を有しており、スタッフたちも専門的に猫の医療を学んでいます。犬よりも猫のほうが敏感な傾向にありますが、安心してご来院ください。犬の場合、ペットホテル滞在中の散歩の様子などを、スタッフがSNSにアップして飼い主さまにご覧いただいています。愛犬と離れている間はご心配でしょうが、SNS越しに元気な姿を見ると安心されるようです。
限りなく100パーセントに近い治療をめざす
ところで、先生はなぜ獣医師をめざしたのですか?
子どもの頃から家の中に犬や猫がいて、動物や植物など生き物に関する職業に就きたいと思っていたんです。そうして獣医師になり、大学卒業後は首都圏で複数の動物病院を展開する法人で、本院の院長も務めてきました。目まぐるしい日々でしたが、幅広い症例に携わった経験は現在の診療にも生かされています。私は「動物の一生に寄り添った診療を行いたい」と考えて開業を決めました。積み重ねた経験をこの場所で生かして、子犬や子猫が年を取って最期を迎える時が来ても「この動物病院に通って良かったな」と思ってもらえるような、心の通った診療のできる獣医師でありたいですね。
今後の展望をお聞かせください。
できることの幅をさらに広げていきたいです。当院は院内設備も診療内容も、私の理想とする動物病院にかなり近づいていると思います。年中無休で朝8時30分から診療を行う動物病院は少ないでしょうし、緊急性のある症状に対応できるだけの体制も整えています。ですが獣医療は日々進化するもの。現状で満足せずに新たな情報にアンテナを張り、動物と飼い主さまにとってより良い医療につなげていきたいと思います。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
動物と暮らすのは楽しいですよね。近年はご自宅で過ごす時間が長くなって「ペットをお迎えしました」と耳にすることも多く、動物好きな私はうれしくなります。もしペットの元気がなくなっても「心配しすぎないでください」とお伝えしたいです。インターネットなどで調べると不安になるような情報も出てくるかもしれませんが、それをうのみにせずに、まずは私たちに相談してください。もちろん、すべてが医療で救えるわけではありません。獣医師として悲しい場面にも何度も遭遇してきました。ですがそれも含めて、動物と暮らすのは幸せなことだと思うんです。飼い主さまがそう思えるように、限りなく100パーセントに近い治療をめざして私たちは全力を尽くします。
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