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梅原 絵麻 院長の独自取材記事

はるペットクリニック

(市川市/南行徳駅)

最終更新日: 2024/01/18

アットホームで落ち着いた雰囲気が漂う「はるペットクリニック」。2020年12月に、東京メトロ東西線・南行徳駅から徒歩2分の場所に開業した動物病院である。内科・循環器科・消化器科・皮膚科など、幅広い分野の診療に対応するのに加えて、ペットフードの相談・アドバイスに力を注いでいる。院長を務める梅原絵麻先生は、日本獣医生命科学大学獣医学部を卒業後、さまざまな動物病院で勤務し研鑽を積んできた経験豊富な獣医師だ。飼い主と会話を重ねることで得られる情報があると考え、時間をかけて丁寧に話を聞く姿勢が印象的である。「近隣に住む飼い主さんと動物にとって、いつでも気軽に立ち寄れる場所になれたらうれしいです」とほほ笑む梅原院長に、同院の診療方針や今後の展望について詳しく聞いた。(取材日2023年9月4日)

アットホームな雰囲気が落ち着く「地域の動物病院」

こちらの動物病院の診療体制を教えてください。

当院の獣医師は私1人だけです。ですから、日によって診療を担当する獣医師が変わったり、診療の途中で他の獣医師やスタッフにバトンタッチしたりすることはありません。常に同じ獣医師に最初から最後まで診てほしい、という考えの飼い主さんにぴったりな診療体制でしょう。ちなみに、受付や会計などの業務の一部をサポートしてくれる事務スタッフも、3人と少人数なんですよ。また、予約システムを活用して診療数をコントロールしているので、院内が混雑することが少ないです。基本的に院内はアットホームで落ち着いた雰囲気なので、飼い主さんも動物も、緊張せずに過ごしていただけるでしょう。

どのような診療を提供されているのでしょうか?

血液検査機器やエックス線撮影装置、超音波装置といった一通りの機器をそろえて、内科・循環器科・消化器科・皮膚科・眼科・泌尿器科など、幅広く基本的な診療を提供しています。大規模ではありませんが手術室も設けてあるので、イボの除去など侵襲性の低い手術であれば院内で実施していますね。より精密な検査・治療が必要だと判断した場合は、無理して院内で完結しようとするのではなく、近隣の獣医師に協力してもらったり、高度医療施設を紹介したりしています。

訪れる飼い主さんの層と、対応している動物種を教えてください。

当院は「地域の小さな動物病院」なので、訪れる飼い主さんのほとんどが近隣に住まわれている方々です。診ている動物種は、犬と猫がメインですね。猫に関しては、開業前から飼育頭数が増えていると感じたことから、猫専用の診療時間としてキャットアワーを用意しました。毎日14時から15時までの間、完全予約制で枠を設けてあります。受診ストレスを感じやすい子や、動物病院の受診が初めての子はぜひ活用してみてください。また、勤務医時代に診療してきた経験から、ウサギやハムスターなど一部のエキゾチックアニマルも診ています。診療内容としては定期健診や爪切りといった日常ケアのような簡易的なものだけですが、もしご希望でしたら遠慮せずにご連絡ください。

時間をかけた丁寧な問診で、飼い主の気持ちに寄り添う

ペットフードの相談・アドバイスに力を注いでいるそうですね。

そうですね。もともと動物病院で扱っているペットフードについては勉強を重ね、常に情報のアップデートを続けていたので詳しいと自負していました。しかし長年診療を続けてきた中で、アドバイスするならペットショップなどで購入できるペットフードに関する知識・情報も必要だと気がついたのです。自分で調べるのに加えて、飼い主さんから「最近こういうのが話題になっている」「うちの子はこうしたら食べてくれた」といった話を聞かせていただき、ペットフードに関する知識の引き出しを増やしました。そして現在、健康診断などの検査結果と普段食べさせているものを踏まえて、動物が今後より健康に過ごすためにはどのようなペットフードがお勧めかご提案しています。食べてくれず困っている場合には、食べさせ方の工夫も併せてアドバイスさせていただいています。

レーザー治療も提供されているとお伺いしました。

ええ。勤務医時代に得た知識・経験を生かし、痛みの緩和などを図るレーザー治療を提供しています。当院では、脊椎疾患や腎臓病を患っている動物に行うことが多いですね。「うまく薬を飲ませられない」「投薬以外の治療法があれば検討したい」という方は、話を聞くだけでも大丈夫なのでぜひ気軽にお声がけください。ただ、注意していただきたいのが、治療で期待できる効果には個体差があるということ。動物によっては、通院のストレスがかかるだけになってしまう可能性があります。その場合、無理してまでレーザー治療を続けるのではなく、自宅でできるケアなど、できることを提案させていただきます。

診療で心がけていることは何ですか?

飼い主さんに思っていることを存分にお話ししていただくことを大切にしています。動物を診れば、飼い主さんのお話を聞かずともどんな状態かどんな検査・治療が必要か判断することは可能です。しかし飼い主さんは受診する際、「検査をしてほしい」「応急処置だけでもしてほしい」など、何かしら要望を持っているでしょう。それを聞かずに診療を進めてしまうのは、たとえ同じ対応をしたとしても、「飼い主さんの希望に応えた」とは言えないと考えてのことです。またいろいろとお話ししていただくと、本来の受診目的とは別に、食事やケアについて何か気がつける場合があります。ですから問診の時間を長めに設けて、まずは飼い主さんのお話をしっかりと聞くことを心がけているのです。ちなみに問診の際は、動物は診察台の上には乗せないようにしています。動物の様子が気になり、話が二の次になってしまうのを防ぐためです。

飼い主と動物にとって気軽に立ち寄れる場所をめざして

獣医師をめざされてから、開業するまでの経緯をお聞かせください。

両親が動物好きだったので、子どもの頃からずっと動物に囲まれて生活してきました。その影響もあったためか進路を決める際に、動物に関わる仕事として獣医師が選択肢の一つにあったのです。獣医学部に進学し勉強をしていくうちに、獣医療に魅了され、卒業後はそのまま獣医師になろうと決意。そして卒業後、実際に獣医師としていくつかの動物病院に勤めてきました。最後に勤めていた動物病院が閉院することになった時、もう少し獣医師としての自分にできることを続けたいと考え、2020年12月開業することに。この辺りで勤務経験があったことと、地元が近くでもともと土地勘があったことから、この場所を選びました。

今後の展望をお聞かせください。

動物病院の規模を大きくするとか、専門性を高めようとかではなく、今やっている診療をこれからも可能な限り続けていきたいです。また実は以前から、飼い主さん向けのセミナーを院内で実施しようと考えていたんですよ。ですが新型コロナウイルス感染症などのことを考えると、院内に集まっていただくのはまだ難しいかなと思い、代わりにスマートフォンアプリを活用した配信を始めました。犬や猫の病気や生活に関する役立つ情報や、診療時間の変更など当院のお知らせをお届けしています。一人でも多くの飼い主さんに、大切な情報を見ていただけたらうれしいです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

近年、専門性が高い獣医師・動物病院が増えてきました。それに伴い、「この先生に診てもらいたい!」と考え、わざわざ遠方から通院される飼い主さんも多くなってきた印象があります。納得のいく場所で納得のいく診療を受けることは良いことですが、移動時間や距離が長いと、その分動物へ負担がかかってしまいがち。ですから、当院のような「近くのかかりつけ」も決めておくのが重要だと知っておいてください。そして、状況に応じて使い分けていただければと思います。当院は気軽に無理せず受診できる環境が整っているので、動物の調子が悪そうなときはもちろん、特に気になることがないときも来ていただきやすいでしょう。飼い主さんと動物にとって、「動物病院」というより「気軽に立ち寄れる場所」になれたら幸いです。

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