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細野 敬人 院長の独自取材記事

たま動物医療センター

(川崎市多摩区/稲田堤駅)

最終更新日: 2025/11/14

川崎市多摩区の府中街道沿い、稲田堤駅から歩いて5分ほどの場所にある「たま動物医療センター」。40年にわたり地域の動物医療に貢献してきた「たま動物病院」を受け継ぎ、2025年11月より日本獣医循環器学会の獣医循環器認定医である細野敬人(ほその・けい)院長が「たま動物医療センター」として次のステップへと進めた。犬・猫の一般診療を幅広く行いながら、特に心臓病診療に強みを持つ細野院長。「心臓の疾患は待ったなしだから、年中無休を決断しました」と、診療への熱い思いをのぞかせる。そんな細野院長に、継承に至ったストーリーや得意とする循環器診療、めざすクリニック像などを詳しく聞いた。(取材日2025年10月23日)

歴史ある動物病院を継承。専門性を加え次のステップへ

歴史ある動物病院を継承されたと伺いました。

当センターの前身は、1985年から40年にわたり地域の動物医療に貢献してきた「たま動物病院」。私自身、近所で生まれ育ったため、実家で飼っていた動物たちとともに、たま動物病院の佐藤典子先生にはたいへんお世話になりました。実は獣医師を志したのも、たま動物病院での診療にふれた経験がきっかけ。高校生の頃に愛猫のマミが病気になってしまったのですが、治療の様子を目の当たりにしてからです。「獣医師になってこの子を治してやりたい」と言うと、佐藤先生は応援してくださり、冗談半分で「将来獣医師になったらこのクリニックをよろしくね」ともほほ笑んでくださいました。それを真に受けた結果が、今回の継承です。残念ながらマミは大学受験直前のクリスマスイヴに亡くなってしまい、泣きながら自習室で勉強したことを今も覚えています。あの時感じた強い思いが、今も原動力となっていると感じます。

継承により、変わった点があれば教えてください。

最大の変化は年中無休にしたことです。以前は水曜と祝日は休診でしたが、動物たちの病気は曜日を選ばず起こり、特に心臓の病気は待ってはくれません。いざという時は必ず来ます。無休とするのは大きな決意を伴うことでしたが、急変もしっかり診ていきたいため、決断しました。また、地域の獣医師としての一般診療に加え、私の専門である心臓病の診療に力を入れていきたいと考えています。今までのたま動物病院時代と変わらぬ一次診療をしっかりと行いつつ、プラスアルファとして循環器領域ではより専門的な診療も提供していきます。スタッフはほぼ残ってくれていて、佐藤先生もしばらくは非常勤顧問として在籍してくださる予定です。地域に長く愛されてきた良い点は残しながら、次のステップに進むんだという思いを込めて、クリニック名は「たま動物医療センター」と改称することに決めました。

犬猫の心臓病がご専門なのですね。

循環器について専門的に学んできた経験から、前職では大阪にある動物医療機関内に循環器部門を立ち上げて、犬や猫の心疾患に対する専門的な診療を行ってきました。犬では僧帽弁閉鎖不全症、猫では肥大型心筋症に代表される心臓病は、初期症状が乏しく見つけづらいもの。しかし、進行し、つらい状態に陥らせないためには、早くから適切に治療することが不可欠です。マラソンのように長く付き合い続けなければならない病気ではありますが、心臓病があっても天寿を全うさせてあげたい。それをめざすのが、私の診療です。

つらい思いをさせたくない、つらい姿を見せたくない

こちらでの循環器診療について、さらに詳しくお聞かせ願えますか?

心臓病の治療は、大きく外科治療と内科治療に分けられ、当院で直接行うのは内科治療です。強心剤や利尿剤、血管拡張剤といった薬を用いて心臓の機能にアプローチし、つらくないようアシストしていきます。早期診断が重要となりますので、こだわりの心臓専用の超音波検査機器を導入し、見落としなく検査する体制を整備しました。また採血で気軽に調べられる心臓のバイオマーカー検査も取り入れています。また、犬の僧帽弁再建術など、根治をめざす外科手術をご希望のご家族には、経験豊富な二次医療機関へとおつなぎすることも可能です。

診療の際に心がけていることは何ですか。

動物をよく見て、しっかり触る、そしてご家族の話をよく聞くことでしょうか。基本的なことですが、おろそかになりがちでもあるので気をつけています。循環器診療においては、つらい思いをさせないこと。もしつらい状態になってしまったら、少しでもつらい時間を短くしてあげるよう心がけています。心臓病の進行で多いのは、肺水腫ルートで死に至るケース。これは陸地で溺れるようなもので、地獄の苦しみを味わうとされています。そんなつらい思いはさせたくないし、ご家族にもそんな苦しむ姿を見せたくない。だからこそ、常に先回りの治療をご提案するようにしています。初期症状の少ない心臓病では、ご家族がおかしいと感じる段階では、すでに助けられないことも。一見元気で「そこまでしなくても」と思われるような段階から、しっかり介入するのが方針です。時にご家族との間に温度差を感じることもありますが、それで良いと思っています。

循環器診療を追究されたきっかけは?

獣医師として駆け出しの頃、実は心臓には苦手意識がありました。重要な臓器であり、かっこいいと感じる一方、難しい分野だと敬遠していたのです。そんな中、高齢の犬が命を落としてしまう麻酔事故に直面しました。麻酔は絶対安全とは言えないにしても、年齢は理由にならず起こしてはならないこと。二度と繰り返さないために、「なぜ?」を徹底的に考える必要があると痛感しました。麻酔管理を理解するには血行動態への理解が不可欠であり、そのためには心臓を学ぶことが必須でした。苦手だからこそ向き合わなければ反省を生かせない、そう覚悟して勉強を始めたところ、わからなかった心臓がどんどんわかってくる。そうなると今度は面白くて仕方ないんですね。もともとのめり込みやすいタイプだったこともあり、いつしか心臓に夢中になっていました。学んだことが診療で生きる瞬間がうれしく、さらに学びたいという思いが今も原動力になっています。

ネットワーク形成で地域での中核的ポジションをめざす

子ども時代から動物好きだったのですか。

生き物博士と呼ばれるほど生き物好きの子どもでしたし、常に何かしら生き物がいるような家で育ちました。しかし、実は私は猫にも犬にもアレルギー体質。小児喘息で強めの発作が出た際に、小児科の医師が親に向かって「アレルギーがある子がいるのにペットを飼うなんて」と怒鳴りつけていたのをよく覚えています。親は私のためにペットを譲ることを考えたようですが、私自身が「絶対に嫌だ!」と拒否したんです。相当悩んだと思いますが、ペットと離れずに済むよう、水泳や漢方など、他の方法で手を尽くしてくれました。あの時、両親がペットを手放していたら、今の私はなかったでしょう。自分が親になってみて改めて、すごいことをしてもらったなと感謝しています。ちなみに、喘息発作はないものの、今でも犬や猫に触れると目のかゆみや鼻水などが出ることも。動物アレルギーの獣医師って、実は意外に多いんですよ。

今後の展望を教えてください。

獣医師として、これまでいろいろな拠点で診療に携わってきました。良い面も悪い面もたくさん見てきたので、それらを反映してより良いクリニックにしていきたいと思っています。めざすのは、この地域の動物医療での中核的ポジション。心臓病を抱えた子たちを受け入れて必要に応じて専門的な診療を行い、またお戻しする。かかりつけの先生方と一緒に彼らを支えていけるような体制が築ければ良いなと考えています。そのために、地域の先生方と良い関係を築き、信頼できる獣医師を集めて、それぞれの専門性を生かしたネットワークがつくれると良いですね。

ひと言メッセージをお願いします。

地域の動物医療を底上げしていきたいと考えています。循環器診療が武器の獣医師ですので、心臓の病気の診療は得意。この武器を生かして、この地域に犬や猫の心臓病のことをよく理解し、適切に付き合っていただけるご家族を増やしていきたいですね。こと心臓病については、時に熱くなりすぎて、ご家族から「そこまで必要でしょうか」などと言われることも。しかし、動物たちにつらい思いをさせないためなら、その温度差も良しとしています。疑問や不安が湧いた際にも、ご相談いただければご納得いただけるまでかみ砕いて説明します。大切なペットのかかりつけとして、長くお付き合いいただければうれしいです。

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