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獣医循環器認定医が診る 犬と猫の心臓病ケアとは

たま動物医療センター

(川崎市多摩区/稲田堤駅)

最終更新日: 2025/11/14

「心臓は命に関わる重要な臓器」というのは誰もがイメージすることだろう。では、犬や猫が心臓の病気になってしまったら、その先を諦めるしかないのだろうか。「犬・猫の心臓病は、早期から適切に治療介入すれば、病状のコントロールが期待できます。病気を抱えていても、元気に寿命を全うする子たちもたくさんいます」と話すのは、「たま動物医療センター」の細野敬人(ほその・けい)院長。犬・猫の心臓病を専門に臨床経験を重ね、日本獣医循環器学会の獣医循環器認定医も取得した、心臓の専門家だ。自身も飼い猫を通わせていたという歴史あるクリニックを継承し、従来の総合診療に加え、循環器分野の専門診療を実施する細野院長に、専門である犬と猫の心臓病とその治療について、詳しく解説してもらった。(取材日2025年10月23日)

知識と経験を磨いた獣医循環器認定医として、犬・猫の心臓病の内科治療に尽力

  • Q.先生は心臓病に関する専門的な資格をお持ちと伺いました。

    A.

    ▲稲田堤出身の細野敬人院長。獣医循環器認定医として地域へ貢献

    日本獣医循環器学会の獣医循環器認定医です。難易度の高い資格で、現在数多くの獣医師がいる中でも、獣医循環器認定医の資格を持つ獣医師はそう多くありません。また、その多くが二次・三次診療施設での診療に従事しているため、身近に出会うことは少ないかもしれません。犬・猫のメジャーな心臓病には国際的な診療ガイドラインもありますが、それだけでは命を救うことが難しいケースも。症例に適した治療を提供するためには、高い専門性と臨床技術が求められると言えるでしょう。
  • Q.犬や猫にどのような症状があれば、心臓病を疑うべきですか。

    A.

    ▲精密なエコー検査機器で心臓病の早期発見をめざす

    犬に多い僧帽弁閉鎖不全症や、猫に多い肥大型心筋症といった心臓の病気は、いずれも初期症状がほとんどありません。進行すると疲れやすくなったり、ひどいと呼吸困難に陥ったり失神してしまう場合も。犬では特にえずくような咳も特徴です。猫は具合が悪くても隠す動物なので、ご家族はほぼ気がつけません。後ろ足に血栓ができて麻痺が出て初めて動物病院に来院することも多いです。犬では心雑音の聴取やレントゲン検査で比較的早期に偶然発見できることもありますが、猫の場合は心雑音と心疾患の相関が薄く、レントゲン検査でも検出づらいことがあり、通常の診療で初期段階を見つけることは困難。定期検査でリスクを確認することが大切です。
  • Q.心臓病の外科治療と内科治療の違いを教えてください。

    A.

    ▲これまで多くの心臓病の犬や猫を診てきている細野院長

    外科治療では、悪くなった心臓の弁などを手術によって元の状態に近づけ、機能回復をめざします。対して、内科治療では低下した心臓の機能を、強心剤や利尿剤、血管拡張剤といった薬の力で補い、状態のコントロールを図ります。初期段階から治療介入すれば、思わぬ急変を防ぐことが期待でき、寿命まで元気に生きることも考えられます。ただ、手術を行える獣医師は現状非常に限定的で、手術まで数ヵ月先になってしまうことも。また、高額な費用が必要になり、誰もが気軽に検討できるものではありません。そのため状態に合わせた内科治療でコントロールを図りながら、苦しくないよう上手に病気と付き合うことも大事な選択肢なのではないでしょうか。
  • Q.動物病院の選び方について、アドバイスをお願いします。

    A.

    ▲犬や猫を落ち着かせながら、真剣な眼差しでエコー検査を行う

    大規模な手術を求めるのなら、大学病院付属の動物病院など高度医療機関を受診する必要があります。一方、メジャーな心臓病には国際的な診療ガイドラインがあり、一般の動物病院で内科治療を受けることは可能です。ただ、ガイドラインどおりでは後手に回ってしまい難しいケースも。逆に言うと、専門的な知識・経験を持つ獣医師が適切な内科治療を提供できれば、一般の動物病院でも十分に病気の管理は可能なのです。高度医療機関は、広域から重症を受け入れる、動物医療の最後の砦。気軽には受診できません。また急変し苦しむ子を、遠くの動物病院まで運ぶのは困難。日頃から、近くに信頼できる拠点を見つけておくことをお勧めします。
  • Q.心臓病の犬や猫と暮らす上で注意点はありますか?

    A.

    ▲少しでも違和感があれば、すぐに受診してほしいと願う細野院長

    指示された投薬は必ず守ってください。これを怠ると、死に至ってしまうのが心臓病です。もし投薬が難しいのであれば、まずはご相談ください。投薬の方法にはさまざまなものがあり、どれが正解ということはありません。その子に合った方法を見つけ、きちんと習慣づけることが大切です。投薬法を紹介する動画などもあるので、探してみるのも良いでしょう。診療では、大事に至る前から投薬に慣れさせてほしいとも伝えています。特に、重症化を防ぐための初期段階からの治療では、一見元気な様子に薬が軽視されてしまうことも。大切な命を守る重要な鍵ですから、くれぐれもそれを忘れることのないようにしていただければと思います。

動物病院からのメッセージ

細野敬人院長

心臓病は悪化させてしまうと、肺水腫などで苦しんで死に至ってしまうつらい病気です。人気の小型犬に多く、加齢により罹患率が高まるため、ペットの長寿化が進む近年は増加傾向も見られます。病気を避けることはできなくとも、適切なモニタリングでコントロールが望めます。高齢になると病気を併発するケースが増え、より治療が難しくなります。そうした高齢のペットのご家族に対し、早くから真摯にお話しし、どんな最期を望まれるかを伺います。次の展開がわからなければ、治療を選択することも難しいからです。ご要望さえ伝えていただければ、着地点に向けて全力で取り組みます。費用面やご家族間での思いなど、ぜひ気兼ねなくお話しください。

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