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森永暁洋 院長の独自取材記事

もりなが動物病院

(横浜市港北区/岸根公園駅)

最終更新日: 2023/01/22

横浜市営地下鉄ブルーライン・岸根公園駅より徒歩4分。横浜上麻生道路沿いにある「もりなが動物病院」は、イヌとネコ専門のクリニック。「飼い主さんとたっぷり話せる時間をとり、納得したうえで検査や治療を選択してほしい」と話す森永暁洋院長。資料や図に加え、院長自らが描いた絵を使ってわかりやすい説明を心がけている。インタビューに対しても的確によどみなく答えてくれる。それに加え、内面はとても温厚。そんな人柄からか、病院嫌いなはずのイヌが取材者の目の前でしっぽを振りながら院内へ入っていく姿に驚かされた。「動物たちに何か特別なことをしているわけではないんです」と笑顔を見せる森永院長。幼い頃の動物との思い出から、動物たちとの付き合い方、飼い主として気をつけなければならない動物からの病気のサインまで、さまざまなお話を伺った。 (取材日2013年10月17日)

飼い主や動物それぞれに合った検査や診療を提案

まず、先生はなぜ獣医師をめざしたのですか?

小さい頃から動物が好きだったというのは根本にあると思います。私と妹とで近所からネコを拾ってきては飼っていて、合わせて5、6匹は家にいました。小学4年生当時の作文にも、「動物の言葉がわかるような獣医さんになりたい」と書いていました。実は、その作文が新聞に掲載されたんです。両親はよほどうれしかったのか、その記事をずっととっておいてくれたんですね。私はなかば忘れていたんですが、高校時代、進路に迷っていた時にその記事をふと目にして、「そうか、獣医さんになりたかったんだ」と思い出し、この道へ進むことを決めました。結局、獣医師になっても動物の言葉はわかりません(笑)。でも、わかるようにはなりたいと思っています。動物は、本来あまり表情を出しません。自然界では弱みを見せてしまうことになるので、「痛い」とか「苦しい」といった表情や仕草は出さない傾向にあるんです。それでも、イヌなどはかなり出してくるほうなので、どんな状況なのかを見極め、疾患の発見につながる判断ができるようにしたいと考えています。

開業のきっかけを教えていただけますか?

大学を卒業してから6年ほど横浜市内の動物病院に勤務していました。開業の際には、手応えというか、「よし、そろそろ大丈夫だ」というような自信があったわけではないんですが、だいたい5年くらいで後輩に席をゆずるというのが慣例でした。そこで、別の病院に移るか、もしくは開業という選択肢だったんですが、私は自分の診療スタイルでやりたいという思いがあり、開業を選びました。飼い主さん1人ひとりとじっくりお話しをした上で、それぞれに合った治療や検査をご提案しその中から選択して頂くという診療スタイルを自分のペースでやってみたいと思ったのが開業した理由です。

医院の特徴を伺えますか?

規定の診察時間外も対応する態勢にしているということでしょうか。自宅が近くなので、夜間や休診日でも可能な限り診るようにしています。病院に電話をいただければ、私の携帯に転送されるようになっているんです。もっとも、この地域には、「どうぶつ医療センター横浜(旧横浜夜間動物病院・横浜動物CTセンター・動物二次診療センターで構成)」があるため、新患の方はそちらへ連絡しているケースが多いのではないかと思います。当院は、あくまで一次診療を担う場所だと思っていますので、特定の分野を得意にしたり、反対に苦手にしたりすることなく、全般的に診られるようにしています。私が診察し、そのままここで治療をして良いものと、大きな二次診療施設に紹介するべきものとをしっかり振り分けることが大事だと考えています。そこで必要のある場合には二次診療施設へ迅速にご紹介をさせて頂きます。

去勢手術はやはりしたほうが良いのでしょうか?

去勢手術にはメリットもデメリットもあります。メリットとしては、メスの場合、後天的な子宮や卵巣の病気のおそれがなくなり、2回目の発情までに手術をすれば、乳腺腫瘍の発症率も低くなります。オスの場合も、将来的に精巣が腫瘍化するのを防げるほか、前立腺肥大の危険がなくなります。7、8歳になってから前立腺肥大となり、膀胱炎まで発展し、そこから去勢手術をするというケースもありますが、1歳になる前に手術を受けたほうが体の負担は小さいですね。一方、デメリットとしては太りやすくなるという点が挙げられます。同じようにご飯をあげて同じように運動をさせていても太りやすくなってしまうんです。また、去勢手術は全身麻酔をかける必要があるんですが、そこにも一定の危険性があります。それらを考えて、手術をするかどうか決めなくてはなりません。病気になるかならないかはわからないので究極の選択になってしまいます。ただ、子宮・卵巣系のトラブルや前立腺肥大はけっこう多い病気なので、十分に話し合ったうえでどちらにするか決められればと思っています。

治療の9割は自宅でのケア。飼い主の知識と理解が大切

最近増えてきた病気などはありますか?

イヌもネコも、アトピーなどの皮膚疾患が増えてきたと感じています。これは、人間と同じように家の中で生活することが多くなったことで免疫力が落ちているからではないかと思います。また、家の中で飼うということは、常に飼い主さんの目に触れるところにいるので、皮膚の変化に気づきやすくなっているということも診療件数の増加にはつながっているかと思います。それから、がんが見つかることも多くなっていますね。この理由のひとつには、寿命の延長もあるのではないかと考えられます。以前は、10歳に満たずに亡くなる子が多かったんですが、今は平均寿命が延びてきているので、その分、がんが見つかるケースが多くなっているのではないでしょうか。がんや腫瘍は、新しい情報が更新されることの多い分野なので、私も月に1回から2回はセミナーなどに参加し、なるべく新しい情報を取り入れて、診療に役立てられればと考えています。

寿命はどれくらい延びているのですか?

現在、小型犬では13歳から14歳、大型犬の場合はもう1、2年短いくらいが平均だと思います。寿命が延びてきている理由としては、予防をしっかりするようになってきたというのが大きいと思います。もはや、横浜市内などでは、フィラリアで亡くなるワンちゃんはほとんどいません。地方ではまだ多いんですが、私自身、獣医師になってからフィラリアで亡くなったワンちゃんを診たのは1頭だけです。あとは、飼い主さんが動物病院に連れて行くという文化が定着したのも大きいですね。動物の健康に対する意識が変わってきているんです。お孫さんよりもかわいいとおっしゃる方もいるくらいです。ただ、そこまでになると、ペットロスのおそれもあります。それが今は大きな問題です。飼い主さんたちには、かわいがっていたワンちゃんなどが亡くなってしまった場合でも、気持ちをひとりで溜め込まず、できるだけ外に出るようにしていただき、ご家族やお友だちとお話をしてもらうようお伝えしています。そのために、当院を利用していただいてもまったくかまいません。

飼い主さんや動物への接し方で心がけていることなどはありますか?

飼い主さんにはなるべく理解していただきたいため、丁寧な説明を心がけています。資料や図に加え、手描きの絵なども活用しています。でも、すべてを一度に理解していただくのは難しいと思います。私が話していることの8割を理解していただき、半分くらいを覚えて帰っていただければと思っています。結局、私たちは診察したり治療したりすることはできますが、その後を管理したり薬を飲ませたりするのはすべて飼い主さんなので、どういった病気でどういう薬が必要なのかなどを理解していただく必要があるんです。治療全体のなかでは、クリニックでの処置に対して、診療後の自宅でのケアが9割を占めるくらい大切だと考えています。また、飼い主さんについては、肝心なことをおっしゃらなかったり、肝心ではないと自己判断をしてしまっておっしゃらなかったりすることがあります。なるべくそこを聞き出せるように、世間話なども織り交ぜながら、問診に時間をかけて少しずつ情報を引き出せるようにしています。肝心なことというのは、例えば、吐く症状が出ている場合、その吐き方や吐いた内容物・吐く間隔などについてです。患者さんは吐いた回数だけを伝えてくることが多いんですが、どんなタイミングでどんなものを吐いているのかということによって疾患がまったく違うことがあるので、重要なポイントなんです。ただ、どの時間帯にご飯をあげて、そこからどのくらい経過してから吐いたというようなことはなかなか覚えていないことも多いので、ゆっくりお話を聞きながら思い出していただくようにしています。一方、ワンちゃんやネコちゃんに対しては、とくに意識していることはありません。でも、なぜか嫌がらずに来てくれる子が多いですね。治療法や検査法で嫌がることを避けるということはないんですが、飼い主さんと一緒にやるようには心がけています。隔離されるという不安をなるべく与えないようにしているんです。飼い主さんに診察台のそばまで来ていただき、声をかけていただくようにしています。そういった状況だからか、診察台の上にも嫌がらずに乗ってくれる子が多いですね。

今の診療スタイルを守り、丁寧な説明を意識し続ける

先生ご自身の健康法や趣味などを教えてください。

もともとの趣味は釣りだったんですが、開業してからは一度も行っていません。現在の気分転換は子どもの相手をすることです。上が6歳の女の子で下が4歳の男の子とまだ小さいので、いじくりまわしているのが何よりのリフレッシュになっています。本格的な釣りはできていないんですが、その子たちを連れて、公園の池などでザリガニ釣りを楽しむことはあります。そんな時は朝から晩までやっていますね(笑)。健康についてはまったく気をつかっていません。お酒も飲むんですが、それほど食欲のあるほうではないので暴飲暴食はしません。とくに意識しているわけではないんですが、今のところ健康です(笑)。

今後の展望について伺えますか?

今のスタイルを変えるつもりはありません。これが一番やりたかったことですからね。ただ、丁寧な説明などは、長く続けるなかでおろそかになってしまうおそれもあるので、きちんと意識していかないといけないと思っています。そうした部分に手を抜かず、必要な設備などは随時導入しながら、しっかりした身体検査とインフォームド・コンセントを第一にしてやっていきます。また、現在も、ご高齢の飼い主さんなどを対象に訪問診療もしているんですが、今後は、そういったニーズも増えていくので、徐々に対応を考えていきたいと思います。

最後に、イヌやネコを飼っている読者へのアドバイスをお願いします。

ぐったりしているような時はもちろんですが、1日に7、8回以上も吐いている時は危険なのですぐに連れてきていただきたいと思います。また、飼い主さんが意外に気づかないのが目の症状です。目がしょぼしょぼしているくらいだと受診しないことが多いんですが、原因によっては、2、3日で失明してしまうこともありますので注意が必要です。皮膚などは2、3日放っておいても再生しないということはまずありませんし、骨が折れて2、3日経ったとしてもくっつかないということもありません。しかし、例えば、緑内障で目がしょぼしょぼしている状態で手当をしなかったら、2、3日で失明してしまいます。人間の場合は、緑内障で眼圧が上がれば、目だけでなく頭痛や吐き気で苦しくなるはずなんですが、ワンちゃんの場合は、そういった状態でもご飯をバンバン食べて、ちょっと元気がないかなくらいにしか感じられないことが多いんです。大学病院などでも視力を取り戻すことはできません。早めに病院に相談することが大切です。

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