JR稲田堤駅から徒歩5分の府中街道沿いにある「たま動物病院」は、犬、猫、ウサギ、ハムスターを診療する動物病院だ。獣医師とスタッフたちを引っ張るのは、院長の佐藤典子先生。元気で明るいお人柄は、出会った瞬間から人々をファンにさせてしまう。獣医師は天職だと語り、「病気を治すのが好きなんです!」と笑う。自身も2頭のヨークシャーテリアを飼っており、「自分の大事なペットを連れていくなら、どんな病院に行きたいか?という点を、病院作りの基準にしているんですよ」と、常に飼い主の気持ちに沿った診療を提示してくれる。獣医師を志したきっかけから、学生時代のエピソードまで、たっぷりとお話を伺った。
(取材日2012年9月19日)
―府中街道沿いでわかりやすい場所ですね。
私自身が方向音痴なので、皆さんに説明しやすい場所にしたかったんですよ(笑)。開業の地に稲田堤を選んだのは、実家に近く、子どもの頃から慣れ親しんだ町だったからです。1985年の開院当時は10坪もない狭い病院でした。でも徐々に設備が整い、スタッフが増えてきたので、10年前に広い診療所を開ける今の場所に引っ越してきたんです。現在は、私を含めて獣医師が4人、看護師5人の計9人で診療にあたっています。
―獣医師が複数いるというのは心強いですね。
はい。当院には診察室が3つあるので、同時に3頭の診察・治療をすることが可能です。また、腫瘍の摘出手術の際、病巣をしっかり取り除けたか検査をするのですが、執刀医がそのまま手術を続けながら、別の獣医師が検査を行うことができます。その結果により、適切な手術を進められるので、とても効率的です。難しい症例はみんなで知恵を出し合うこともできますし、学会やセミナーに出席するときも休診にしなくて済みます。ちなみに、当院はメンバー全員が女性なんですよ。不安を抱える飼い主さんの言葉に耳を傾け、もの言わぬ動物のささいな変化をくみ取る細やかさは、やはり女性のほうが長けていますでしょう。男性は苦手という動物も少なくないので、私はこの仕事は一般的には女性のほうが向いている気がしています。もう20年以上勤めているスタッフもいて、みんな私よりもずっと頼もしいですよ。
―診療のモットーを教えてください。
当院は、「自分の大事なペットを連れていくなら、どんな病院に行きたいか?」を基準に病院作りをしています。そうすると、自然と気配りができるんです。例えば、入院室には空気清浄器や加湿器、高性能な浄水器も使い、犬と猫とでは、入院室を別にして、室温や明るさも、それぞれに合わせて変えてあります。犬は犬種によっても調整しています。治療に使う器具も動物に負担の少ないものを揃え、ラジオ波のメスなど、できるだけ痛みが少ない器械を用いたり、気管チューブは柔らかいものを使ったりしています。治療にきた動物を、病院内で傷つけてしまうことは避けたいので、それだけはないように細心の注意を払っています。治療室はオープンで、基本的には飼い主さんが動物のそばにいられるようになっています。手術室は2つ、隔離室とICUもあります。当院では、入院期間が短く、日帰りや一泊の入院がほとんどです。ペットは自宅が一番リラックスできるもの。できるだけ家で過ごせるようにしたいんですよ。動物にとっては、家と飼い主さんのもとが一番ですからね。より良い治療法があるなら、ご相談のうえ、大学や専門医の紹介もしています。
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