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佐藤典子 院長の独自取材記事

たま動物病院

(川崎市多摩区/稲田堤駅)

最終更新日: 2023/01/22

JR稲田堤駅から徒歩5分の府中街道沿いにある「たま動物病院」は、犬、猫、ウサギ、ハムスターを診療する動物病院だ。獣医師とスタッフたちを引っ張るのは、院長の佐藤典子先生。元気で明るいお人柄は、出会った瞬間から人々をファンにさせてしまう。獣医師は天職だと語り、「病気を治すのが好きなんです!」と笑う。自身も2頭のヨークシャーテリアを飼っており、「自分の大事なペットを連れていくなら、どんな病院に行きたいか?という点を、病院作りの基準にしているんですよ」と、常に飼い主の気持ちに沿った診療を提示してくれる。獣医師を志したきっかけから、学生時代のエピソードまで、たっぷりとお話を伺った。 (取材日2012年9月19日)

「自分の大事なペットを連れて行きたくなる病院」が病院づくりの基準

府中街道沿いでわかりやすい場所ですね。

私自身が方向音痴なので、皆さんに説明しやすい場所にしたかったんですよ(笑)。開業の地に稲田堤を選んだのは、実家に近く、子どもの頃から慣れ親しんだ町だったからです。1985年の開院当時は10坪もない狭い病院でした。でも徐々に設備が整い、スタッフが増えてきたので、10年前に広い診療所を開ける今の場所に引っ越してきたんです。現在は、私を含めて獣医師が4人、看護師5人の計9人で診療にあたっています。

獣医師が複数いるというのは心強いですね。

はい。当院には診察室が3つあるので、同時に3頭の診察・治療をすることが可能です。また、腫瘍の摘出手術の際、病巣をしっかり取り除けたか検査をするのですが、執刀医がそのまま手術を続けながら、別の獣医師が検査を行うことができます。その結果により、適切な手術を進められるので、とても効率的です。難しい症例はみんなで知恵を出し合うこともできますし、学会やセミナーに出席するときも休診にしなくて済みます。ちなみに、当院はメンバー全員が女性なんですよ。不安を抱える飼い主さんの言葉に耳を傾け、もの言わぬ動物のささいな変化をくみ取る細やかさは、やはり女性のほうが長けていますでしょう。男性は苦手という動物も少なくないので、私はこの仕事は一般的には女性のほうが向いている気がしています。もう20年以上勤めているスタッフもいて、みんな私よりもずっと頼もしいですよ。

診療のモットーを教えてください。

当院は、「自分の大事なペットを連れていくなら、どんな病院に行きたいか?」を基準に病院作りをしています。そうすると、自然と気配りができるんです。例えば、入院室には空気清浄器や加湿器、高性能な浄水器も使い、犬と猫とでは、入院室を別にして、室温や明るさも、それぞれに合わせて変えてあります。犬は犬種によっても調整しています。治療に使う器具も動物に負担の少ないものを揃え、ラジオ波のメスなど、できるだけ痛みが少ない器械を用いたり、気管チューブは柔らかいものを使ったりしています。治療にきた動物を、病院内で傷つけてしまうことは避けたいので、それだけはないように細心の注意を払っています。治療室はオープンで、基本的には飼い主さんが動物のそばにいられるようになっています。手術室は2つ、隔離室とICUもあります。当院では、入院期間が短く、日帰りや一泊の入院がほとんどです。ペットは自宅が一番リラックスできるもの。できるだけ家で過ごせるようにしたいんですよ。動物にとっては、家と飼い主さんのもとが一番ですからね。より良い治療法があるなら、ご相談のうえ、大学や専門医の紹介もしています。

治療には様々な選択肢がある。治療費の問題こそ、ぜひ相談してほしい

先生は外科治療がお得意なのですか?

大学で研究室は外科でしたので、すぐに治すことが可能な外科手術は基本的に好きです。脊椎や眼球の手術など、特殊なものを除いては院内で行います。しかも、きれいに治すことに燃えるタイプなんです(笑)。外見はもちろん、体の中こそ美しく治したいですね。例えば、かすかな靭帯1つでも壊したくありませんし、切ってもさしつかえないとされている組織でも、残すように努力します。身体機能に関するものならなおさらで、例えば足の治療では、こう処置をすると足の動きがどうなるかということを確認しながら手術を進めます。「この子は、この先ずっとこの体で生きていくのだ」ということを肝に銘じ、執刀しています。

事前検査がとてもしっかりしていると伺いました。

はい。それも当院の特長ですね。年齢や手術目的により、手術前には動物を半日お預かりして、レントゲンや超音波で手術が最善の方法であるか、全身の状態や腫瘍の転移の有無をわかる範囲ですが確認し、手術の安全性を高めています。一度に手術できるメリットもありますが、より緊急性のある病気がないかを調べる必要があります。実際、1頭の犬に3つの腫瘍が別々の場所に見つかったケースもありました。人間は高齢になると腫瘍の進行が遅くなるといわれますが、犬や猫は逆に抑えがきかなくなって、複数できて進行も早くなるんです。

動物の治療は、医療費が心配という飼い主さんも多いのでは?

そうですね。「医療費のことを気にしたら、獣医さんに悪い飼い主と思われるかも……」と悩み、何も言えない方も少なくないと思います。でも、そんな心配はしないでほしい。飼い主さんのなかには、さまざまな事情でペットにあまりお金をかけられない方もいます。それは責められることではないでしょう?だって、飼い主さんの生活がしっかりしていなければ、動物も幸せではありませんから。私は治療費の問題こそ、ぜひ気軽に相談してほしいと思っているんです。治療にはいろいろな選択肢があります。例えば、動物がそれほど苦しんでいなければ、治療しないことも1つの選択肢。お金をかけられないなら、かけられる範囲でどのような治療法があり、どうすることが動物にとって最良なのかを、一緒に考えさせてください。飼い主さんと動物の双方が幸せになれる治療を見つけましょう。

診療のなかで印象に残っていることはありますか?

ある猫が当院で亡くなったとき、飼い主さんが仕事の都合で臨終に間に合わなかったことがありました。1時間後にようやく到着されたとき、その猫が口を開けたんですよ。死後硬直なのでしょうが、パクパクと、まるで話をしているように口が動いたときは、とても驚きましたね。また、飼い主さんの海外勤務のあいだご家族が面倒をみていた犬が、たまたま飼い主さんが帰国されている間に亡くなったこともありました。私は霊的なことは信じない人間ですが、こうした体験を重ねていると、動物は人間がはかり知れないものを持っていて、自分の死期を調節できるんじゃないか……とまで思ってしまいます。人間である私にもできるかどうか、自分が死ぬときに試してみたいと思っているんですよ(笑)。

動物の病気はつらい。でもそれは飼い主と動物が濃密でいられる時間

どのようなお子さんでしたか?

子どもの頃から動物が好きで、犬が飼いたかったのですが、親が許してくれなかったんです。「お金がかかる」とか、「結局面倒を見るのは私たちだ」と言われてしまって。犬を飼うことは許してもらえませんでしたが、本は好きなだけ買って貰え、本ばかり読んでいる子でしたね。印象に残っているのは、森鴎外の『高瀬舟』。病気の弟が自殺をはかって失敗し、兄に殺してくれと頼むお話ですが、今思うと、安楽死問題を扱った作品なんですね。これを初めて読んだのは小学6年生のときでした。より良い生命の質を考え続ける、現在の自分をつくった1冊だと思っています。でも当時は、父が学校に呼び出されて、「娘さんは難しい本を読み過ぎる」と注意されたんですよ。「そんなことはありません」と先生に文句を言ってくれたそうです(笑)。

獣医師を目指されたのは、いつ頃からだったのですか?

家族に犬を飼うことを反対され、子どもながらに考えた末、「獣医さんになれば犬が飼える!」と思いついたんですよ(笑)。本気で考え始めたのは高校2年生の頃で、麻布獣医科大学(現:麻布大学)に進みました。研究室では最初に外科を学び、もっといろいろ知りたくなって、修士課程まで進んで内科も学びました。当初より、総合診療が好きなんです。大学時代は楽しかったですよ!友達が寮に現れた大きな蛇のアオダイショウを学校へ持ってきて、「ほら、心臓が動いている」と、みんなで喜んで蛇の心臓のドキドキを触っていたことがあります。授業にドーベルマンを同伴してきた子もいましたね。私もついに念願の犬を飼い始め、しかも自分で繁殖させていました。開業してからは、赤ちゃん犬にミルクを与えながら、夜中の研究会に参加していたこともあります。子連れ参加ですね(笑)。

現在も犬を飼っているのですか?

大学時代にヨークシャーテリアを飼い始めて、病院で飼っている犬2頭、猫2頭のほかに、自宅で代々血のつながったヨークシャーテリアを飼っています。自分で繁殖させると、興味深い発見もたくさんあるんです。それまで甘えん坊だった子が、出産したとたん私に噛みついたときは、本能ってすごいなと感動しました。親子である2頭を飼っていたこともありますが、娘犬が出産したときに、母犬が娘を押しのけて生まれたばかりの赤ちゃんを奪おうとしたことがあって。これは、私自身が出産したときにとても参考になったんですよ。母が私の子育てについて多少理不尽なことを言っても、「あのときのおばあちゃん犬と同じだ」と思ったら、イライラせずに受けとめられたんです(笑)。

今後の目標と、飼い主さんへメッセージをお願いします。

これからも、自分が大切なペットを連れて行きたいと思うような動物病院づくりを念頭に、きめ細やかな診療を行い、設備も充実させていきたいですね。そして、若いスタッフたちに頑張って育っていってもらいたい。彼女たちを育てることも、私の大事な仕事です。ペットが病気になると、それが重い病気であればあるほど、飼い主さんは悩み、つらい思いをされますよね。でもその時間は見方を変えれば、実はとても良い時間なのではないかと私は思うんです。飼い主さんと動物が深く信頼しあい、一生のうちに、こんなに濃密な時間を過ごせることは、なかなかないのではないかしら。できるだけ動物が家で家族と過ごせるよう、精一杯サポートしていきます。気になることがあれば、ぜひ後悔されないよう、早めに当院へご相談ください。

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