大きな窓ガラスが印象的な、モダンな建物の1階にある「緑ヶ丘どうぶつ病院」。庭にも院内にも緑があふれていてとても気持ちがよく、病院とは思えないほどおしゃれだ。もともとは喫茶店だった建物を、外観はそのままの状態で使用しているという。院長の松本渉氏は、横浜と札幌の動物病院でそれぞれ4年ずつ勤務しながら研鑽を積み、地元である神奈川県に戻って開院。日頃から患者や飼い主とのコミュニケーションを大切にし、その明るく気さくな人柄に、犬や猫、小動物を連れてくる飼い主が後を絶たない。松本院長は神奈川県獣医師会や相模獣医師会などで活動し、地域への貢献にも力を入れている。
(取材日2015年7月2日)
―大きなガラス張りの窓が、とても印象的ですね。
ありがとうございます。ここはもともと喫茶店で、建物にはほとんど手を入れずに使わせていただいているんですよ。通りに面している大きな窓も、飼い主さんにとって中が見えた方が入りやすいのでは……と思ってそのままにしました。院内は間仕切りしていますが、上の方は少し空けて完全な個室ではありません。プライベートな空間を作るよりも、開放的な感じを大切にしたくて。時には大きな声でお話しすることもありますが、それでも飼い主さんにお越しいただけているということは、このスタイルで良かったのだろうと思っています。
―クリニックを開院されるまでの経緯について、教えてください。
横浜市南区にある動物病院で、4年間お世話になりました。そちらは犬や猫、小動物まで診る大きな動物病院で、ゆくゆくは開業したいと思う方が勤務しながら経験を積ませていただいている感じでしたね。院長先生はとても熱心な方で、手技だけでなく、獣医師としての姿勢や理念、飼い主さんとのコミュニケーションの仕方についても学ばせていただきました。また、非常に忙しい病院でしたので、当時は相当大変な思いをしたのですが、おかげでさまでかなりタフになりました。その後、札幌の犬猫病院で4年間お世話になりました。私を含め数人の医師たちがそれぞれ担当を持ち、最初から最後まで任せていただきました。例えば腫瘍を見つけた際は、治療計画や検査についてなどできるかぎりのことを担当医が診療し、難しい手術の場合は外科医として有名な院長先生にしていただくという感じでしたね。一人で全ての診療にあたるという経験は、開業するにあたってとても役に立ちました。その後、当クリニックを開院した次第です。
―当地で開院された決め手は、どのようなことでしょうか。
出身地の神奈川県内で開院したいと思い、同じく獣医師である妻と一緒に探しました。地図を見ながら動物病院があまりなさそうな地域を探していたのですが、座間に住んでいる弟から「座間はいいよ」と聞き、実際に住んでみてから当地に決めました。横浜の病院でお世話になっていた時は非常に診療する数が多く、1件につき3分くらいの診療だったので、開院1日目の朝9時にお越しいただいた飼い主さんにもいつも通りの診療をしてしまいまして。後から妻に「そんなに早く終わらせる必要はないんじゃないの」と言われて、反省しました。それ以来、飼い主さんとじっくりお話しをするようになりました。座間に住む皆さんは、温かい方が多いですね。飼い主さんが育てたというお野菜をいただいたり、昔はこんな感じだったんだよと歴史について教えていただいたり。私は飼い主さんとおしゃべりすることが好きなものですから、ついついお話が弾んでしまって(笑)。飼い主さんが多くお越しの時には、お待たせしないよう気を引き締めています。
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