松村肇院長が、浦安に一目惚れして開院した「ウォルフィー動物病院」。震災の経験を経て、今もなお、地域に密着して診療。患者のほとんどがクチコミによる来院というところにも、住民から寄せられる信頼の大きさが伺える。診療を行う松村肇院長と松村まどか先生夫妻は、プライベートでは、クリニックにも顔を出すダックスフンドの「マック君」の他、2人の子どもの子育てに奮闘中とのこと。「マック君」は、患者さんに道中で助けられ、同院へたどり着いたといい、今や看板犬として知られている。そんなエピソードにも、人と動物の絆を感じられた。今回、松村肇院長と松村まどか先生に動物の診療に対する思いをたっぷりと聞いた。
(取材日2016年10月3日)
―獣医師になろうと思ったきっかけは何ですか?
【肇院長】小学生の頃に飼っていたモルモットが亡くなった時に動物病院にお世話になり、そこで獣医師の仕事に感銘を受けました。しかし、父が当時ではまだ珍しい介護医療に携わる理学療法士で、その父と同じ道を辿ってほしいという両親の思いを知っていましたし、僕自身、反抗期だったのもあり自分の夢を言い出せず、一浪が決まってから思いを両親に打ち明け、その後進学に至りました。入学した当初は人と接するのが苦手だったのですが、獣医学部の学生の集うサークルに入ってから人付き合いの楽しさを覚え、人に貢献できる仕事をしたい、と思うようになり、地域密着型の動物病院の開院をめざしました。
【まどか先生】飼っていたうさぎが亡くなった時に、自分で動物の面倒診るだけでなく、治療もしたいと思ったのがきっかけです。大学卒業後、私と院長はそれぞれ別の場所に勤めていました。
―開業する場所として、浦安を選んだのはなぜでしょうか?
【肇院長】妻が千葉県の出身なので、妻と妻の家族の元へ向かうのに京葉線に乗っていました。その時、車窓から眺める浦安の景色があまりに美しく、東京で生まれ育った僕にとても新鮮に映ったんです。それで浦安にクリニックを開きたいと思い、この地で開業を決めました。
―実際に開業してみていかがですか?
【肇院長】浦安で開業してよかったな、と今も思っています。その一つに震災での出来事があります。場所によっては浦安も大きな被害を受け、その影響で人口が外へ出ていき、正直、僕たちの頭にも移住がよぎったこともありました。けれどこの地区の多くの人たちはここに残りました。住民の方たちが互いに助け合う姿やその温かい気持ちを間近にして、この地を選んでよかったなって心の底から思いましたね。また、近くに僕たちの尊敬する獣医師会の先生たちがいらっしゃるのもとても心強く、恵まれた環境で診療できることに感謝しています。
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