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桑島 智 院長の独自取材記事

くわじま動物病院

(船橋市/大神宮下駅)

最終更新日: 2023/01/22

船橋市民に古くから親しまれてきた船橋大神宮。そのすぐ裏手の沿道にあるのが「くわじま動物病院」だ。2015年から院長を務める桑島智先生は、先祖代々獣医師を務める桑島家の第22代目。子どもの頃から待合室で動物たちと遊んでいたという桑島院長は、飼い主たちからの信頼も厚く、「治療はまかせるよ」と言われることも多いと話す。それゆえにプレッシャーも強く、自身の診断や検査、治療法などが本当に良いのかどうか熟慮しながら、飼い主と動物が幸せになれるよう、適切な獣医療の提供に努めている。「もともと私は心配性なのでしょう、時々胃が痛くなることもありますね」とにこやかに話す桑島院長。その姿からは代々続く獣医師として、真摯に獣医療に向き合う姿勢が感じられた。 (取材日2016年7月12日)

中学2年の時に小さな命の重さを実感して獣医師に

桑島院長は22代目とお伺いしました。

はい。私の家は先祖代々獣医師で、慶応年間に作られた家系図によると、初代は遣唐使として唐にわたった肥後の国の平仲国と伝えられています。仲国は唐で馬師皇に馬医としての術を師事して針、灸を学び、帰国後に諸国に広めました。戦国時代に仲国の末裔である藤原仲時の時に姓を桑島に改め、桑代流としてその技術を継承してきました。私は仲国から数えて22代目となります。祖父の代では、ここで牛馬に蹄鉄を装着する蹄鉄師を兼ねた大動物を中心とした獣医業をしていました。船橋はかつて宿場町として栄えた時代があり、病院の前の道路は成田山へ続く街道だったのですね。ですから街道を行く馬の蹄鉄の装着の仕事もしていたようです。父の代からは、犬や猫などの小動物を診療する動物病院となっています。

獣医師になられたのは、宿命といいますか、ごく自然の流れなのですね。

子どもの頃から病院の待合室で飼い主さんとおしゃべりしたり、動物たちと遊んだりしていましたから。飼い主さんから「大きくなったら診てもらおうね」などと言われたことも多かったので、いつの間にか刷り込まれたのかもしれません(笑)。そんな中、大きなきっかけとなったのが、中学2年の時の出来事です。膀胱結石による排尿障害で苦しんでいるミニチュアシュナウザーが手術によって劇的に改善した姿を目の当たりにしました。その後の経過もずっと見ていましたし、最期を看取ってお通夜まで参加しました。その時にペットの存在の重要さや小さな命の大切さを実感して、獣医師になろうと決意しました。

こちらの動物病院の診療方針を教えてください。

ここに来る飼い主さんは、2代目、3代目の動物を飼われている方が多く、「治療はおまかせするよ、先生の思ったようにやってください」という方が多いのですが、そんな時でも症状や治療方法などについてよく説明するようにしています。基本的に、もしも自分が飼っている動物だったらこうする、ということをお話して、最終的には飼い主さんに決定してもらっています。最近、重要と思っているのは、高度医療をどこまで施すか、その見極めをしっかり行うことですね。高度医療が進展するのは良いことですが、高度医療によって飼い主さんの意図しない結果となり、次の動物を飼えなくなるというケースも時には見られます。飼い主さんの生活スタイルや生活環境もよく考慮しながら、飼い主さんに負担がかからないよう、どこまでの高度医療を提供するか、しっかり見極めてお話することが大切と考えています。

「切らない外科医」の教えを守り熟考を重ねて診療

ふだん心がけていることはどんなことですか。

東京大学の研修医時代に所属した外科研究室の恩師が退官する時に、「外科医をめざすなら切らない外科医になれ」という話をされたことを今でもよく覚えています。それは、本当に外科的療法が最善なのか、本当に内科的治療で治らないのか、内科の踏み絵を踏んでいるのか、そういったことをよく考慮せよ、と説いていると思います。実際に、外科疾患が内科的治療で治るケースもありますし、私自身、これまでの経験から外科の怖さもよく知っています。なので、ペットや飼い主さんにとって最適な治療法は何か、本当に外科的療法が良いのかを考え、外科手術を選択する場合はこんなリスクもあるということをはっきりお話しています。

そうなると飼い主さんとの信頼関係も重要となりますね。

多くの飼い主さんはリスクをお話すると驚かれます(笑)。でもそこまでご理解納得していただくことが大切です。私は、家族の中で、決定権を持っている方にお話することにしています。例えば家族4人で来院した場合、旦那さんと奥さん、どちらの意見が通るのか、すぐに決められない場合は、家に持ち帰ってもらい相談して決めてもらう。そして決定した内容はよく覚えておくようお願いしています。後々、こうして欲しかったなどと後悔してほしくないからなのです。

ところでこちらの診療動物で多いのはどんな動物ですか。

犬、猫、フェレット、ハムスターが中心ですが、比較的猫が多いですね。私も猫が好きで、このクリニックでも「マツコ」という猫を飼っています。猫を飼っている方は繊細な方が多く、私もそうした性格なので、飼い主さんたちとの相性が良いのかもしれません(笑)。フェレットはクチコミで来院することが多いですね。

飼い主さんとペットの高齢化が進んでいますが、どのような疾患が多く、どんな対応をされていますか?

肝臓、腎臓などの代謝疾患、心臓病などが多いですね。最近では50代くらいの飼い主さんが家族とペットの両方を介護しているというケースが増えています。飼い主さんはとても大変だと思いますが、動物の状況については事実をきちんとお話しして現実を受け止めてもらうようにしています。これまでペットと暮らした時間を考えれば、楽しく過ごした時間のほうが長いのですから、その楽しかった時間を思い出してもらうようお話しています。犬と義理の親では犬のほうに心が入ってしまうという方も中にはいらっしゃいますね。ですが、ペットにそれだけ優しく介護できるということは、ご家族の方にも同様に優しく介護なさっていると思います。そして動物の最期は必ず家族に看取ってもらうようにしています。家族がそばにいないのはつらいですから。

決して諦めることなくできる限り手を尽くす

二次病院との連携はどのような体制になっているのですか。

東京大学の附属病院に依頼する場合が多いですね。ほかに川崎にある日本動物医療救急センター、ER文京などです。数多くの先生方との横のつながりがありますので、紹介する場合は、どこそこ病院ではなくて、この専門であるこの先生に、とお願いしています

これまでで何か心に残るエピソードはございますか。

さまざまな臨床を経験していますが、つらい思いをしないと良い診察はできないと感じることも多かったですね。そして諦めないことの大切さも実感しています。つい二日前に、殺鼠剤を食べてしまい中毒を起こした猫が3匹運ばれてきました。2匹の救命はできなかったのですが、1匹は酸素室での治療でかなり回復しました。黄疸が出ていたので飼い主さんも諦めていたのですが、その回復の速さに驚いておられました。決して諦めることなく、できる限り手を尽くすことの大切さを、今、改めて感じています。

ところでお休みの日はどのようにお過ごしですか。

愛犬と散歩に行きます。あと、サッカーが好きなので、子どもたちと一緒にサッカーの試合を観戦しに行くことが多いですね。最近はまっているのが燻製作りです。リラックスして過ごしています。

では最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

獣医師という家業を継続できるのは、これまで長きにわたって飼い主さんとの信頼関係が築かれてきたこそのことだと思います。継続は力なりという言葉がありますが、これからも地域の飼い主さんたちに真心のこもった獣医療を提供していきたいと思います。そして飼い主さんたちには、ペットの異変に早く気づいていただきたいと思います。例えば鼻や目などの開口部に異変がないかどうか。人間が鼻水出していたら風邪かな、と思うように、ペットたちの目や鼻、肛門などをよく見てください。体重の変化も体調と深い関連がありますので、こまめにチェックしてください。そして何か心配なことがあれば早めに受診してください。

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