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福島 潮院長、福島度義先生の独自取材記事

鎌倉山動物病院

(鎌倉市/鎌倉駅)

最終更新日: 2023/01/22

眼下に古都鎌倉の街並みと相模湾を見下ろす鎌倉山山頂、豊かな緑に囲まれた絶好のロケーションに「鎌倉山動物病院」はある。鍼灸を獣医療に取り入れた草分的存在である福島度義獣医師が1966年にはじめた「フクシマ獣医科医院」を、息子である福島潮院長が引き継いだのが2006年。先進の設備や新しいスタッフも導入し、「鎌倉山動物病院」として、現在の形で再スタートさせた。広大な敷地にゆったりと配置された院内は、自然光がやさしく入る居心地の良い空間。決して広くはない待合室では物足りない動物たちは、広い庭で待ち時間を過ごすことも多いという。先端医療と東洋的な伝統医療のコラボレーションが魅力の医院について、先代院長、現院長の2人から話をうかがった。 (取材日2015年10月9日)

半世紀前に始まった歴史ある動物病院を、2代目院長の手で新しい形に

歴史あるクリニックを現院長が継承されたとか?

【潮院長】はい。もう50年近く前に父がはじめた「フクシマ獣医科医院」を10年ほど前に引き継ぎ、「鎌倉山動物病院」として新しくスタートさせました。院内をリニューアルして新しい設備を導入。新しいスタッフにも加わってもらいました。伝統的な東洋医学と西洋医学を融合させる父の医療は続けてもらいながら、もう一つの柱として、先進の技術と知識、設備を活用した高度医療もご提供しています。 【度義先生】もともと親戚の別荘があったことから、この場所での開業に至りました。開業当時はこことは別に由比ヶ浜にも診療所を設けて、2つの医院を行き来して診療していました。現在のように自家用車も普及していない時代ですから、このような山のてっぺんまでペットを連れて来ていただくことは困難な状況で、毎日10〜20件もの往診を行っていました。ちょうど開業から40年が過ぎた頃、獣医師として一人前になった息子に医院を継承。私は顧問獣医師の立場で午前中を中心に診療を担当するという現在の形に落ち着きました。

院長が獣医師をめざされたのには、やはりお父さまの影響が?

【潮院長】子ども時代から往診で夜遅くまで飛び回っている父の姿を目にしていましたので、「獣医師というのは大変な仕事だな」という印象を強く持っていました。そのためか、はっきりと獣医師を志したのは具体的に大学進学を考えるタイミングである高校2年も半ばの頃と、ずいぶん遅めでした。ただ、常に身近にいた動物が大好きだというのはありましたし、幼い頃から動物の出産に立ち会うなどの機会も多く、獣医療に興味が深かったというのは事実です。特に父から獣医の道を勧められたという記憶はありませんが、そうした意味での影響は少なからずあったのかも知れません。 【度義先生】直接「獣医になれ!」と言ったことはなかったように思います。だから、大学受験を目前に控えた時期に獣医師志望であると聞かされた時には、「今からじゃ遅いだろ」と苦言も呈したものです。私が進路を決定したのは、もう少し早い時期だったように思いますから(笑)。

度義先生が半世紀前に獣医師を志されたきっかけは?

【度義先生】ブラジルで牧場を経営したいと思い、そのために獣医学を学ぼうと思いました。ちょうど進路を考える時期だった高校時代に、偶然ニュースで「肉体労働に従事する移民労働者には、腰痛や神経痛が多い」ということを知り、それならそうした痛みのケアを同時にできる技術を持っていた方が新天地でも受け入れられやすいんじゃないかなと。そんな考えから、獣医学科で学びながら、並行して鍼灸を学ぶ学校にも通うことにしたのです。その後、縁あって小動物医療の道へと進み、開業に至りました。人間への施術を目的に習得した鍼灸ですが、犬や猫にも生かせるのではないかと試みるうち、日本では先駆的だった動物への東洋医学的診療を手がけるようになったのです。

全身の病が表れることも多い目の症状を、「獣医眼科専門」の目と腕で的確に診療

院長のご専門分野は?

【潮院長】私自身は大学病院で長く眼科の専門診療にあたっており、比較眼科学会の「獣医眼科専門医」認定も受けていることから、特に眼科領域では近隣の多くの動物病院さまから患畜をご紹介いただくことも多くあります。現在、2人の勤務医と診療にあたっているのですが、私が診る動物の約8割は眼科疾患の症例です。 【度義先生】医院継承にあたって院内を大幅にリニューアルし、手術用顕微鏡や超音波などの先進機器も多数導入したのです。私の時代からすると考えられないことですが、現在の医療では従来では経験を養って診断していたところも、病気を実際に見ながら診療できるようになりました。

犬や猫の眼科疾患というとどのようなものがあるのでしょう?

【潮院長】加齢による白内障や緑内障、または角膜疾患などが中心ですね。こうした眼科症状を見逃して視力を失ってしまうペットも多くいるのですが、早期に発見して適切な治療を行えば防ぐことができます。実は獣医学において眼科領域は比較的後進の分野。十分な眼科知識を有した獣医師が増えていくのもまだまだこれからです。目の充血や炎症、いつもと異なる行動などが気になったら、早めに眼科専門医のいる医療機関を受診していただきたいと思います。全身に関わる大きな病気が、目だけに症状を現すことも多くあるんですよ。

目に症状が出る全身疾患とは、具体的にどのようなものが?

【潮院長】糖尿病や高血圧、感染症などの疾患で、目に充血や炎症などが表れるケースは多くあります。目の異常というと「年をとったから仕方がない」と放置してしまう方が飼い主さんはもちろん、一般の動物病院の先生にもたくさんいらっしゃいます。すぐに受診をすれば改善することができることも多いので、セカンドオピニオンとしてでも結構ですので、諦めず早めに受診をしていただきたいものです。

度義先生は現在午前中中心とのことですが、どのような診療を担当されていますか?

【度義先生】長くおつきあいのある方を中心に、ご要望に応じて対応させていただく形で、東洋医学を取り入れた診療を行っています。内股動脈による脈診で治療法を決定し、鍼や灸を使った経絡治療を行います。そのほか、動物用ソフトレーザー治療器やパルス治療器などを使うこともあります。午後は人間相手に鍼灸治療を行っているのですが、人間と動物を交互に診ることで、不思議と脈診が人・動物ともに明確に判る効果があるように思います。動物への鍼灸治療というと「痛いのでは?」「暴れるのでは?」といった不安を持たれる飼い主さんが多いのですが、痛みはほとんど感じませんし、副作用もほとんどありません。施術を受けることで代謝が良くなり、鼻水やよだれをたらしながらリラックス状態で寝てしまう子も多くいるほどです。

地域に根ざした動物病院だからできることを大切に、動物本位の診療を

診療において大切にしていらっしゃることは何ですか?

【潮院長】私が以前勤務していた北里大学の動物病院と個人開業医では、求める医療が大きく異なります。最先端医療の実現を目指す大学病院では、どうしても医療分野への貢献という視点もあり、状態を問わず1日でも長く生かす医療を求めがちなのに対して、地域に根ざし、ペットや飼い主さんと密に接するこうしたクリニックでは、ペットと飼い主さんの視点に立った医療を提供することができます。いよいよ最期を迎えるという時には、治療は最低限に抑えてペットと家族が穏やかに一緒の時間を過ごすことをご提案するなど、ペットと飼い主さまの気持ちに寄り添った医療を大切にしています。また、飼い主さんが納得して治療に迎える体制を整えるために、模型や図、写真などを活用して、理解していただくように心がけています。 【度義先生】私は人、動物に関わらず、患者さまの体に優しく、それでいてメリットのある診療をしていきたいと考えています。がん治療ひとつとっても、抗がん剤で体を痛めつけるのではなく、自分自身の本来持つ力を最大限に引き出す方向で、人生を全うしていただきたいのです。ベッドの上でただ生きて、チューブで栄養補給するような治療だけではなく、QOLを高める治療をご提案したいですね。

今後この医院をどのように展開していきたいですか?

【潮院長】人間、動物に関わらず、医療の発展により診断・治療はどんどん深まりを見せています。昔なら諦めるしかなかった症状でも、治る可能性がある時代なのです。当院では眼科という専門性を基盤に、地域のネットワークを大切にしながら、地域の動物医療全体の底上げにつながる診療をしていきたいと考えています。また、そのために施設のリニューアルも考えています。鎌倉山という土地柄、規制が厳しくなかなか実現に至るのが難しそうなのですが(笑)。

ペットと暮らすオーナーさんにひと言メッセージをお願いします。

【度義先生】私が獣医師になった当初に比べると、ペットを取り巻く環境は大幅に改善されています。また、ペットのためを考えた飼い方をされる、優等生的なオーナーさんがほとんどで、これは昔に比べると大きく異なり本当に理想的なことです。当院では、そうした意識の高いオーナーさんのご要望に応えるため、利益本位ではない、長い目で見て有益な診療をご提供しています。なにか少しでも気になることがあれば、ぜひ一度ご相談ください。 【潮院長】ペットを大切にするあまり、飼い主に対して優位に立つ、いわゆる「お犬さま」状態になっているペットを見受けることも。このような子は、いざ治療や薬を与える必要が出てきた場合、威嚇をしたり、咬みついたりと検査や治療に非協力的なため、何もしてあげられないまま症状が悪化していくことがあります。当院では必要に応じてしつけ教室やトレーニング法をご紹介したり、その子に合った手術方法(治療方法)をご提案しております。ペットの病気を治したり症状をやわらげたりすることで、ペット自身だけでなくご家族の皆様も幸せに思っていただけるような医療をめざしております。

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