鶴間駅より徒歩3分。明るいベージュのタイル張りビルにグリーンのロゴが分かりやすい「もり犬猫病院」。開業は2001年だが、2015年秋に内装を全面リニューアルしたとの事で、吟味して選んだという明るい木目のインテリアが目に優しい。「動物もですが、病気の子を連れてきている飼い主さんにも落ち着いていただけるような環境にしたかったんです」と院長の森久也先生は優しく語る。話好きだと公言する森院長に、犬猫ならではの診療や飼い主への気遣いなどについて聞いた。
(取材日2016年2月16日)
―獣医をめざされた経緯を教えていただけますか。
小さいころから動物好きでしたが、家が飲食店だったので、亀やハムスターなどしか飼えなかったんです。小学4年生の頃に引っ越しをしたので、念願の犬も飼えるようになりました。しかし、高校に入った頃、飼っていた犬をフィラリア症で亡くしてしまったんです。もっと何かしてやれたのではと、ものすごく後悔しました。また、その頃学校の勉強は苦手だった私ですが、生物だけは授業がとても面白く、のめり込んだんです。教科書を次々と読み込んで、クラスメートに遺伝の講義をしたりしていました(笑)。その勉強熱と、愛犬を死なせた後悔が重なって、獣医を志すようになったんです。
―そうして始めた獣医学の勉強は、いかがでしたか?
とても面白かったです。好きな生物以外にも、化学や物理など勉強しなければなりませんでしたが、獣医になる目的があるから頑張れました。ただ当時は、実習や動物の飼育などで忙しく、なかなか家には帰れませんでしたね。動物一色の生活で、夏休みには北海道の育成牧場でサラブレッドの世話もしたんです。ちょうど先輩が地元の獣医師のもとでバイトしていて、診察見学もさせてもらいました。卒業後には、まず若いうちに外科で手術を多く経験しようと、約10人も獣医師がいる犬猫病院で勤務しました。3年ほどで、また別の経験を積むべく獣医師が3人程度の個人病院に移りました。勤務医時代の経験が今のクリニック運営に生きています。
―それで、いよいよ開業ですね。
二つの病院でいろいろと経験し、2001年に31歳で開業しました。鶴間にしたのは実家に近く、土地勘もあったからです。この場所は駅からも歩いて3分ほどで、十字路に位置するため分かりやすいと言われます。患者さんは近隣がほとんどですが、飼い主さんのクチコミや、看板を見て来られる方が多いですね。この鶴間の辺りは、横浜・渋谷・新宿の3方向に出やすい交通の要所のベッドタウンで、お勤めの方も多いため、夜は少し長めに20時までの診療としています。地域柄、意識の高い飼い主さんが多いので、例えばホームドクターとしては二次診療機関への紹介も大きな役割ですが、そうした高度医療の必要性をお伝えするとすぐに行っていただけるのは有難いですね。
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