茅ヶ崎市ひばりヶ丘、海岸線に並行して走る「桜道」沿いにある「ララペットクリニック」に訪問した。出迎えてくれたのは常松邦俊院長と看護師を務める院長の妻、そして黒く豊かな毛並みが際立つニューファンドランドの「ランちゃん」。犬は飼い主に似るというが、「ランちゃん」の柔らかな眼差しと優しい顔立ちは、確かに院長夫妻のそれに通じるものがある。いまでは多くの動物病院が並ぶ「桜道」のクリニックのなかでも、古くから地域ペットの健康に貢献してきた「ララペットクリニック」。長く愛されるその秘密を、院長のお話から解き明かしてみよう。
(取材日2016年10月18日)
―医院の特徴について教えてください。
ごく一般的な診療施設ですが、あえて言うなら飼い主さんにとって通いやすい動物病院をめざしています。例えば、フィラリアの薬を毎月取りに来ていただく際には、同時に簡単な診察を行っています。ペットも飼い主さんも年に1度のワクチン接種時のみのご来院では、この場所にもスタッフにも親しみを感じられないもの。それでは気がかりがあってもなかなか相談しづらいですよね。その点、毎月いらしていただければ、それだけで病院にも、私たちスタッフにも慣れていただけるのではないかと思っています。慣れることでささいなことも相談しやすくなる。さらには病気でなくても散歩ついでに寄っていただいて、ちょっとしたことを話していく。そんなアットホームな医院でありたいですね。当院では病気のことだけでなく、しつけやペットを尊重するための知識など、ペットとの暮らしを充実させるための、総合的なアドバイスも行っています。
―診療に際して心がけていらっしゃることは?
病態や治療についての情報提供はもちろん、飼い主さんの励まし役として前向きに治療と向き合っていただくためのお声がけも大切にしています。ペットにとって一番の看護師は飼い主さんです。一番身近でペットとともに病気に立ち向かう飼い主さんが、困った時に相談できる相手でありたいと思っています。獣医師だけではペットの病気は治せません。飼い主さんとチームとして病気と立ち向かう必要があるのです。
―治療における飼い主さんの役割は大きいのですね?
はい。そのため、理想の治療を進めるためには、それが飼い主さんにとって「ベストな治療」である必要があります。治療のスタンダードはもちろんありますが、そこに飼い主さんとペットの事情といったプラスアルファを加えて、オーダーメイドの治療を組み立ててこそ、「ベストな治療」となるのです。理想の治療は一つではありません。ペットの性格や飼い主さんの経済状況、ライフスタイルにおける時間的制約など、治療を選ぶ上で考慮すべき点はたくさんあり、ペットと飼い主さんの数だけ「ベストの治療」はあるのです。ペットにも、飼い主さんにも、決して無理をさせない治療。それが、当院の模索する「ベストな治療」です。
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