村上駅前という好立地にある「おくやま動物医院」は、奥山彰吾先生が院長を務める動物クリニック。犬と猫に分けられた待合室は色分けされ、猫の診察室には猫の時計が飾られるなど、おしゃれで明るい院内だ。奥山院長は勤務医時代より現在も診療の一環としてボランティア活動に協力し、野良猫の避妊・去勢手術を行っているといい、動物に対して熱いハートを持ったバイタリティーに溢れるドクターだ。開院してまだ間もないが、奥山院長を追って1時間以上かけて来院する患者もいるといい、地域での今後の活躍に期待がかかる。12月に開院したばかりのクリニックについて奥山院長の他、動物看護師の奥山美樹さん、トリマーの八角文子さんにも話を聞いた。
(取材日2016年12月17日)
―獣医師をめざしたきっかけは何ですか?
【奥山院長】小さい時に、飼っていた猫の具合が悪くなり、動物病院へ連れていったところその場で亡くなってしまい、その理由を自分でわかりたかった、というもどかしさに苛まれる経験をしました。それと、小学生の時に所属していたサッカークラブの遠征に行く途中で、車に轢かれ、怪我をして鳴いている猫を見つけたのですが、誰も助けようとせず、僕もコーチについてその場をあとにしなければならず、救うことができませんでした。そうした幼少期の思いが僕の中にずっと残っていたのが大きかったですね。実際、親が薬剤師で医療関係の仕事は身近にあったのと、僕自身、学生の頃は理科が得意だったので、自分に獣医師の仕事は向いているだろうと思い、めざすようになりました。
―いつか開業したいという気持ちがあったのでしょうか?
【奥山院長】幼少期に感じた思いを形にすべく、大学に入学した時から開業医をめざしていました。また、僕は犬猫の他に、うさぎ、ハムスター、カブトムシ、ヤドカリなど、さまざまな動物を実家で飼ってきて、動物が人を癒やし、家の中を明るくするのを身を持って感じてきました。その愛おしい動物たちを病気の時だけでなく、生涯を通して面倒を診ることにも獣医師としての意義を感じ、その役割を果たせるのは開業医だと思ったんです。そして、自分の考えるベストな診療法を実践するためにも、また動物病院は忙しいところですが、スタッフに長く勤めてもらえる環境を提供することも、飼い主さんと動物の幸せにつながると考え、開業に向けて準備してきました。
―その夢を若くして実現されたのですね。
【奥山院長】開業に向け10年の計画プランを立て、それに沿って実現することができました。ボランティアの方と協力し、野良猫の避妊・去勢手術を行ったりもしています。これまで培ってきた知識と経験があるからこそ、さまざまな病状に対応し、また、必要な医療設備も一通りそろえています。一方で、患者さんには経済的な負担をかけずに気軽に足を運んでいただきたいという思いから、当院ではハードルを低くして医療を提供しています。
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