江ノ島電鉄の江ノ島駅と湘南海岸公園駅、湘南モノレールの湘南江の島駅からそれぞれ徒歩約5分という位置にある「かたせ江の島どうぶつ病院」。院長を務める畑岳史先生は、幼少時代からさまざまな動物と親しみ、自然と獣医師をめざすようになった根っからの動物好き。そのため同院では、犬、猫のほか、うさぎ、フェレット、ハムスターなどのエキゾチックアニマルも幅広く診ている。獣医師であると同時に、この片瀬地区の住民でもある畑院長に開業の理由を尋ねると「いつもお世話になっている地域の皆さんに、僕が貢献できるのはこれ(医療技術)しかないものですから」と謙虚に答えてくれた。全範囲を完璧に診る獣医師をめざし、日々勉強にいそしむ畑院長に、さまざまな話を聞いた。
(取材日2017年7月24日)
―広々したすてきな院内ですね。こだわって造られている印象です。
飼い主さまや動物たちが自宅にいるようにリラックスできればいいなと期待して、全体的に一般住宅の内装をイメージして造りました。多くのご家庭でそうなっているように、当院の壁は白壁、床はフローリング……と言いたいところですが動物病院では清掃の関係で板張りが難しいため「フローリング風」の床にしています。僕がこだわったのは、待合室とトイレ、手術室です。来院された方に窮屈な思いをさせないためにも、待合室とトイレはできるだけ広い面積を取りました。その分、裏は狭くなってしまいますが、そこは飼い主さまたちを優先しています。それから、基本的に飼い主さまには診療室内に入っていただき、治療を一緒に見てもらうのが僕の方針で、手術にしても、立ち合いをご希望の方は見られるようにガラス張りにしました。
―来院するペットの特色、偏りなどはありますか?
前職の勤務先が地域猫の保護活動をしていて猫ちゃんがすごく多かったので、今はわんちゃんの方が多いなというのが第一印象。でも、客観的に見れば、猫ちゃんよりわんちゃんのほうが多い、一般的な動物病院の比率だと思います。わんちゃんでは、プードルや柴犬の飼い始めの若い子が多いですが、大型犬も増えてきました。持ち家の方、それも広い一戸建てのご家庭が多いからなのでしょう。症状としては、循環器科や腫瘍科の診療が比較的多いと思います。それから、エキゾチックアニマルの飼い主さまも多いですね。今のところフェレットはまだ来ていないんですが、うさぎ、ハムスター、ラットはよく来ますよ。特に最近は、ファンシーラットがホテルで来てとても可愛かったです。
―診療の際に心がけていることを教えてください。
一方的にしゃべるのではなく、料金も含めてきちんと説明し、必要性を感じていただいてから治療を開始するようにしています。まず、飼い主さまに納得いただくのが重要で、とにかく治せばいいというものではないと思っています。前の子の治療でのつらい経験や、症状が末期まで進んでしまっている子など、様々な状況がありますので、動物たちにとってはもちろん、飼い主さまにとってもつらい治療とならないように、しっかりと説明し、飼い主さまに寄り添いながら治療を決めていきます。「絶対に治療する」よりも、無理せずその子に合わせてケアしていくことが満足につながるのではないかと思います。僕はそこでその子に合った治療ができるように、学会にできる限り参加して勉強を続けています。
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