JR根岸線洋光台駅から徒歩数分。閑静な住宅地に「みうら動物病院」はある。オープンからもうすぐ1年半を迎えるフレッシュなクリニック。まだ新しい外観と院内はとても爽やかな印象。待合室には病気やワクチンなどのポスターは1枚もなく、動物病院然としていないので、初診でも親しめる雰囲気も嬉しい。院長を務める三浦誠之先生は、物心つくころにはすでに「動物病院のお医者さんになる」と決めていた生粋の獣医師。動物に対する愛情と治療の情熱に溢れた先生。眼科診療も行っており、ペットの目の病気についても安心して相談できるクリニックだ。また、犬や猫だけでなく、ウサギ、フェレットも診療対象としていて、特にウサギの治療実績は多く、周辺地区でウサギと暮らす人々からも信頼されている。クリニックの特徴や診療についてのこだわり、そして開院までの歩みなどいろいろとお話を伺った。
(取材日2013年7月23日)
―物心ついた時には、すでに獣医師を目指されていたということですが。
そうですね。ただ、きっかけというのははないんです。母によると、幼稚園に入園する前から「動物病院のお医者さんになりたい」と言っていたそうです。実家では犬、猫、ジュウシマツなどを飼っていたので、小さいころからたくさんの動物と接している環境ではありました。もちろん、私も無類の動物好きでしたし、医療や生物学に対しても憧れていた記憶がありますので、そういったことから自然と思い描いたのかもしれません。それから、ずっと、獣医師に向かって一直線。中学や高校生時代は、誰しもが将来の夢についていろいろと考えますよね。でも私は、獣医師になる以外の希望はなくて。実は、進学する大学も小学校のころに決めていたんです。小学校5年生のころ、動物園で動物とふれあう「1日飼育」という行事がありました。野毛山動物園だったのですが、係の人に聞いたんです。「動物のお医者さんにはどうやってなるの?」って。そしたら、「動物の勉強ができる大学に入って国家資格を取らないとなれないよ」と教えてくれました。そして、家に帰って母に相談したら、「この周辺だと麻布大学だね」と教えてもらって、進路を決めたという感じです。このように、動物との劇的なドラマがあったというわけではないですが、獣医師は天職だと感じています。
―2012年3月にオープンしたフレッシュなクリニックですが、開院の経緯をお聞かせください。
まず、小さいころから、開業医のビジョンを持っていたので、これまでの歩みはすべて動物病院を開業するための知識や技術を蓄えるものでした。大学時代では免疫、分子微生物、細菌の病原性発現について研究する微生物学を専攻していましたが、これは臨床では学べないことですので、獣医師となってからも役立つのではと考えてのことです。大学卒業後は3年ほど研修医として、麻布大学眼科専科でペットの目の病気に特化した診療をしてきました。当時、動物の目を診ることができる街の動物病院というのが少ないと感じていたのと、またその頃は自分も眼科について不得意な部分もあったので、開業するためには眼科を学んでおかなければと考えていたからです。動物の目を診れるというのは、このクリニックの特色のひとつだと思います。そして、約8年でしょうか、横浜市内の動物病院に勤務を経て、前年2012年に開院しました。
―ペットの目の疾患というのも多いのでしょうか?
ペットも長寿化していますので、増えていると感じますね。目がシュパシュパしているとか、目が開かないみたいといった症状で連れて来られます。また、白内障を患っているペットというのも多いんです。ただ、人間の場合は糖尿病や加齢からくる疾患というイメージが強いと思うのですが、動物の場合は遺伝による部分が大半です。人と動物で白内障の捉え方も違っていて、動物の場合、それ自体がというよりも、白内障が引き金になる緑内症やぶどう膜炎が怖い。なので、早期発見や予防というのは本当に大切なことです。研修医時代にも症状がかなり進行してしまったペットを見ていますし、目がおかしい気がするけど、どこに連れて行けば? と悩む飼い主さんも少なくないと思うので、予防線を張るというのでしょうか、眼病予防の重要性をアナウンスでき、ベストなタイミングで二次診療施設との架け橋となれる街の動物病院ということをコンセプトにしています。飼い主さんも、専門性をもったクリニックがあることをご存じないことも多々ありますが、横浜は、得意分野を持った先生同士でけっこう症例の紹介を行っておりますので、かかりつけの獣医師に相談して、主訴について専門性あるドクターを紹介してもらうのも良いかもしれません。
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