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鈴木 道夫 院長の独自取材記事

可愛動物病院

(横浜市青葉区/青葉台駅)

最終更新日: 2023/01/22

東急田園都市線青葉台駅から徒歩15分程度、閑静な住宅街の一角で、犬・猫・ウサギを専門に診察しているのが「可愛動物病院」だ。横浜市青葉台は院長の鈴木道夫先生の実家があり、1991年の開業から25年になる。子どもの頃から捨て犬や捨て猫を拾って来ては飼育していた鈴木院長にとって、獣医師は自然な成り行きで進んだ道程だったという。ところが開業15年目、通っていた犬の飼い主からの相談で、思いがけずウサギの診療を手がけることになった。ウサギブームの始まる前、専門家も情報も少ない中、「ウサギ」の文字を見かけると何でも首を突っ込んでみる生活が始まったという鈴木院長。今では他県からもウサギの飼い主が訪れる動物病院になった。そんな鈴木院長に、話を聞いた。(取材日2016年6月16日)

ウサギの繊細さを理解した、丁寧な治療

開院のいきさつと診療動物について教えてください。

僕はこの地域に40年住んでいて、実家もすぐ近くなんです。患者さんも、わんちゃんや猫ちゃんの飼い主さんは同じ青葉区内の方が多く見えますが、ペットの健康に対して意識の高い方が多いように感じますね。ウサギの飼い主さんは静岡や埼玉、遠くは長野からも来院されています。お問い合わせがあると、あまり遠くでは申し訳ないので、まずお近くの動物病院をご紹介するのですが、病気の大変な子、難しい症例の子は遠くからも来院されますね。

ウサギの診療が多くなったのはどういう事情でしょうか。

15年ほど前、愛犬を連れて通っている患者さんから「ウサギの繁殖と販売を始めるので、相談に乗ってほしい」と言われて、そのご縁で多くのウサギを診るようになりました。当時はウサギ専門の病院も、医療情報も大変少なかったのです。僕自身も、そこからウサギに関する文献をそろえたり、セミナーにも毎週のように通ったりと「ウサギ」と書いてあったらとりあえず全部触れてみて、だんだんわかってきたというわけです。ウサギについて詳しい獣医師や研究者も少なかった時代でしたから、わからないことが起きても誰に聞いたらいいのかさえわからない場合も多く、専門の先生のセミナーでは、かなりしつこく質問攻めにしてしまったこともありました(笑)

ウサギはデリケートな動物とよく言われますね。

確かにウサギは繊細な動物で、特徴を理解せずに医療処置をすると、悪化させてしまうばかりか死なせてしまうこともあります。例えば、デスクの高さから落ちたとき、猫はじょうずに飛び降りますし、小型犬でも普通は悪くても骨折くらいですよね。しかしウサギの場合、骨折ばかりでなく、落ちたショックや痛みにより亡くなってしまうことがあります。さらに、保定が悪いと精神的なショックで呼吸が止まってしまうこともあり、ウサギが嫌がらない丁寧な触診が重要なんですよ。麻酔にも弱く、規定量の麻酔を使っても、手術中に異常を起こすことがあります。だからこそ監視モニターで絶えず容体をチェックする麻酔係が必要となってきます。ですから、ウサギの病気についての知識はあっても、治療は自信がないと避けてしまう獣医師も少なくないのでしょうね。

鼻の利く動物たちに漢方を与える工夫

東洋医学と西洋医学を併用されているそうですね。

東洋医学としては、主に鍼灸と漢方を使い分け、処方や治療を行っています。鍼については、一番多いのは椎間板ヘルニアや関節炎など関節の痛みに対応するもの、それにじん帯損傷の術後の回復目的などですね。人間同様、鍼はすべて使い捨てです。犬猫の経絡(ツボ)を把握して、正しく処置をすれば痛みはほとんどありません。痛みに敏感な子については、レーザーを使って刺激します。こういった治療に西洋医学の治療を統合させて、検査治療を行っています。最初はだいたい週2~3回、治療が進むと週に1回など、間隔を開けていきます。おおむね1ヵ月くらいで改善が見られるようになる子が多いですね。ウサギについては痛みに弱く鍼はできませんから、レーザーのみの対応になります。

漢方についてはどうでしょうか。

漢方薬はにおいがあるので、鼻の良い動物たちにはわかってしまうんです。ご飯に混ぜたらご飯自体を食べなくなってしまうので、美味しいもので包んであげてもらうようお話しています。漢方を使うことが多いのは皮膚病で、薬用シャンプー療法やマイクロバブルによる洗浄をあわせて行うこともあります。マイクロバブルという細かい気泡が出るぬるま湯で汚れを落とすというものです。脂漏症や細菌性皮膚炎、アレルギーなどが原因となって荒れた皮膚の状態を改善に導きます。その後、飼い主さんのご希望や動物の状態に応じてアロマオイルなどでのマッサージもしています。

日頃、診療で気をつけていることはありますか。

飼い主さんの気持ち、希望を大事にして治療方針を決めていくことです。そのコの病気の状態により、治療方法をいくつかお伝えし、その中で「メリット・デメリット・おすすめの治療法」について飼い主さんとゆっくりお話しし、決めていくことを大事にしています。病気によっては飼い主さんがショックをうけて、こちらの説明が耳にはいらないこともありますが、こちらがお話ししたことのメモをお渡しし、家に帰ってから、ご家族のみなさんで話し合ってもらうことにしています。

様子見のつもりが手遅れにならないよう、早めの連絡を

獣医師の仕事を選んだ理由は何だったのでしょうか。

子どもの頃は捨て犬や捨て猫を拾ってきてしまう子どもだったのですが、育てていくうちに、次第に犬猫の病気にも関心を抱くようになりました。最初は臨床獣医師になろうというのではなくて、動物の病気について研究をしたかったので、役に立つことがあればと思って進んだのが獣医学科だったんです。卒業間近に一ヵ月ほどお世話になった動物病院の先輩獣医師たちの黙々と働く姿に感銘を受けて、研究職ではなくこの道に進もうと思いました。そして、僕もいつか開業しようと思うようになりました。

今後の展望を教えてください。

来年度、新病院を開設する予定です。今の病院で出来なかったことや将来にむけてやりたいことを盛り込んだ、設備の整った病院になります。例えば「診察室・入院室・ホテル」を「ワンちゃんルーム」「ネコちゃんルーム」「ウサギさんルーム」と動物種ごとに部屋を分けて、臭いや鳴き声などのストレスから解放された環境づくりをしていきます。また、「広くて清潔なドッグラン」も開設し、ホテルや入院中のワンちゃんがリラックスできるような環境になります。

充実した設備ですね。他にはどのような特徴がありますか?

設備以外では犬、ネコ、ウサギの特徴を熟知した専門的治療、処置、保定を行えるスタッフの教育を行っていきます。例えば、臼歯に問題のあるウサギでは臼歯カットを行いますが、カットだけではその後、痛みで全く食べなくなってしまう場合もあります。歯のカットの時、痛みどめの注射をうつだけで、その後の食欲低下や痛みに苦しむことを防げます。こういった大切な情報共有を週一回スタッフセミナーをひらいて、専門的技量向上のため行っていく予定です。また以前開設していた「飼い主さん向けのセミナー」も再開します。賢い飼い主さんになってもらえるようにちょっぴり勉強して頂きたいと考えています。

読者へのメッセージをお願いします。

ペットの体調が悪そうだと思ったら、様子を見ないでなるべく早めに電話を頂きたいです。緊急連絡先もお教えしていますので、とにかく変だと感じたら早めにご連絡ください。特にウサギの子宮内膜炎や子宮のガンは急速に悪化しますので、様子見しているうちに数日で亡くなってしまう場合が少なくありません。昔は「なんとなく体調が悪そうだったけど、仕事から帰って見たら亡くなっていた」こともよくありました。もちろんウサギだけでなく犬も猫も、予防と健診が大切です。少しでも気軽に健康診断を受けていただけるよう、定期的な検診キャンペーンや療法食の割引販売もしています。血液検査や、レントゲン検査でわかる身体の異常もありますから、ぜひ日頃から病院に親しんでいただきたいですね。

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