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武井 俊夫 院長の独自取材記事

武井ペットクリニック

(横浜市青葉区/こどもの国駅)

最終更新日: 2023/01/22

こどもの国駅から約1km。住宅地の大通り沿いに、明るいガラス張りの「武井ペットクリニック」がある。広い待合室は開放感のあるリラックスできる雰囲気だ。武井俊夫院長は子どもの頃から猫が大好きで獣医師を志したというだけに、その話からは動物に対する優しさや深い愛情が伝わってくる。小動物の初期診療を担当するかかりつけの獣医師として、何でも幅広く診療し、専門的に勉強している眼科では深く掘り下げた診療もする。また、動物の手術には特有の事情があるため、手術時には必ず血液凝固能を検査するなど、安全で安心できる医療の実現に心を砕いている。(取材日2016年1月21日)

気づきにくい動物の目の病気を深く学ぶ

この地で開業された理由を教えてください。

獣医学部を卒業後、小岩の動物病院で勤務し、院長から臨床の仕事を教えていただきました。独立しようと考えたと時、「恩師の近くで開業すると頼ってしまいそう」と思ったので、少し距離を置いた場所を選んだわけです。この地域は大学時代の友人がこの地域に住んでいたこともあり、よく遊びに来ていました。空が明るくて、自然の緑が多く、私は東京の緑の少ないところで育ったので、こういう街に憧れていたんです。

先生が獣医師をめざされた理由を教えてください。

実家でシャム猫を2匹飼っていたので、小さい頃から猫が大好きでした。父は医師なんですが、単純に「僕は猫のお医者さんになりたい」と思いました。今は、兄が父の後を継いでいるのですが、同じ道を行くとけんかしてしまうかもという思いもありましたし、父の弟も獣医師をしていましたから。実は私は一度、薬の開発者になりたいと考えて、大学は薬学部に入学したのですが、実際に研究者になれるのはごく一部に限られます。それで、やはり動物を診る仕事に就きたいと思って、次の年に獣医学部に入りなおしました。当院ではほとんど犬、猫を対象に診療しています。もちろん、一次医療を担当する動物病院ですから、来られれば鳥なども含めて小動物は何でも初期診療しますが、必要なときは適切に専門医に紹介しています。

先生は、動物の眼科診療を得意分野にされていると伺いました。

勤務していた小岩の動物病院の院長は、動物眼科に造詣の深い先生でした。私も眼科に興味が湧いてきて、数年毎に何回か専門のセミナーに通って勉強しています。動物の目の病気はなかなか気づきにくいものです。目が赤い、涙が出るといった症状があれば、すぐにわかるのですが、知らず知らずのうちに網膜が変性してしまうこともありますし、目の中に腫瘍ができてしまっていることもあります。専門の検査機器を用いないとわからないことも多いのです。犬はもともと夜行性の動物なので、本来は暗闇でも見える目を持っています。しかし、人間は明かりがないと見えないものと思っています。動物の目の異常は、夜盲、すなわち夜に目が見えないことから始まることが多いのです。ですから、「夜の散歩でどこかにぶつかったり、足を踏み外すようなことがあれば、目の病気のサインです」などとお伝えしています。

手術では必ず血液凝固検査を実施し、安全を確保

貴院で行う手術には、どんな特徴がありますか?

安全で確実な手術を実施する工夫を重ねています。例えば7~8年前から、手術の前には必ず血液の凝固能を検査するようにしています。人間と動物の手術の大きな違いは、人間は輸血が簡単にできるけれど、動物ではそうはいかないということなんですね。だから、これまであまり注目されてこなかったのですが、血液凝固の検査は重要なことなんです。子宮蓄膿症、悪性腫瘍などがあると、3割ぐらいは凝固異常を起こすというデータもあります。手術の方法も、超音波メスを用いれば、自然に血管が凝固するためより確実に止血できますし、縫合糸を使わないことで縫合糸によるアレルギー反応も防げます。また、患者さんの経済的な負担も考え、できるだけ局所麻酔で済むような方法を用いています。例えば、イボの治療に際してメスで切開するのではなく、炭酸ガスレーザーで蒸散する方法を用いれば、局所麻酔で行えるのでトータルの金額では負担は小さくなります。

日常の診療で心がけていることは何でしょうか?

まず、飼い主さんの訴えをよく聞くことです。異常が疑われたら「それをはっきりさせるには。こういう検査が必要です」と、納得いただけるまでお話しするようにしています。先日、高齢の猫なんですが、「涙がしょぼしょぼと出て、くしゃみが止まらない」と来院されました。かぜにしては少しおかしいと感じて様子を見ていたのですが、詳しくお話を聞くと、線香をたく部屋に猫の居場所が移ったというのですね。違う部屋に移したら、すぐに症状は治まったそうです。私自身はあまりしゃべる方ではないのですが、聞き役に徹していると、いろいろ話してくれますね。また、動物病院の多い地域ですから、初診の患者さんにはかかりつけ医があるかどうかお聞きします。そこが休みで当院に来たという場合には、その先生に行った処置の内容を伝えるようにしています。

これまでの獣医師経験の中で、印象深いエピソードがあればお話しください。

インフォームドコンセントの難しさを実感した経験があります。とても難しい症例で、できるだけ早く手術する必要があったので、「こういう状態ですから、まず手術が必要です」とご説明したのですが、飼い主さんが「それでは嫌です。『結果はわからないけれど、私は最善を尽くします』という言葉が聞きたい」とおっしゃいました。私はそのような気持ちで話したつもりだったのですが、伝わっていなかったのですね。改めて、言葉にしてお伝えしたら、ニコッと笑って「お願いします」とおっしゃいました。はっきりとした言葉に出さなければいけないと痛感しました。飼い主さんにとっては、その言葉が安心につながるのでしょう。

インターネット情報だけに頼らず、獣医師に相談を

休日は何をして過ごしていらっしゃいますか?

年にそう何回も行けるわけではないのですが、毎年、夏場には必ずキャンプに行っています。3人の息子たちを連れて、獣医師仲間と、キャンプに出掛けるのが何よりの楽しみです。もう10年以上続けていて、ここ2年くらいは山中湖に行きました。最近、テントを張るのは億劫になってきたので、コテージを借りて、野外料理をメインに楽しもうという感じですね。学生時代はバイクの同好会に所属して、モトクロスのレースに出たりしたこともあります。乗ることも好きでしたし、バイクをいじるのも好きでした。今もバイクはあるんですが、忙しくて面倒になってなかなか乗る機会がありません。

今後は、どんなことに取り組もうとされていますか。

今後もできるだけ技術を磨き、新しい知識を増やしていこうと思います。当院は初期診療を担当する動物病院ですが、やらなければならないことはたくさんあります。獣医師同士のネットワークに参加して、情報交換するのもその一つです。獣医師が、1つの症例にいつも1つの病気しか疑えないようでは、診断の精度が落ちます。ちょっと悩むような症例については、どんどん仲間内で情報交換して、精度を高めるようにしています。難しい症例に対しては、大学病院などの二次病院と連携して対応するようにしています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

最近は動物の病気に関しても簡単にインターネット検索ができます。ただ、検索して出てきた情報を信じ込んでしまって、誤った判断をしている方も多い気がします。それがずばり当たっていたら、「よく調べられましたね」で良いんですが、間違った方向で理解してしまっていたら、それを解きほぐすのは非常に苦労します。一度、そう思い込んでしまうと、自分の判断が正しいと言ってくれる先生を探して、あちこちの動物病院を回るような方もいます。インターネットの活字で見てしまうと、無条件に信じてしまいやすいのですが、大事なのは情報源の正確さです。そこはぜひ、注意していただきたいですね。そして、信頼できる動物病院の獣医師を見つけて、何でも気軽に相談していただければうれしいですね。

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