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藤井 俊幸 院長の独自取材記事

NEW TOWN犬猫病院

(横浜市都筑区/センター南駅)

最終更新日: 2024/08/05

横浜市営地下鉄「センター南」駅から歩いて5分ほど、美しく整備された街区の一角に「NEW TOWN犬猫病院」はある。ビビッドなイエローに黒や赤で院名を示したポップな看板が目印だ。ガラス張りのエントランスから院内に入ると、木製のベンチやカラフルなデザイナーズチェアが配されたスタイリッシュな空間。通りに面した窓から明るい光が差し込み、動物も人も心地良く過ごせそうだ。笑顔で迎えてくれたのは、藤井俊幸院長。「獣医師は数ある職業の中でも数少ない『ありがとう』と言われる仕事。少しでも役に立って『ありがとう』を集めていきたい」と話す。常にペットや飼い主と同じ目線に立った診療で支持されている藤井院長に、動物病院の特徴やめざす獣医療などを話してもらった。(取材日2023年2月15日)

20年となる診療を通し規模拡大と診療内容充実を実現

開院からもうすぐ20周年を迎えられるそうですね。

2004年に開院したので、来年でちょうど20周年になりますね。一人で始めた「NEW TOWN犬猫病院」ですが、診療の幅を広げるとともに規模も拡大し、現在は2拠点で診療にあたる動物病院に成長しました。スタッフも含めると2拠点合わせて20人弱にもなる大所帯となりますが、忙しく慌ただしいながらもみんな楽しんで働いてくれていて、和気あいあいとして雰囲気です。離職率も低いのもうれしいことですね。働きやすい環境づくりに時間をかけてきた成果と感じています。

20年間で大きく変わったことはありますか。

規模の拡大もそうですが、やはり診療幅が格段に広がっていることが大きな変化でしょうか。外科的処置やエコー検査などによる画像診断、内視鏡検査など、できることが増えました。臨床病理、各種外科、画像診断、神経科、眼科、皮膚科、整形外科等各分野のエキスパートの先生方を集めたリンゲルゼミというセミナーに参加したり、院内で症例検討したりしています。診療と並行して学ぶことは大変ですが、良い刺激を受けることができています。以前は二次診療施設に紹介せざるを得なかったケースも当院で対応可能となったり、ここで手術できなかった子も対応できるようになったりと、学びにより貢献できることも増えています。

分院があるのですね。

はい。当院では5年ほど前に古くなった機材を入れ替えたのですが、まだ使える機材も処分を考える必要があり、「これならもう一軒病院をつくれる」などと冗談を言っていました。ちょうどその頃、開院しないかとお声がけいただいたのです。土地勘もあり、スタッフからも前向きな言葉をもらったことから思い切って踏み出しました。

コミュニケーション重視のチーム医療で悩みに応える

診療について教えてください。

「やれることは何でもやる」ゼネラリストでありたいという方針です。そのためには常に努力を怠らず、「やれること」を増やすことも大切と考えています。皮膚症状や嘔吐・下痢といった消化器がらみの症状からがんまで、一通りの病気は診療してきていますし、二次診療施設や専門病院などとの連携もあり、ここで手に負えないと判断すれば、速やかに紹介もしています。また、病気の診断や治療はもちろんですが、子猫へのミルクのあげ方やトイレトレーニングの指導まで、ペットにまつわる困り事全般に対して、常に120%でお応えできる場でありたいと思っています。

チーム医療を実践する上で、大切にしていらっしゃることはありますか。

「獣医師だから偉い」という雰囲気は一切なく、フラットな関係で成り立っているチームです。医療技術について以外に私から声をかけることがあるとすれば、コミュニケーション面でしょうか。特に言葉遣いには気をつけるように日々声がけしています。例えば、生命を扱うわれわれが「とりあえず検査をしておきましょう」とか「○○の処置をしようと思います」などと言っては、飼い主さんは「とりあえず」や「思います」の部分に引っかかりを感じる方もいらっしゃるでしょう。検査にしても処置にしても「なぜ必要なのか」実施を決めるに至った根拠や意図を説明することが大切です。同じ検査や処置でもインフォームによっては、ご納得して受けてもらえる場合もあれば、逆に不信感を抱かれてしまうこともあるのでこの点は注意しています。専門知識をお持ちでない飼い主さんにもきちんと伝わるように伝えるべきであり、それが獣医師の信頼につながると話しています。

医療技術だけでなくコミュニケーションを大切にしていらっしゃるのですね。

当院はあくまで「NEW TOWN犬猫病院」であり、一人の獣医師が対応する私の病院ではありません。だからこそ、どの獣医師が対応しても一定の水準を保てるよう、意識を共有する必要があります。もちろん、技術的に必要な部分は互いにサポートし合いますが、それぞれの獣医師が共通のスタンスでペットと飼い主さんに向き合い、それぞれの信頼を築くことはとても大切なことです。特に言葉の話せないペットの診療では、飼い主さんが話しやすい雰囲気づくりも重要です。飼い主さんにとってばつが悪いことは積極的に話したがらないことがあり、特に獣医師のほうが強面ですと、怒られるんじゃないかとなおさら隠されてしまうことがあります。これですとわれわれも判断を誤る危険性もありペットのためにもなりません。だからこそ院内でフランクに話しやすい雰囲気を保つことは常に意識しています。獣医師以外のスタッフにも大いに助けられていますね。

「ありがとう」を集めてペットとのより良い人生を支援

獣医師を志されたきっかけは?

小さな頃から生き物全般が好きでした。犬や猫に限らず、動くものならなんでも。昆虫や爬虫類、カエルなどの両生類など、生き物を見つけたらとりあえず捕まえて持って帰ってくるような子どもでした。父の転勤に伴ってよく引っ越していましたが、どこの地域でもやっぱりまあまあ汚れた川に入ってはいろいろと捕ってきてしまうので、母親は困っていたのではないでしょうか。当時、世界中の秘境を探検するテレビ番組が人気で、夢中になって見ていましたし、自分も探検隊になったつもりで野山に分け入っていたことを覚えています(笑)。当時は「将来は探検家になりたい」と憧れていましたが、子どもながらに現実的ではないと感じ、それならば動物に関わる職業ということで、いつの間にか獣医師をめざしていたように思います。

獣医師の仕事にやりがいを感じる瞬間はどのような時ですか。

飼い主さんから「ありがとう」の言葉をいただくときでしょうか。治療していたペットが残念ながら亡くなってしまったときに「ありがとう」と言っていただき、悲しみを乗り越えて次のペットを迎えた際に再び当院にいらしていただいた際には、心からうれしく思います。クリニックの運営にはお金も必要ですが、モチベーションとなるのはお金よりやはり人の気持ちです。獣医師は職務を果たすことで「ありがとう」と言ってもらえるある意味特殊な仕事。縁あって関わる皆さんの犬猫との人生がより良いものとなるよう、これからも「ありがとう」を集めていきたいと思っています。

読者に向けてひと言メッセージをお願いします。

地域に暮らすペットと飼い主さんのために、少しでもお役に立ちたいというスタンスで診療しています。予防接種や飼育相談から病気の診断、手術を含む治療まで、幅広く対応しています。トリミングやペットホテルとしてのご利用も可能です。愛するワンちゃん、猫ちゃんについてお困りのことがあれば、どんな小さなことでもOK。お気軽にご相談ください。

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