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吉池正喜 院長の独自取材記事

よしいけ動物病院

(横浜市神奈川区/三ツ沢下町駅)

最終更新日: 2023/01/22

三ツ沢下町駅から徒歩3分。犬と猫の専門医「よしいけ動物病院」にはまるでラウンジルームのようなモダンな家具が並び、先生の服装もおしゃれで若々しい。「より良い診療を行うためには、獣医師と飼い主さんがしっかりと話し合うことが大切。医院の内装や僕の服装も含めて、感じ良く、フレンドリーな雰囲気を心掛けているんですよ」と語る吉池正喜先生は、三ツ沢生まれの三ツ沢育ち。この地をこよなく愛する先生の、動物医療、そして地域動物医療へかける熱い思いをお伺いした。(取材日2011年1月5日)

地元・三ツ沢で18年、獣医師として生きる

まずは獣医師になるまでのプロフィールを教えて下さい。 

獣医師を志したのは、飼っていた犬の死がきっかけです。初めて飼った犬で犬種はシェットランドシープドッグ。とてもかわいがっていましたが、僕が高校生のときに天国へと旅立って行きました。その治療で動物病院に通った際に、獣医という職業が思いがけなく視野に入って来たんです。「動物の命に関わるこんな職業があるんだな。すばらしいな」と。ちょうど進路を決める時期に当たっていまして、思い切って自分は獣医師として生きて行こうと決心しました。獣医大学に向けた受験勉強を始め、北里大学に合格。1年生の教養課程は相模原へ通学しましたが、2年生からのキャンパスは青森県十和田市にありましたから、三ツ沢出身の僕は家を出て一人暮らしを始めることにもなりました。周囲に繁華街など何もない環境のなかで、ゆったりと勉強に取り組んだ5年間でしたね。卒業後、民間の動物病院で3年間臨床経験を積んだ後、現在の医院がある三ツ沢で開業しました。

三ツ沢で開業したのは、ここが先生の地元だからですか?

はい。我が家は明治から代々三ツ沢に根を下ろして暮らしています。僕も小中学校と地元の学校に通い、町には強い愛着を持っていました。それに長男でもあるので、この土地を離れるのは嫌だな、と。そんなわけでここ三ツ沢の地で開業しましたが、最初の頃は一日一人しか患者さんが来ない日もあったし、売り上げゼロの日だってありましたよ。それでも結構楽しく乗り切って来られたのは、青森での自活生活で培った精神力が大きな助けになったと思います。それともう一つ。実はここの医院の副院長は妻なんですよ。大学の同級生だった彼女との二人三脚で、今日まで18年間医院を経営して来ました。絶対裏切らない人間が仕事の共同パートナーだったことは、すばらしい助けになりましたね。

そんな18年間、先生が治療に当たって一番大切にしていることは何ですか?

獣医師がほかの医師と違うのは、患者である動物が言葉を話せないこと。患者が本当に望んでいることが何なのか、知ることが出来ないことだと思います。それがこの職業の一番難しいところでもありますね。結局僕らは飼い主さんと治療方針を話し合うことになりますが、最も簡単なやり方は、飼い主さんが望む通りの治療をそのまま行う、いわゆる"御用聞き医療"を行うことだと思うんです。でも、専門家として見たときに、「それではいけない。こうした方がいい」という場合もありますよね。それを無理やり押しつけるのではなく、きちんと飼い主さんに納得してもらった上での治療方針とすること。それが僕が一番心掛けていることです。そのためにはどうした良いのか?飼い主さんときちんと信頼関係を作っていかなければいけないし、医師がふだんから一匹一匹のワンちゃん猫ちゃんのことをよく理解していなければいけない。だから、うちの医院では、初めてワクチン注射で来院されるときに、必ず1時間の面談を持ってもらうようにしているんですよ。ワンちゃん猫ちゃんがどこから来たのか、捨て猫だったのか血統書つきなのか?飼い主さんはどんな家に住んでいるのか?マンションなのか一軒家なのか?家族構成は?小さな子どもはいるのか?不在がちなのかいつも誰かがいる家なのか?……あらゆることをお聞きするんです。だから僕の所のカルテには、飼い主さんの家の家系図が書いてあったりしますよ(笑)。そうやって集めた情報をもとに、個々のペットにとって最も望ましい治療方針を探り当てていくんですね。

ペットと飼い主、より良い関係を築くために

飼い主の方々に、獣医師としてメッセージはありますか?

先ほどもお話ししたように、最もキーになる考え方は、犬や猫は言葉を話せないということ。その犬や猫たちが何を望んでいるのかを、読み取ってあげてほしいと思います。たとえば、今はペット用の高価な服やベッドがたくさん販売されていますが、あまりそういうことばかりに夢中になるのは僕は賛成できないんです。「このベッドかわいいでしょ、ここで寝なさい」とリビングルームの真ん中にどーんとおしゃれなベッドを置いたって、ごちゃごちゃした暗い押入れが大好きな犬や猫も多いですよね(笑)。だったらそこで寝させてあげた方が、その子たちは幸せなんです。「猫が家具で爪を研いでしまう。どうしたらいいんだろう」と眉に皺を寄せて考えていたら、ペットとの暮らしはつまらなくなるばかりです。それより、「あいつ、またやったな。じゃあ、こっちはどうだ」と作戦を考える。そんな風に、動物との暮らし全体を楽しむ気持ちでつき合ってほしいと思います。動物は人間のおもちゃではありません。こちらの願望ばかりを押しつけるのではなく、家族なのだから、一緒に暮らす犬や猫たちをよく観察して、彼らの望みを理解してあげてほしいですね。

観察することが大切なんですね。

はい。観察がすべてだと思います。そしてよく観察できていれば、それが自然とペットの健康管理にもつながっていくんですよ。たとえば、今、ペットショップにはさまざまなペットフードが並んでいますよね。何歳用、大型犬用、小型犬用などと細かく分かれていて、ずいぶん気にされている飼い主さんも多いようです。でも、本当はそんなことあまり気にかける必要はないんですよ。今のペットフードはみんなしっかりしていますから、動物の体に悪いものなんて入っていません。それよりも大切なのは、ワンちゃん猫ちゃんがそのペットフードが好きで、美味しく食べていること。これはよく観察していないとわかりませんよね。そしてもう一つ、太り過ぎていないか、やせ過ぎていないか、これも注意して見てあげてください。体重は健康のバロメーターです。年齢と身長から割り出される適正体重に近い体つきであることが大切。動物病院に時々体重を量りに行くのも良いと思います。体重だけのために行くなんて……と遠慮する必要は全くありませんよ。

こちらの医院は、内装がとてもモダンですね。

昨年の2月に全面改装しました。待合室は落ち着いた気分になって頂けるように、ベージュ系で。診察室は「しっかり医療技術を提供しますよ」というメッセージを込めて、クールなシルバー×ホワイト系で統一しました。先ほどもお話ししたように、僕は飼い主さんとよく話し合うことを大切にしていますから、それにはまず"話しやすい雰囲気"を作りたい。そんなことを考えて内装や家具を一つ一つ選んでいます。また、改装に伴い、診察室にマックの大型モニターも導入しました。レントゲンやCTなどの写真は今はすべてデジタルデータですから、PCに取り込んでモニター上に出し、飼い主さんにご説明しています。クリック一つで複数の写真を切り換えたり並べたりでき、大変わかりやすくなったと思いますよ。また、診療経過もエクセル表に打ち込んでおけば、時系列で一目で確認出来て便利です。実は僕は家電を見るのが好きで、週末はよく横浜の大型家電ショップをぶらぶら歩くんです。今回は趣味と仕事が上手くつながりましたね。

横浜地域全体の動物医療底上げに向けて

先生は横浜夜間動物病院の代表もされていますね。

これは、2003年に横浜地域の54の動物病院が資金を出し合って作った病院で、夜間の緊急診療を専門に行っています。「夜の急なケガや発作に対応してくれる病院があったらいいのに!」という地域の飼い主さんたちの声に応えて誕生しました。設立当初は理事、現在は代表を務めていて、月に2回、自分の病院の診療が終わった後に、深夜まで及ぶミーティングでさまざまな議題を話し合っています。設立当初はミーティングももっと頻繁に開いていましたね。正直言って、自分の病院を経営しながら更に別の病院の代表を務めることは楽ではありませんよ。でも、地域が必要とする組織を作ることは意味のあることだし、どうせやるなら深くしっかり関わって、より良いものにして行きたいじゃないですか。お人好しと言われるかも知れないけれど、僕は大きな意義を感じて参加しています。

横浜夜間動物病院には動物二次診療センターという別院もありますね。

こちらは、眼科のスペシャリスト、皮膚科のスペシャリストといった特定の分野の専門医が、難しい症例を診るための病院です。率直に言って、町のそれぞれの獣医師には得手不得手の分野があります。それなのに一人の医師が無理をして不得意な分野を診るより、専門医に任せた方がペットや飼い主さんの本当の利益になりますよね。夜間動物病院に引き続き、こちらも地域全体の獣医師が協力し合うことで、ペットと人間の暮らしをより良くサポートしようという試みなんです。また、二次診療センターでは、専門医を招いて獣医に向けたさまざまな勉強会も開いています。この活動を通じて横浜地域の獣医師全体の質を上げて行くことを目指しています。

八面六臂のご活躍ですが、先生の今後の展望について教えて下さい。

自分の医院での診療については、今実行していることをこれからも変わらず続けていきたいですね。一人ひとりの飼い主さんの声によく耳を傾け、じっくりと話し合って診療を進めていくということです。医師になって21年経ちますが、毎回毎回常にパターンは違い、すべての診療が新しいケースだと感じています。既に終了した治療でも、「もっとこんな風にしたら、更に良かったかも知れない」「ここが足りなかったかな」と、いつも振り返り反省しているんですよ。これからも一匹一匹のワンちゃん猫ちゃんに、丁寧に向き合っていきたいですね。また、横浜夜間動物病院や動物二次診療センターでの活動のほかに、僕は横浜獣医師会の役員もしています。これらの活動はすべて、ただただ地域の役に立ちたいという願いから。昔から、僕は、人は大人になったら自分の利益のためだけに働くのではなく、社会に貢献するべきだと思って生きて来ました。社会貢献の方法は人それぞれだと思いますが、僕は獣医師ですから、やっぱり獣医師としての専門知識や経験を通じて貢献するのが一番社会の役に立つのかな、と。それが、どんなに大変でも、これらの活動に積極的に参加する理由です。これからも地元・横浜全体の動物医療の向上のために、力を尽くしていきますよ。

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