横山 学 院長の独自取材記事
みさと動物病院
(三郷市/三郷駅)
最終更新日: 2023/01/22

JR武蔵野線三郷駅から徒歩9分の場所に「みさと動物病院」がある。通りからも目を引くモダンな建物は、院内も広々としており、飼い主や動物たちが過ごしやすい工夫が随所に散りばめられている。院長の横山学先生は、飼い主や動物たちにとって益となることは何でも取り入れたいという思いが強く、結果として現在の規模に拡大していったという。飼い主の目線に立った先生の診療方針は好評で、毎日大勢の飼い主がペットを連れて訪れている。また、先生は開業して以来、これまで休日を取ったことがないのだとか。獣医師という仕事にやりがいを感じており、毎日が楽しいので仕事を休む必要を感じないそうだ。そんな横山先生に、診療に対する思いや、経営方針について語ってもらった。 (取材日2015年11月20日)
飼い主の必要に応じることのできる体制を築いてきた
医院を設計する際にこだわった部分を教えてください。

来院された患者様がスムーズに診察を受けられるような設計をお願いしました。一つには25台の駐車スペースを設けております。ペットを診てもらうために来院された方に対して、満車になっていては困りますよね。余るくらいがちょうど良いという気持ちで十分なスペースを確保いたしました。また、院内の細かい部分にもこだわっています。ほこりっぽくならないよう床暖房にしたり、動物が互いに怖がらないように待合室づくりにも心がけました。棚の大きさや場所に関しても、先生方が仕事しやすいように工夫しています。当院の設計をお願いした方は、動物病院自体を手掛けることが初めての方でしたので、設計前に他の動物病院を見ていただき、私が要望したことをすべて反映してもらいまた。そのため、設計だけでも1年かかりましたが、使いやすく妥協点のない動物病院を建てることができましたので、とても働きやすくなりました。
診療の際に心がけていることは何ですか?
当院の医療サービスによって、飼い主さんに満足していただくことを第一に考えています。診察の際、30分以上お待たせしない体制を整えてきました。また1人の方に充てる時間は十分とっております。動物の治療には高額な費用のかかるものもあるので、完全に納得されるまで十分説明する時間を取っています。そうした必要を考えて、医師やスタッフの人数も増やしてきました。当院は、常に最新の医療機器をそろえるようにしており、検査・診療に対しても十分な体制を整えております。患者さんの目線に立った医療を提供し続けてきた結果、最初の医院から数えると開業して30年近くになりますが、少しずつ大きくなり長く続けることができています。
飼い主さんの目線に立つというのが興味深いですね。

「飼い主さんが幸せになる」。その方法の1つとして動物たちの治療があると私は考えています。これは、決して動物たちにとってかわいそうなことではありません。ペットの幸せは飼い主さんの幸せにつながることです。ですから、飼い主さんが動物を助けて欲しいと当院の門を叩いてくださったとき、私たちはできる限りのことを行います。当院は、大学病院やさまざまな専門病院と連携しており、高度な治療が必要になればすぐに連絡をとって紹介することが可能です。24時間電話対応もしていますし、年中無休で夜中でも手術可能です。生き物なので、残念ながら手を尽くしても助からないということもあります。でも、飼い主さんがペットに対して自分にできる限りのことを行った。ここで診てもらって良かった。そう思っていただくことが、何よりも大切なことです。
困ったときにいつでも頼ってもらえる病院でありたい
年中無休で診療されているのは驚きです。

飼い主さんが困ったときに病院が閉まっていたら意味がないと考えています。私は、開業当初1人で診療していたのですが、これまで1日も休んだことがありません。冠婚葬祭のときでも半日は病院を開けていました。いつも通ってくださる飼い主さんが、夜に困ったことがあってもいいように24時間急患にも対応しています。しかし、どう考えても1人で診ることができる数には限界があります。ですから、自然と獣医師やスタッフが増えてきました。
他の先生方にお願いしていることはありますか?
診療への取り組み方に関して若い先生に伝えているのは、誠実であることの大切さです。誠実に丁寧に時間をかけて行っています。インフォームドコンセントを確実に行うように心がけております。開業以来、30人くらいの先生が当院から巣立っていきましたが、現在埼玉だけでも10件以上開業しています。中には、私よりも大きく成長している病院の先生もいます。ですから、臨床獣医師としての生き方、患者様に対する考え方としては間違っていないのだと思いますね。医療は速いスピードで変化しており、10年前にやっていたことと正反対の治療が効果的という場合もあります。新しい知識に関しては、若い先生たちの方が吸収も早いですね。当院には、皮膚・腫瘍内科・外科など、それぞれに特化したスタッフがそろっていますし、二次診療の連携も整えているので、医療レベルには自信を持っています。
スタッフに長く勤続していただく秘訣があるのでしょうか?

こればかりは、私がスタッフに恵まれているとしかいいようがありません。これまで本当に有能なスタッフに恵まれてきました。しかも、何十年も一緒にやってくれている人もいますよ。通常、この獣医業界では3年位でスタッフが入れ替わることが少なくありません。でも、飼い主さんにとっては担当していた先生がいなくなってしまうのは不便なことだと思います。有能なスタッフに来ていただいて長く一緒にやっていくという管理は、病院の経営者として大変なことですが、少しでも仕事をしやすい環境を作って高い医療レベルを維持していきたいと考えています。
好きな仕事をして生活できるのは何よりも幸せなこと
動物がかかる病気は増えていますか?

病気自体は昔と変わりませんが、検査によってさまざまな病気が発見できるようになりました。治療レベルも上がっているので、10年前には治せなかった症状でも、今なら治せるというケースもあります。ただ、高額な治療費がかかる可能性もあるので、飼い主さんにどれくらいまでの治療を望まれるか、選択していただかなければならい場合もあります。もし、高度な医療を望まれるのであれば、専門の病院や大学病院を紹介します。一方、費用が限られている場合には、その範囲内でどこまでのことができるか説明いたします。
ストレス解消はどうされていますか?
仕事が面白くて仕方がないので、解消しなければならないストレスがありません。好きな仕事ができて、それでご飯が食べられるというのは何より幸せなことです。私は、スタッフが働いている姿を見ている時間が一番充実しています。仕事が趣味なんて、格好いいことだとは思いませんが、どこかに出かけたりゴルフに行ったりしなくても問題ありません。計画を立てることが好きなので、いつも数年後のプランを練っています。今できていないことをどうするか、それを実現するために何を我慢すべきか。こうしたことを考えて、形になったときにやりがいを感じます。
今後の展望をお聞かせください。

飼い主さんの要求に対して、当院ができることの幅を一層広げていきたいと考えています。その取り組みの1つとして、良い時期が訪れた際には、分院を建てたいとも考えています。1箇所で病院を大きくしていくことには限界があるので、別の場所にもそれなりのスペースを持った病院を建てて、ここと同じ診療方針で多くの飼い主さんのご要望に応えられるようにしたいですね。