玉村 伯時 院長の独自取材記事
セントラルペットクリニック川口病院
(川口市/川口元郷駅)
最終更新日: 2023/01/22
おしゃれなカフェを思わせる外観の「セントラルペットクリニック川口病院」は、八潮市に本院を持つ「セントラルペットクリニック」の分院だ。大切な家族の一員が寿命まで健康に過ごせるよう、疾患に対する治療はもちろんのこと、日頃の健康管理や予防医学、問題行動へのサポートなどにも力を注ぐ。入院施設やホテル、トリミングなどの施設も整い、地域の人々からも厚い信頼を寄せられている「セントラルペットクリニック川口病院」の玉村伯時院長は、こちらの不安な気持ちを温かく包んでくれそうな人懐っこい笑顔が印象的な人物。ベテラン獣医師でありながらも日々研鑽の心を忘れず常に向上心を持って誠実に診療に取り組んでいる。御年23歳の猫の飼い主でもある、玉村院長に話を聞いた。 (取材日2016年4月11日)
犬と猫に特化。獣医師の見守り下でのトリミングも
八潮に本院があり、こちらは分院ですね。違いはあるのでしょうか?
八潮の本院は今年で開業から33年を迎えます。こちらの川口分院は2008年6月より開院いたしました。八潮の本院は犬や猫のほかにも、うさぎやハムスター、小鳥などの小動物を診察していますが、ここでは犬と猫に特化した診療を行っています。そうすることで専門性の高い充実した診療体制を構築できています。また、ペットの高齢化により近年ますます増えつつある外科・循環器(心臓)病・糖尿病・腎臓病・老齢病・問題行動の治療などにも力を入れています。特殊な手術などこちらで対応できないことは本院で行うこともあり、本院や大学病院などと連携を図ることで、より良い診療を行うことができています。
川口分院ならではの特徴を教えてください。
スタッフ全員が女性であるということですかね。獣医師、看護師全員が女性のため臆病な子でも、ここだったらおとなしく治療を受けられるといったケースが多いようです。また、院内は待合室から診察の様子を確認できるようなオープンな造りとなっていて、アットホームな雰囲気になっています。さらに、診察、予防、健康管理から美容まで総合的にご提供をしており、高齢で持病がある場合など一般のサロンではトリミングなどの美容サービスが受けられない場合でも、当クリニックでは獣医師がすぐ近くにおりますので安心してお任せいただけます。
疾患治療はもちろんですが日常における健康管理にも力を入れておられるのですね。
はい。人間もそうですが、ペットも寿命まで健康でいられることが何よりだと思います。そのためには、人間同様に日頃の健康管理が重要になってきます。かわいいからといって毎日ごちそうばかり与えていたのでは病気を自ら招き寄せることにもなりかねません。そういった健康管理法などのご相談も大歓迎です。またある程度年をとってから定期健康診断を受けさせ始める方が多いのですが、若くして具合の悪くなってしまうこともありますので、できましたら若いうちから定期健康診断を受けていただきたいですね。予防注射などの時に一緒にご相談いただくのも良いと思います。ぜひ健康で長生きするためのお手伝いをさせてください。
「先進的な医療を受けられて当たり前」のスタンス
日々の診察で心がけていらっしゃることはなんでしょうか?
私たちは循環器や心臓などの疾患も扱いますが、あくまでも身近な存在のホームドクターです。病気の治療だけではなく日々の健康管理も私たちの仕事だと考えています。日頃からスタッフも含めてみんなで意識していることは、「自分自身のペットだと思って治療をしよう」ということ。自分がされて嫌なことは決してしないようにしよう、と常々確認し合っています。また当クリニックでできることはできる限り対応させていただきますが、特殊な手術などは本院で行うこともありますし、より良い治療を受けていただくために大学病院などの医療機関をご紹介することもあります。それを見極めるのも当クリニックの役目だと思っています。
常に新しい知識を得てより良い治療をしようと尽力なさっていると伺いました。
日々の診療のもととなるのは、やはりさまざまな研究の成果である論文などです。ですから獣医師も動物看護師も、常に新しい情報や研究論文から情報を得て、常に勉強を欠かしません。うちの獣医師もスタッフもみんなとても勉強熱心で本当によく勉強するんですよ。それで質問も多いので、自然と私も勉強せざるを得ないという感じです。分からない、知らない、とは言えませんからね(笑)。医学の進歩はまさに日進月歩で、新しいことがどんどん増えます。ですのでセミナーや学会は、常に新しいことの発見の連続で、とても楽しいんですよ。もう私くらいの世代の方はあまりお見えにならないので、会場内で私だけちょっと年上で恥ずかしかったりしますが、新しい知識や刺激を受けたくていそいそと足を運んでいます。新薬などについては論文の日本語訳を待っていると遅くなってしまいますので原文で読み、一日でも早く診察に生かそうと努力しています。
獣医師として長いキャリアをお持ちですが、今後の展望などお聞かせください。
勉強しても勉強しても足りないと実感しているので、まだまだ新しい知識を蓄えて自分の専門分野を伸ばし、なるべく多くの方に喜んでいただけるような獣医師になりたいですね。また私の後を引き継いでもらえるような人材を育てていきたいとも思っています。現在も一緒に手術をしたり、診療時もカンファレンスをしっかりして診療方針や体制などを共有し、技術もマインドも受け継ぐようにしています。病気治療については、先進的な治療が受けられて当たり前だと考えています。誰だって何年も前の治療を今受けたくはありませんよね。しっかりとしたデータや成果を得られている新薬や治療方法も、ご家族の同意を得て積極的に取り入れています。
「寿命まで健康でいること」のために尽力
獣医師をめざされたのには、何かきっかけがあったのでしょうか?
私が獣医師を志すベースになったのは、小さい頃から飼っていたシェパードをフィラリアで亡くしたことです。その経験と理系の科目が得意だったことから獣医師の道へ進みました。昔の獣医師というと、当時は往診が主流でして、愛犬の具合が悪いと来てくださって注射を打って帰っていく、といった感じでしたが今はかなり違いますね。もちろん豊富な経験に裏打ちされた技術も大切なのですが、私は検査などをきちんと行い科学的な根拠のある治療を行っています。特に私は大学病院勤務時代に、獣医師も科学者であるということを厳しく叩き込まれましたので意識しています。ご家族へのご説明も、検査結果はもちろん資料やDVDなど、理解や判断を助ける材料をできるだけお渡しするようにしています。
獣医師としてのお仕事とても楽しんでいらっしゃる印象ですが、ご趣味はなんでしょうか?
こういう仕事ですので、長期のお休みをいただいて海外旅行、というわけにはいきませんが、関東一円の日帰り旅はほとんど網羅していますよ。特に好きなのは旬のフルーツなどの季節狩り。いちご、メロン、ブドウなどさまざまなものを楽しんでいます。私のお勧めはビワとタケノコ。タケノコは採りたてを炭火で焼いて食べるとすごくおいしくて、一度味わうとやめられません。車が好きなのでドライブにもよく出かけます。雪道もどんどん出かけていますよ。あとは夫婦で晩酌ですね。平日は急患対応などもあって無理ですが、休日と休前日は楽しませていただいています。2人してお酒好きなので、どこかに出かけてはその土地のお酒を仕入れて、家でのんびり楽しんでいます。
ペットの健康を維持するために心がけたいことを教えていただけますか?
近年、歯の病気が非常に増えています。3歳くらいになると全体の7~8割に歯周病が見られます。小さい頃から歯磨きの習慣がないと、いざ歯の治療を受けようとしてもとても嫌がってしまいます。ブラッシングで歯垢の95%を除去できますので、ぜひお願いします。お手入れ方法が分からない場合はお教えしますので遠慮なくご相談ください。どうしてもブラッシングが難しい場合は定期的に来院していただいてケアをさせて頂くケースもあります。また、血統によりかかりやすい疾患がある場合があります。家族として迎えたら一度、獣医師の目を通すことをお勧めします。そうした知識があれば日々の食事に気をつけたり、病気の兆候をいち早く見つけることができます。ペットは家族の一員、というのが当クリニックの方針。病気だけでなく健康管理についても気軽にご相談ください。