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浜谷 楽夢 院長、浜谷 創楽 副院長の独自取材記事
らむ動物病院
(蓮田市/蓮田駅)
最終更新日: 2023/01/22
住宅街の中にあり年中無休で患者を受け付けている「らむ動物病院」は、待合室も診察室も開放感あふれるつくりで、かわいらしいウォールアートや小物が明るい雰囲気をつくり出している動物病院だ。同院を率いるのは、浜谷楽夢(らむ)院長と浜谷創楽(そうら)副院長の2人。動物好きが高じて獣医師となっただけに、飼い主家族の気持ちに寄り添い、コミュニケーションを何よりも大切にしながら丁寧な診察を心がけている。獣医師と飼い主家族という関係ではなく、飼い主同士という気軽さで同院に立ち寄ってもらうことで動物たちの健康を守りたいという浜谷楽夢院長と浜谷創楽副院長に、日々の診療にかける思いややりがい、今後のビジョンなどさまざまな話を聞いた。 (取材日2016年6月3日)
何でも気軽に相談できるかかりつけ医をめざして
姉妹で獣医師になられたのですね。
【院長】小さい頃から金魚やカエルなどの小さな生き物は常に身近にいましたが、初めて犬を飼ったのは中学です。シュナウザーという種類の犬を飼いました。私も副院長も動物好きで、獣医師以外の職業は考えられませんでした。私は大学を卒業後、東京大学附属動物医療センターや加須の動物病院で勤務したのち、妹の創楽(そうら)副院長を誘って開業しました。ここにいる犬や猫、うさぎはみんな捨てられていた子たちです。今では当院で受付などを一緒にして、患者さんを癒やしてくれています。
まるでケーキ屋さんのように甘い香りがしていますね。
【院長】病院を臭くて怖いところにはしたくなかったので、気を付けています。 【副院長】猫はアロマが苦手な子が多いので、気を付けて選んでいます。できるだけご家族にとってもホッとできるような空間でありたいと思っています。 【院長】当院を年中無休にしたのは、私たちがお休みの時にいつも当院に来てくださっている方々が、お困りになるのではないか、と心配だからです。何かあったらいつでも「らむ動物病院」に行けばいい、と思っていただけたらうれしいです。重篤な内科疾患などで入院するケースもあるのですが、私の自宅がこの上にありますので、随時私が見回りをしています。そういう面でも安心していただけると思います。
どのような動物病院をめざしていらっしゃいますか?
【院長】かかりつけ医として、生まれた時から看取る瞬間まで関わらせていただくことで、成育歴や治療歴はもちろん、性格まですべて分かっているような存在をめざしています。そして獣医師と家族という関係ではなく、飼い主同士というフラットな関係を築きたいと考えています。実際、お散歩の途中でふらっと寄ってくださる方もいらっしゃいます。ちょっと獣医師に聞きにくいと思うような些細な事、日常のケアに関するちょっとした疑問でも気軽に話せるような存在になりたいですね。開業する時には、できるだけ病院っぽくないように意識しました。当院には、院長・副院長と一緒に出勤する家族の犬や猫、うさぎがいて、いつも受付をしてくれているので、訪れてくださった方もすぐ打ち解けていただけています。
丁寧に話を聞き家族の意向に沿った温かな医療を提供
日々の診療で心がけていらっしゃることは何でしょうか?
【院長】ご家族のお話をじっくりと聞くことですね。具合の悪い本人たちがしゃべれないので、丁寧にお話を聞いて問題点を正しく見極めるようにしています。やはり、その子の状況を一番わかるのは一緒に過ごしているご家族です。いつもと違うのはどんなところか、気になっている点などを伺い、その情報をもとに検査をします。ご家族が大したことではない、と感じていたことに重要な意味があることもあります。科学的根拠に基づいた診断を行ってきちんとご説明をし、複数の治療の選択肢がある場合にはそのメリットとデメリットをお話しして選んでいただくようにしています。検査も治療もお金をかけて何でもかんでも行えばいいというものでもありません。性格まで踏まえて総合的に判断し、ご家族や本人に合った治療を行いたいと思っています。
獣医師としてやりがいを感じるのはどんなときでしょうか?
【院長】治療の後、わざわざお礼にみえる方がいらっしゃったり、看取った後しばらくして、また新しい子を迎えたんですよ、と見せに来てくださったりすると、やっぱりうれしいですね。闘病の末に看取った後などは「もう新しい子は迎えない」と思っても不思議はないのに、また迎える気分になって、しかも多少なりともつらい思い出のある当院にまた来てくださるのもとてもうれしいです。とにかくご家族が後悔しないように全力でサポートしたいと思っています。例えば、がんになってしまったとき。抗がん剤で何としてでもというご家族と、抗がん剤はしないができるだけのケアを希望するご家族がいると思います。抗がん剤を使わない場合も、ご家族がこの子は良い生き方をした、と思えるようできるだけ穏やかに過ごせるよう手を尽くしたいと考えています。
ご趣味やストレス解消法などを教えてください。
【院長】家に帰って飼っている子たちとのんびりするだけで癒やされて、ストレスなんて飛んで行ってしまいます。趣味といえば、犬と一緒においしいものを食べに行ったり、お買い物に行ってみんなでおそろいのお洋服を買ったりすることですね。最近は犬同伴OKのカフェやレストランも増えてきたので、楽しんでいます。 【副院長】私も、この子たちが趣味みたいなものなので、私が遊びに行くときも連れて行っています。一緒にドライブして楽しんでいます。本当にこの子たち中心の生活なので、獣医師は天職とも言えますね。
これからは獣医師だからできる情報発信も
今後、力を入れていきたいことはありますか?
【院長】治療はもちろんなのですが、日常生活の注意ポイントなどの情報発信をもっともっとしていきたいと思っています。犬種によってり罹患しやすい疾患やけががあったりしますので、獣医師だからこそアドバイスできる飼い方のポイントをお教えできれば、病気などの早期発見ができるようになります。残念ながらペットショップなどでは性格や成長度合いは詳しく知ることができても、そこまで踏み込んだ情報は得られないことが多いのです。安心して動物を飼うことができるお手伝いを、さらに積極的に行っていきたいですね。ご家族の方には、ぜひ新しいペットを迎えたら、自慢がてらに見せに来ていただけるとありがたいです。私たちはペットを飼う上で、ご家族のパートナーでありたいと願っています。
ペットホテルやトリミングも行われていますね。
【院長】持病を抱えていたり高齢であったりすると、ペットサロンでのトリミングは断られるケースもあるかと思います。当院では、かかりつけの子であれば私たちが日ごろの様子をよく知っていますので、体調の良い日に少しずつきれいにすることもできますし、何かあればすぐ対処することもできます。他にも往診にも行っています。往診に行って、結局検査をしたくて私が連れて戻ることも多いのですが、ご家族が高齢だったりすると通院もつらい時がありますので、ご相談いただければと思います。
日常の生活で気を付けるべきことはありますか?
【副院長】例えば猫ですと、病気の兆候が尿の異変となって表れることがよくありますが、これはご家族が見落としがちなポイントでもあります。もし確かな根拠が無くて何となく変と思われたら受診してみてください。 【院長】あとは食欲と体重ですね。これは毎日接しているご家族にしかわからないことでもあります。なんとなくいつもと違う、と思ったら受診してください。気になっていたけれど年齢のせいだと思っていた、というのが危ないです。気になったらすぐ相談してもらえるよう、雰囲気はもちろん、検査体制や診療体制も整えてお待ちしています。ご家族向けの勉強会なども開催していますので、お気軽にご参加くださいね。
動物にも定期的な健康診断は必要でしょうか?
【院長】もちろんです。病気の早期発見以外にも、正常値を知っておくという役割もあります。例えば何かの病気が発見された時、いつからこの状態であったのかある程度割り出せます。また歯磨きや口腔内のチェックも大切です。当院でトリミングをする際には歯磨きも行います。また家でうまく歯磨きができない子は、当院でもさせていただいています。上手な歯磨き法なども指導できますので気軽に聞いてください。お口の中にがんができることも多くなっています。できれば赤ちゃんの頃から口の中をご家族が診る習慣をつけておいてほしいと思います。