佐藤 慶介 院長の独自取材記事
コジマ浦和動物病院
(さいたま市南区/武蔵浦和駅)
最終更新日: 2023/01/22
再開発によるタワーマンションが立ち並び、多くの住民で賑わう武蔵浦和駅。国道にほど近いビルの1階に「コジマ浦和動物病院」はある。2階に店舗を構えるペットショップ「コジマ」併設のクリニックという特徴を持つ同院。院長の佐藤慶介先生を含む5名の医師と、5名の看護師による手厚いケアに加え、ペットショップとの連携を生かした診療が特徴だ。「ペットを飼うのははじめて」「初診でどこの病院を受診すればいいのかわからない」といった飼い主の悩み事に寄り添ったサポートが受けられるだろう。「動物や飼い主さんの様子に気を配り、信頼関係を築きながら診療に取り組みたい」と語る佐藤先生のまなざしは優しく穏やか。店舗併設のクリニックである利点や診療方針など、幅広く話を聞いた。 (取材日2016年10月20日)
飼い主とペットの暮らしに寄り添う利便性
ペットショップ併設のクリニックとのことですが、飼い主さんにはどんなメリットが?
系列病院が関東に10軒以上あり、連携を密に行えることですね。飼い主さんや動物の情報を電子カルテ化していますので、系列病院であれば別の地域でも治療を引き継ぐことができます。引っ越しや転勤などで住まいが変わったときに新たにかかりつけ医を探す必要がないため、飼い主さんは安心だと思いますよ。僕ら獣医師にとっても、気軽に相談できる系列病院はありがたい存在です。先輩獣医師に治療方針を質問したり、後輩にアドバイスしたりと、頻繁に連絡を取り合っています。獣医師はそれぞれに動物の得意分野がありますから、勉強になることも多く、助かっています。
土日や年末年始も診療を行っているとか。
平日は来院が難しいという飼い主さんや、動物の急な体調変化のときにも対応できますので、ご好評をいただいています。かかりつけの病院が別にある場合はそちらで診てもらうのが一番ですが、「万が一困ったことがあった時に駆けつけられる場所」として、当院を覚えていてくださればうれしいですね。また、動物の日常的なケアを一貫して行える場所であることも大きな魅力。ペットショップでトリミングをして、当院で診察をして、またペットショップへ戻って買い物をしていかれる方はとても多いです。必要なものを必要な時に購入できるため、忙しい飼い主さんの移動や時間の負担を抑えることができます。
ペットを初めて飼う方にとっても、病院がそばにあると心強いですね。
ペットショップで購入し、そのまま当院で健康診断を行う1歳未満の動物とその飼い主さんが多いため、飼い方や病気に関する悩みは頻繁に寄せられます。合わせて、しつけに関する質問をいただくことも多々ありますね。当院では月2回、コジマの本社から招いたドッグトレーナーによる「しつけ教室」を院内で開催していますので、ご活用いただければうれしいです。ドクターはしつけの面に関しては未熟な面もありますから、専門的な知識のあるトレーナーによる指導は僕らにとっても知識を得られる良い機会。教室の予約表も朝から埋まっていて、ニーズの高さを実感しますね。
患者の要望を引き出し、安心感を育む診療を
診療の特徴を教えてください。
5人の獣医師と5人の看護師によるこまやかなケアが特徴です。僕は前院長から1年ほど前に当院を引き継いだのですが、ここまでスタッフの人数が多いのは開院以来初めてのことだとか。それぞれが連携し、助け合いながら動物や飼い主さんのサポートを行ってくれていて、毎日助けられています。中には「前の院長先生に診てほしい」という飼い主さんもいらっしゃるため、不定期ではありますが前院長による診療も行っています。通いなれた病院やドクターの治療は心強いですし、僕も前院長の診療を側で見ることができるので、とても勉強になっています。
診察可能な動物の種類について教えてください。
犬・猫を中心に、うさぎやフェレットなどの小動物は可能な限り診させていただいています。鳥などその他の動物については、専門的な処置が必要であれば他の病院を紹介しますので、まずは一度来院してみてくださいね。設備としては、血液検査の機械やレントゲン、超音波診断装置、内視鏡などを一通りそろえています。多い症状としては、異物の誤飲ですね。何か飲み込んでしまった場合は内視鏡で検査をし、喉や胃で異物が止まっていればそのまま取り除くこともできます。特に小さい子はなんでも口に入れてしまいますので、家の中に物を置きっぱなしにしないなど、飼い主さんは注意してあげてくださいね。
診療で気をつけていることがあればお聞かせください。
飼い主さんの話をよく聞くことです。適切な治療をめざすためには、症状に至った経緯や、日々の生活環境を知ることが第一。中には「おやつをあげすぎたけど、恥ずかしくて言えなかった」など、不調の原因を隠してしまう方もいらっしゃいますので、口調や表現に気を配りつつ、本音を引き出せるような診療をめざしています。また「とにかく話を聞いてほしい」や「症状を軽くしたいから薬や注射をお願いしたい」など、飼い主さんによって病院に求めるものはさまざまです。こうした要望を見極められるよう、常にアンテナを張って動物や飼い主さんに接していければと思っています。
来院される飼い主は不安を抱えていることが多いと思いますが、そうした方にはどんな対応を?
以前に、先輩獣医師から「獣医師は演じることが大切だ」とアドバイスをいただいたことがありました。僕が不安な顔をしてしまうと、飼い主さんはもっと不安になってしまいます。だから「心配ありません」という雰囲気を出して接することが重要だという教えです。「演じる」と聞くと語弊があるかもしれませんが、昔から照れ屋で人と話すことが苦手な僕にとっては、とても力があるワードでした。おかげで、今ではすっかりリラックスして治療の説明ができるようになりましたよ。
若い動物の診療に自信。めざすは「なじみ」の動物病院
獣医師になろうと思ったきっかけを教えてください。
小さな頃は勉強が苦手だったのですが、生物学だけは大好きでした。そのままの流れで「生物に携わる仕事をしたい」と考えるようになり、獣医師の道へ。2011年に大学を卒業したのですが、獣医師になる前に「違う仕事をして視野を広げたい」と思い、在学中からアルバイトをしていた会社に1年ほど勤めました。その後、同社の系列の動物病院にて1年半の勤務を経て、当院に異動。2015年から院長として、勤務しています。
先生の得意分野についてお聞きします。
ペットショップ併設という当院の特性上、生まれて間もない動物の治療を行う機会が多いため、生後4~5ヵ月未満の子犬や子猫の診療には自信があります。また、ペットショップと協力した密なケアがご提供できると思います。動物の子どもは大人に比べると免疫力が低いため、体調を崩したり、治療期間が長くなったりすることが多く、検査や処置には特に注意が必要です。また、小さい子に限らず、動物は季節の変化にとても敏感です。春は予防接種やフィラリアの検査・処置が必要になりますし、夏はダニやカビによる皮膚的疾患が増加し、秋から冬にかけては風邪をひきやすくなります。気候の移り変わりを敏感に察知し、毎日の生活で飼い主さんがペットのためにできることを少しづつでもアドバイスできれば幸いですね。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
当院の目標は、動物や飼い主さんにとっての「便利な場所」になること。関連病院や併設のペットショップとの連携力を存分に発揮し、皆さんにとって頼られる場所になりたいと思っています。地域のかかりつけ医として、家族であるペットや飼い主さんのお手伝いができればうれしいですね。獣医師や看護師、スタッフ一同、皆さんの「なじみ」になれるよう、日々の診療に励んでいます。どんな小さな不安や心配事も気軽に相談してください。女性の獣医師も在籍していますので、ご希望があればぜひ事前に連絡を。併設のお店以外でペットを飼われた方も、もちろん歓迎しています。