山口 匠 院長の独自取材記事
にれのき動物病院
(小平市/小平駅)
最終更新日: 2023/01/22
西武新宿線小平駅南口より徒歩10分。旧青梅街道沿いに建つ「にれのき動物病院」は2016年に、すぐ近くから移転。院長の山口匠(しょう)先生によると、2012年の開院後、手狭になったため、今まで通ってきた飼い主たちが困らないよう、近い場所にこだわったという。同院は犬・猫だけでなく、うさぎ・フェレットなどのエキゾチックアニマルも対象にしており、ペットホテルやトリミングサロン、マイクロチップの取り扱いなども行っている。昼休みに訪れると、診療を終えケージを抱えた飼い主たちが、スタッフと談笑していた。笑顔が優しく、物静かな雰囲気の山口院長は、丁寧に言葉を選びながら語る姿が印象的。優しいまなざしは、動物たちにも向けられているのだろう。 (取材日2016年12月26日)
犬・猫だけでなくエキゾチックアニマルも診療
山口先生が獣医師をめざされた理由をまずはお聞かせください。
動物は小さい頃から好きで、家でも犬と猫を飼っていましたから身近な存在でした。中学生の時、柴犬が病気で亡くなってしまい、「自分が助けることができたらよかったのに……」と思ったのが獣医師をめざしたきっかけです。後になって、その病気が予防をすることができたということを知りました。今は、飼い主さんの意識もとても高くなっていますが、「うちは大丈夫」とおっしゃる方もいるので、予防の大切さは伝えていきたいですね。
どんな動物が来院されるのですか?
犬と猫がやはり多いですが、最近のブームもあり猫がより増えている気がします。うさぎ、フェレット、ハムスターもよく診ますね。フクロモモンガやハリネズミなどもいらっしゃいます。日々によって来院する動物種が偏ることもあるので面白いです。それぞれに飼い方も診療での注意点や扱い方もかなり違う分、多くの知識と経験が必要になりますが、やりがいがあります。また当院では猫にとってストレスが少ない環境になるよう配慮しており、待合室では仕切りを設けたり、猫が安心するフェロモンを発生する装置を設置したりしています。待合室で待つのが苦手な場合は外のベンチも活用いただければと思います。
来院の理由については何か傾向がありますか?
犬も猫も高齢化とともに心臓病といった循環器の病気やがん、腰痛などが増えていますね。心電図、レントゲン、エコーなどの機器を導入し、早期発見、早期治療をめざしています。エキゾチックアニマルはハリネズミ、フクロモモンガ、デグーなど対応している病院が少ない動物も来院しています。飼育指導など、当院で出来る限りのことは行えるよう常に学会に足を運んだりしておりますので、犬と猫だけではなくエキゾチックアニマルについても気軽にご相談いただきたいですね。
相談しやすい雰囲気と丁寧な診療がポリシー
医院のこだわりについて教えてください。
気軽に来院でき、相談しやすい雰囲気づくりです。当院を信頼をしてもらい、小さな疑問でも相談しやすい場所にしたいのです。そのために自分自身やスタッフ自身を知ってもらうように取り組んでいます。例えば初めて来院した飼い主さんには、まずは自分を知ってもらうために名刺を必ず渡すようにしています。院内にスタッフ紹介があるのもそのためです。飼い主さんと趣味の話で笑いながら会話していることもあるんですよ(笑)。スタッフとの距離感も極力近することで、獣医師には聞きづらいことも気軽にスタッフに尋ねていただけると思ってます。来院することが緊張ではなく楽しみにできるようスタッフ一同努めています。
先生自身の診療においてのポリシーをお聞かせください。
よい医療を提供することが大前提ですが、治療方針をご納得していただくことも大切だと思います。それが飼い主さんと患者である動物に寄り添う治療につながると思っています。まず初診ではすぐに診療を行うのではなく、いったん動物をだっこしてもらってお話をするようにしています。何気ない会話から病気のヒントを見つけることもできますし、飼い主さんと打ち解けた雰囲気ができれば、動物も安心するんです。動物もパニックを起こさないので、結果として診療がしやすい環境となります。専門用語もわからないと不安につながるのでなるべく使いません。「きちんとよく話を聞く」「患者さんの要望を引き出し、理解する」「選択肢を多く提案する」「正しい知識をわかりやすく提供する」。この4つのことを意識しながら患者さんとコミュニケーションを図り、診療を進めています。
トリミング室やペットホテルも備えていますね。
犬だけでなく猫のトリミングも始めています。トリミングが終わって、かわいくなった後にはその日の様子を添えた記念写真もお渡ししております。ご自分のかわいい動物の写真が載るのも喜んでもらえるので、トリミングのHPにも来院された動物たちの写真をたくさん載せています。これはとても喜んでもらってますね。動物病院と併設したトリミング室なのでただトリミングをするだけでなく、日常ケアやフード、しつけの仕方など獣医師には相談しづらいこともしっかりとアドバイス出来ますし、皮膚の調子が悪いといった病気などの相談や薬浴にも対応できます。これは大きなメリットだと考えています。またペットホテルは犬用と猫用は部屋が分かれています。期間も1日からご対応できますので「今日工事なので預かってほしい」というのも大丈夫です。もちろん、モモンガなど他の動物も預かることができるので気軽にご相談いただきたいですね。
親しみやすく頼れる医院をモットーに、学び続けたい
ブログで積極的に情報発信されていますね
地域に根差した親しみやすい医院をめざしているので、アットホームな感じにしたいと思いブログやホームページを更新しています。内容は病気に関することは少なく、私を含めたスタッフで日々のちょっとした出来事や、地域での様子などを書いています。飼い主さんとの話題のきっかけになればうれしいですね。
ご多忙と思いますが、オフの過ごし方について教えてください。
以前は友人とジャズバンドを組んでトランペットを吹いていたのですが、皆の休みがなかなか合わず活動休止中。いつか再開させたいですね。今は子どもたちと過ごす時間を大切にしていますね。近くの公園に行くことが多いですが、水族館や、動物公園にもよく行きます。自分が獣医師としてよく知っている動物を見ると、いろいろ気になってしまうので、なるべくじっくりとは見ないようにしています(笑)。子どもたちは目を輝かせて、いろいろな動物に引き寄せられていくので、それについて行く感じですね。
最後に、読者へのメッセージや今後の展望について教えてください。
当院での診療や対応に不安を感じたら、気軽にお話いただきたいですね。「どうすればいいか?」と躊躇するのであれば、その気持ちを素直に伝えてほしいです。その不安を安心に変えられるように今後も対応していきたいと考えております。高度な検査や治療が必要な場合は大学病院などへ紹介していますが、遠いですし当院に来るより大変ですから、専門的なことをさらに勉強して、対応できる治療をもっと増やしていきたいですね。これからも信頼に応えられるよう、多くの選択肢を提供できるよう、学び続けていきます。獣医療も日々進歩していますので、より良い医療を提案、提供して信頼に応えられるようにしていきます。スタッフ皆でアットホームな雰囲気を大切に、飼い主さんと十分なコミュニケーションが取れるよう心がけていますので、気軽に来ていただきたいですね。