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助川 昭宏 院長の独自取材記事

アリーズ動物病院

(渋谷区/笹塚駅)

最終更新日: 2024/04/16

笹塚駅南口から徒歩約2分。高級ホテルのようなシックなたたずまいが印象的なのが、「アリーズ動物病院」だ。動物と動物病院、獣医師が調和を取りながら発展していくという意味である「トライアングルハーモニー」を理念に獣医療にあたっている同院。獣医師歴が30年以上にもなるベテランである助川昭宏院長を中心に、犬と猫に加え、エキゾチックアニマルまで幅広い動物を対象に診療している。「身近な動物病院として、飼い主さんと動物たちの幸せに貢献することをめざしています」と優しく気さくな口調で話す助川院長に、同院のことについて詳しく話を聞いた。(取材日2024年1月19日)

犬と猫に加え、エキゾチックアニマルまで対応

最初に動物病院の紹介をしていただけますか。

当院では、犬や猫はもちろん、小動物や鳥類、爬虫類などエキゾチックアニマルの診療も行っています。動物病院とスタッフと動物の3つのすべてが、調和を取りながら発展していくという意味である「トライアングルハーモニー」を理念としています。また、当院の分院として、中野区野方に「ココニイル動物病院」、杉並区に「動物病院うみとそら」、中野区中央に「アドバンスペットクリニック」があります。それぞれに勤務するスタッフ同士が力を合わせながら、犬と猫、エキゾチックアニマルの一次から二次未満の診療で、飼い主さんと動物たちの幸せに貢献することをめざしています。

「一次から二次未満の診療」についてもう少し詳しくお聞きしたいです。

一次診療がかかりつけ医、専門分野に特化した獣医師による診断・治療を行うのが二次診療と位置づけられます。以前は二次医療施設があまりなく当院のような一次医療施設が頑張っていました。しかし今は二次医療施設も増え、一次医療施設がより一次診療に特化するようになり、何かあったらすぐに二次医療施設に紹介できる時代になっています。当院では、専門的な施設に行かないと回復が見込めない場合は紹介しますが、そうでない場合はできるだけ当院で治療が行えるよう努めています。特に犬については、最近はより専門的な診療を行う二次医療施設が増えています。ですが、それなりにコストもかかりますし、遠いところまで行くのは飼い主さんや動物にとっても負担が大きいでしょう。できるだけ二次診療に近いところまで診療ができるよう、専門家による院内セミナーを開催したり、難しい手術では専門の獣医師に来てもらって手術をするといったことも行っています。

猫については、いかかでしょうか?

猫には、隣に「猫医療センター」を立ち上げ、猫専門の知識や技術を生かしながら診療を行っています。当院はキャットフレンドリークリニックのゴールドにも認定されており、猫にも優しい医療を提供することをめざしています。例えば、待合室で犬がケージをのぞき込んだら、猫はすごく怖がります。当院では、猫とほかの動物の待合室が完全に分けられていて、そのようなことはありませんので、猫も飼い主さんも安心だと思います。

飼い主の気持ちに寄り添うことを大切に

エキゾチックアニマルにも対応しているのですね。

エキゾチックアニマルを得意としている動物病院は、逆に犬や猫はあまり得意ではないことが多いのですが、当院ではすべての動物に必要な医療が提供できるよう努めています。エキゾチックアニマルといっても、実際にはうさぎやハムスターから、ハリネズミ、フクロモモンガ、セキセイインコや文鳥などの鳥類、フトアゴヒゲトカゲ、ヒョウモントカゲモドキなどの爬虫類まで本当にさまざまです。加えて、うさぎは草食でフェレットは肉食など、同じ哺乳類でもまったく違います。当院では、「犬や猫にしている治療をすべての動物に」をコンセプトに、血液検査やレントゲン撮影、超音波検査、投薬・手術などによる治療にも対応しています。

ほかに力を入れていることはありますか?

パピー相談室には力を入れています。ちゃんと飼うことが動物の幸せになる。心配だから家に置いておくよりも、安心だからどこにでも一緒に連れて行ったほうが犬には幸せだと思っているからです。それには、飼い始めた頃のパピー相談室で、飼い主さんに犬の飼い方の基本をしっかりとお伝えし、不安な点を解消していただくことが重要だと考えています。犬は、喋ることはできませんが言葉はニュアンスなどで10個や20個は平気で覚えています。一方で、犬は群れで生活する動物なので、その中で自分より立場が上の人の言うことを聞くのが基本です。そのため、飼い主の言うことを聞かないというのはよくある話で、それは犬が飼い主を下に見ているからなんです。そういった習性を理解して、飼い主さんと犬との適切な関係をつくることが大切です。

診療の際に心がけていることを教えてください。

私たちは、どうしても病気を治すことに神経を注いでしまいますが、飼い主さんの気持ちを蔑ろにしないこと。飼い主さんの気持ちもすごく大切にすることを心がけています。飼い主さんも間違いなく心配して動物を連れてきていますが、それが表に出ない人もいれば、ものすごく動揺している人もいます。どちらの場合でも動物を心配して連れてきているわけですから、それを肝に銘じながら、いくつかある選択肢の中からその子にとって一番良い方法を、飼い主さんと一緒になって考えるようにしています。動物に対しては、種類によって触り方や診察、保定の仕方などがすべて違いますから、長年の経験も生かしながら、それぞれの動物に合うような診察や保定をするようにしています。

グループでより多くの動物たちを幸せにしていきたい

先生は、なぜ獣医師を志したのでしょうか?

父も獣医師でしたので、気がついたら獣医師をめざしていました。小さな頃からいつも、父が診療する姿を見ていましたし、家には動物がたくさんいて、私自身も動物が大好きだったんです。自然の流れでここまできましたね。実家も近いので、開業した当初は父の診ていた動物が飼い主さんに連れられてくることもありました。父の地盤を引き継いで私のやりたい医療の方向に変えていくよりは、自分で一から始めたいと思いここで開業しましたが、獣医師をめざすきっかけになったのは、やはり父。いつも、とても優しい獣医師でした。そこは私も引き継いでいきたいと思っています。

クリニックの名前も先生の飼っていた犬が由来だそうですね。

そうなんです。ゴールデン・レトリーバーの「アリエル」は、私が獣医師をめざすようになった大学1年の時から飼い始めた犬でした。すべて私が面倒を見ていましたが、獣医学部の学生になったというのに、ちょっとおなかを壊した程度でも、何をしてあげたら良いのかわからなくて。そんな自分をとても腹立たしく思うことばかりで、院名には自分自身の獣医師としてのそんな初心が込められているんです。開業当初は、いつも一緒にアリエルもここに来て、皆さんにとてもかわいがってもらいながら過ごしていました。そのアリエルも、もうだいぶ前に亡くなりました。最後まで私が治療をしましたが、とてもつらかったですね。誰でも、自分の飼っているペットが一番ですから、私のアリエルやほかの飼い犬に対する愛情と同じ気持ちで、すべての動物たちに接してあげたいと思っています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

ビジョンとしては、2030年までに10院のグループ院を開院することをめざしていて、今年の5月には6院目の開院を都内に予定しています。当院では、お話ししたように犬と猫に加えて、エキゾチックアニマルまで幅広い動物の診療に力を入れていますが、今は実際にそういう動物病院があまりないんです。ですから、東京に10院でもそういう動物病院があれば、より多くの飼い主さんや動物たちを幸せにできるのではないかと考えています。また、エキゾチックアニマル専門の動物病院もあれば良いかなとも考えています。そして、アリーズ動物病院グループは犬と猫、エキゾチックアニマルまでのすべての動物に高いレベルの獣医療を提供したいと考えています。加えて、入りやすい環境や、動物と飼い主さんの気持ちもくみ取れるような動物医療を大切にしています。お困りの際には、何なりと相談をしていただければと思います。

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