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難しい犬と猫の皮膚疾患も 専門家の精密な診断と治療で改善に導く

オアシス動物病院

(福岡市博多区/笹原駅)

最終更新日: 2023/11/13

かゆみをはじめ、脱毛や出血など、さまざまな症状を引き起こしてしまう皮膚疾患。その原因はアレルギーからストレスまで多様なため、診断によって大きく治療法が変わってしまう。診断の方向性を誤ってしまうと症状の改善につながらず、結果、犬や猫の生活の質を大きく損なってしまいかねないという。そこで「世界基準の診断・治療」をめざす「オアシス動物病院」では、日本獣医皮膚科学会認定医による皮膚疾患の専門診療に取り組んでいる。皮膚疾患と耳との関連性も重視し、皮膚の状態だけではなく耳の症状も合わせて診察するなど、多角的な診療を行っている。「放置すると命に関わる病気もあるので、いつもと違うと感じたら早めの受診を」と声をそろえる石田琳瑛院長と赤司和昭副院長に、皮膚疾患の症状から治療法まで詳しく話を聞いた。(取材日2023年10月10日)

命に関わる可能性もある皮膚疾患。「いつもと違う」と思ったタイミングで受診して早期発見・早期治療を

  • Q.犬や猫がかかりやすい皮膚病の種類を教えてください。

    A.

    ▲大学では内科学研究室に在籍し、皮膚を専門に学んできた院長

    【石田院長】犬に関しては圧倒的にアレルギー系の病気が多く、食事などによる反応や犬アトピー性皮膚炎が中心です。それに加え皮膚の細菌感染、ダニを原因とした疥癬などさまざまなものがあり、どの疾患なのか原因を含めて診断していくことが難しくなっています。猫もアレルギーによる皮膚疾患が多いものの、感染症では水虫の仲間のカビによるケースが多い印象です。また病気がない場合でも、癖やストレスによってかゆみなどの症状が出ることもあるため、それがさらに診断を難しくさせています。ですから犬や猫の検査だけではなく、引越しなどの生活環境の変化、出産をはじめ家族構成の変化など、ストレスの有無についても調べることが重要です。
  • Q.原因や受診タイミングについて教えてください。

    A.

    ▲「いつもと違う……?」という視点を持つことが重要

    【赤司副院長】皮膚疾患の原因としてはアレルギーなど体質的な問題が多く、皮膚への細菌や真菌の付着、感染症によるものもあります。人間のようにコミュニケーションがとれるわけではありませんから、飼い主さんが異常に気づいてあげるしかありません。ですから脱毛や炎症など見た目に変化がある時、いつもと違うと感じた時には受診していただいたほうが良いと思います。見た目に変化が出ていたらすでに病気が進行してしまっている可能性もありますので、できれば引っかく動作が増えた、なめたり噛んだりするのが頻回になってきたタイミングでの受診が良いでしょう。早く病気を見つけられれば治療も簡単に済むケースが多いですからね。
  • Q.エビデンスに基づいた治療方針を重視されていると伺いました。

    A.

    ▲動物になるべくストレスをかけないよう、配慮している

    【石田院長】皮膚の状態はシャンプーのやり方一つで変わってくるものです。何を使って洗ってあげるか、どんな洗い方をするか、洗った後のケアなども含めて知識が必要になります。そのため当院ではトリマーと連携した「メディカルひふケアサロン」を展開しています。また診療の流れとしては、まずは検査を行って診断をつけていくのですが、初診時にすべての診断をつけることは難しいので、状況を把握し、かゆみを抑えていくための治療を行います。かいてしまうと肌が荒れ、肌が荒れるとまたかゆくなるといったように悪循環が起きてしまいますからね。その後、原因に応じて薬物療法や生活習慣の見直しなどを含めてアプローチしていきます。
  • Q.お二人は皮膚疾患の専門家だそうですね。

    A.

    ▲獣医師2人で、検査や診断の精度を高められるよう意見交換を行う

    【石田院長】動物病院にいらっしゃる場合、皮膚疾患の割合が非常に多いんです。ですから、できるだけ多くのニーズに応えたいと考え皮膚科を専門的に学び始めました。なかなか治らずに何軒も動物病院を回っているというケースもあるので、専門家としてしっかりアドバイスできればと考えています。 【赤司副院長】人の診療科は病気や部位によって細分化されていますが、動物の分野はまだまだ専門領域という考え方は浸透していません。獣医師として強みを持ちたいと思っていましたから、日本獣医皮膚科学会アジア獣医皮膚科専門医の先生に師事する形で学び始め、以降、皮膚疾患の診療に専門的に取り組んできました。
  • Q.皮膚疾患は耳とも深く関係していると伺いました。

    A.

    ▲専用駐車場が12台あるため、車でも通いやすい

    【石田院長】例えば犬に多い犬アトピー性皮膚炎は、多くの場合、耳に症状が出ます。初期症状が耳から始まり、皮膚全体へと広がっていくこともあるので、皮膚疾患による受診の際には耳も一緒に診察していくことが必要です。とはいえ耳の専門家は非常に少なく、皮膚疾患の専門家がトータルに診療することが好ましいと考えています。もちろんほかの内科疾患を含めてさまざまなことが影響しますが、最も割合が多い耳の症状については力を入れていく必要があると思います。耳の病気は重症化してしまうと時には手術が必要になり、合併症のリスクも高まりますから、耳の内視鏡といった検査機器を導入するなど、設備の面からも注力しているところです。

動物病院からのメッセージ

石田琳瑛院長、赤司和昭副院長

【石田院長】皮膚疾患については情報があふれており、インターネットやSNSを見て不安になってしまう方も少なくありません。ですから迷ったら受診するようにお願いしたいですね。皮膚疾患とはいえ放置していると命に関わるものもあります。時間がたつと治療に時間がかかるので、早めの受診を心がけてください。 【赤司副院長】皮膚疾患に限らず、動物の様子に不安を感じたらすぐにご連絡ください。まずは状態を確認し、最適だと考えられる治療を提案します。当院は時間帯予約制になっていますが、緊急処置を要するような急患にも対応していますので、些細なことでも構いませんから何でも相談してもらいたいと思います。

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