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箱崎加奈子 院長の独自取材記事

ペットスペース&アニマルクリニック まりも

(世田谷区/新代田駅)

最終更新日: 2023/01/22

柵に囲まれた広々としたプレイスペースではワンちゃんたちが元気に遊びまわり、その傍らでは飼い主たちがドリンクを片手にペット談義に花を咲かせているーー。これが「ペットスペース&アニマルクリニック まりも」のいつもの風景だ。この地に開業して1年半。トリミングサロンとショップが併設された、ペットのトータルケアをコンセプトに掲げるクリニックの院長を務めるのは箱崎加奈子先生。クリニック同様とてもフレッシュなドクターである。獣医師でありながら、トリマーの資格をもち、ドックトレーナースクールで学んだしつけの知識も豊富。「話し好きなものでついつい診療が長引いてしまうんです」と笑う箱崎先生だが、そんな彼女を頼りにしている飼い主たちは多いようだ。インタビューでは、現在気になっている動物たちのストレスケアや理想のクリニック像について伺った。(取材日2011年2月21日)

ペットの治療は、飼い主さんと獣医師の二人三脚

ショップあり、リードを外して遊べるスペースあり、とても広いクリニックですね。

ここを開業するとき、ペットショップに行くような気軽な感じで足を運べて、長居をしても疲れない、そんな居心地のよいクリニックにしたかったんです。柵で囲んだスペースは、お預かりしてる子や、診療待ちの子たちを自由に遊ばせたりしていて、不定期で開いているしつけ教室もここで行っています。何もレッスンがない時は勝手に入って遊んでいいことになっているので、近所の方がよくお散歩がてらいらっしゃって、ここでワンちゃんを遊ばせながらコーヒーを飲んだりしていますよ。朝ごはんやお昼ごはんを買ってきてここで食べて帰る人も(笑)。近所に公園があるんですけど、公園の犬仲間のみなさんも連れ立って来られます。ちょうど冬の時期は外でお話しするのも寒いので、「じゃあまりもに行こうか」となるみたいで。ちなみ院名のまりもは私が飼っているヨークシャーテリアの名前です。

こちらは開院して1年半と、まだ新しいクリニックなんですね。

このクリニックは、私の夫が院長をしている東北沢駅前にある「箱崎動物病院」の分院として開業しました。診療は犬猫が中心で、ウサギやハムスターなど診断が難しいエキゾチック類は、検査設備が整っている本院で診療するというように、本院・分院で連携をとっています。ここは開業して間もないため、訪れるペットたちも生後間もない子や子犬が多く、平均年齢も2、3歳と若いんです。というのも、ある程度の成長したペットは掛かりつけの病院でずっと診てもらっていますから、飼い主さんもなかなか医院を変えることはないんですよ。ここはトリミングサロンやショップも併設しているので、トリミングをきっかけにクリニックに来てくださる方も多いですね。

クリニックを訪れるペットに多い疾患はなんですか?

多いのは皮膚病ですね。アレルギーや肌荒れが原因ですが、最近はストレスが引き金になっている子も少なくありません。ストレスの原因はいろいろで、その子の性格的な問題ということもありますし、飼い主さんに十分かまってもらえない寂しさがストレスになっていることも。診療ではまず、飼い主さんがペットとどのように生活をしているかを詳しくお聞きします。そしてそのストレスの原因が何かを飼い主さん自身で探してもらいます。原因を取り除くことができれば一番よいのですが、原因がわからない場合も多々あって、そういう時はストレスケアで改善させていきます。私たち人間も、仕事のストレスを趣味やスポーツなど、好きなことをすることで発散したりしてますよね。ワンちゃんもそれと同じで、何かでカバーしてあげらればいいんです。ペットが一番好きなことは、例えばお散歩に行くことやおやつを食べること、抱っこしてもらうこと、ボール遊びをすること……と、いろいろあると思うんですが、飼い主さんにはそれを意識的にやってあげるようお願いしています。それだけで症状が改善することもあるんです。その子にとって、何が一番嬉しいことなのかは、普段から生活を共にしている飼い主さんでなければわかりません。それを改めて自覚してもらういい機会でもあります。動物病院の治療というのは、このように飼い主さんとドクターの二人三脚という部分が大きいんですよ。

ペットの生活をトータルでケアしたい。それがクリニックのコンセプト

獣医師になるより前に、トリマーとしてお仕事されていたそうですね。

獣医師の勉強もトリマーの勉強も、私の場合、同時進行でした。小さい時から動物が大好きで、大人になったらペット業界で働くのが子どもの頃からの夢だったんです。麻布大学獣医学部に進むことが決まったと同時に、休日を利用してトリミングスクールに通い始めました。最初は自分の犬のカットができればいいなという軽い気持ちで、どっちかというと習い事の感覚が強かったですね。大学1年の夏には試験を受けて合格し、トリマーの資格を取りました。それからは大学で獣医師の勉強をしながら、放課後はサロンやショップでアルバイトという生活。大学2年からは夫の病院、といっても当時はまだ夫ではありませんが(笑)、そこで卒業までずっとトリマーとして勤務していました。

獣医師になられてから、犬のしつけのトレーニングスクールも通われたとか。

サロンや動物病院で働いていると、飼い主さんからしつけの相談を受けることがとても多いんです。例えば餌のあげ方がわからない、トイレがなかなか覚えられない、噛み付く、吠える――。犬の飼い方で困ったら、とりあえず獣医さんやトリマーさんに聞けばいいとみなさん思っているようですね。でもそれも当然だと思うんですよ。私だって昔はそうでした。だってほかに質問したり相談できるところってないでしょう?しつけのプロはトレーナーですが、どこに行けば会えるのかもわからないし、じゃあ近場にあるサロンか病院で聞いてみよう、となりますよね。しかし獣医師はあくまで病気の専門家であって、犬そのものの専門家ではありません。大学でもしつけのことは一切習いません。なので独学で本を本読んだり、トレーナーさんに聞いたりなどして、私なりにお答えしていたんですが、だんだんもっと的確にアドバイスできるようになりたいと思うようになり、本格的に勉強してみようとスクールに入学しました。9ヵ月間、みっちりしつけの基本原理を学んだことで飼い主さんからの質問にもより的確に答えられるようになりましたし、今もその知識は役に立っていると思います。

獣医師、トリマー、トレーナー・・・・・・いろんな顔をお持ちですね。

私自身もそうですけど、この場所もクリニック兼サロン兼ショップという形になっているので、結局こういうのが好きなんでしょうね。つまり、犬の病気を治すだけでなく、生活全般すべてケアできるようになりたいんです。犬の一生を考えたとき、例えば15年のなかで、その犬が病気になる時期というのはほんのわずかです。でも私は病気になった時だけでなく、もっと長く関わっていきたいと思っているんです。お手入れにしても、しつけにしても、全般を見ていきたい、トータルにケアしていきたい。それが私の理想とする仕事であり、このクリニックのコンセプトでもあるんです。

各分野のプロと連携し、治療の選択肢を増やしていきたい

先生の診療方針についてお聞かせ下さい。

最近の飼い主さんたちはみな、「うちの子に合う治療はなんだろう?」といろんな手段を探しています。私ができることは西洋医学にのっとった診断と薬の処方ですが、飼い主さんのなかにはアロマテラピーやマッサージなどをはじめとするホリスティックな治療を求める方も少なくありません。私自身そういうものへの理解はあるので、希望があれば選択肢として用意したいと考えています。アロマやマッサージ、あとしつけ問題。一時期は全部自分で理解しておきたいと思ったこともありました。しかし私一人で全部カバーするのはやはり不可能。それぞれが深い世界ですから、獣医師の片手間にできるものではないんですね。なので今後は、各分野のスペシャリストの方と連携して患者さんのニーズに応えていければと考えています。開院して1年半。最善な診療をするため、今はいろんな可能性を模索しているところです。

夫であり、本院の院長である箱崎文彦先生は獣医師の大先輩。学ぶところも多いのでしょうね。

そうですね。結局私は獣医師になってから、ほかの病院で勤務をしたことがないので、実地の医療を習ったのは全部主人からでした。道具さえあればどんな手術でもやってのけますし、獣医療に関する知識の豊富さも尊敬するところですね。本院はもう長いこと通ってくださっている方が多く、信頼関係がしっかりでき上がっています。「院長が白内障の手術をしてくれるんだったらお願いするけど、できないなら諦めます」と言ってくださる飼い主さんまでいるくらいです。「このドクターになら大切なペットの命を任せられる」、そう思っていただけるように、私ももっともっと経験を積んでいかなくてはと思っています。

休日はどのように過ごしていらっしゃいますか?

まりもをはじめ、我が家では三匹の犬を飼っているので、休みの日はその子たちを連れて、ちょっと遠くの公園に連れて行ってあげたりしています。あとは友人と食事に行ったり、伊豆にダイビングに行ったり。スキューバダイビング歴はもう10年になります。学生の頃からの趣味で、始めた時はすっかりハマって毎週のように潜りに行っていました。旅行も好きなので、ダイビング目的で海外にもよく行っていたんですよ。とくにモルジブやフィリピンの海はお気に入りのスポットでした。ただ開業してからは忙しくなって足が遠のいてしまって、それが今ちょっと残念なんですよね。

今後、理想とするクリニック像などありますか?また今後やっていきたいことは?

些細なことでもいいんです。病気じゃなくたっていいんです。ペットのことでわからないことがあれば、ちょっと聞きに行ってみようと、気軽に足を運べる存在になりたいですね。犬と飼い主さん、また飼い主さん同士が楽しく過ごせる場所としてここを役立てほしいと思っています。実際理想の形には近づいていると感じています。先日も「このクリニックに来るようになってから、犬についていろんなことを知ることができました」「犬との生活がより楽しくなった」とおっしゃってくださった方がいました。そんな言葉をいただくと励みになりますね。今、私に必要なのは多くの経験を積むことだと考えています。今クリニックに通っている1歳、2歳の子たちが病気になる可能性が高くなるのはおそらく10数年後。それまでには頼れる獣医師になっていたい。その子たちと一緒に自分も獣医師として成長していきたいですね。

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