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窪木 未津子 院長の独自取材記事
富士見台どうぶつ病院
(中野区/富士見台駅)
最終更新日: 2024/12/18
ガラス張りの造りが印象的な「富士見台どうぶつ病院」は西武池袋線・富士見台駅から徒歩約2分にある。クリニックにはドッグカフェが併設され、2階のトリミングのためのスペースをはじめ各階には大きな窓がある造りになっており、外からも院内の様子がうかがえる。明るく活気ある院内の雰囲気は、窪木未津子院長の人柄も表しているよう。スタッフも自主性のある意欲あふれる人がそろっているそうで、イベントを数多く開催しているのも特徴だ。ペットは飼い主の人生を豊かにしてくれる存在。そんなペットの一生に飼い主とともに寄り添いたいと語る窪木院長に話を聞いた。(取材日2024年11月19日)
明るく活気のある動物病院
明るくてすてきな動物病院ですね。
はい、院内を外から見られるような造りになってて、大きな窓に面してトリミングルームや待合室があるので冬でも温かいんですよ。また、どんな人が働いているのかが見えて、気軽に入ってこられるような場所でありたいと思っています。当院は犬と猫がメインで、うさぎ、ハムスター、フェレット、モルモット、リス、カメなどを診ています。それ以外の動物については、当院での対応が難しい場合は専門の先生のところを受診いただくようお伝えしていますが、緊急性があるかどうかなどを判断するだけであれば、診させていただくこともありますのでご相談ください。猫は基本的に連携先で私が診ていますが、緊急性のある時はこちらでも診させていただきます。
獣医師は小さい頃からの夢だったとか。
私の父は狩猟をしていて、その関係で獣医師をはじめ医療に携わる方が多く出入りしていました。そんな環境から、父とは違う道で動物の命を助けられる仕事に就きたいと思ったんです。大学を出て、動物専門学校に進み、さらに獣医学部で学び、そのすべての経験が今の私をつくっています。今は、幼い頃から思い描いていた獣医師になれていると思います。一番携わりたかった動物たちの診療はもちろん、カフェ、保護猫の施設と夢が現実になっています。その運営ができているのはスタッフのおかげ。私のやりたいことに賛同してくれて、素晴らしい実行力で次々に実現してくれています。そのためか、一般的な動物病院よりもイベントが多いかもしれません。今後もスタッフが楽しくいろいろなことをやれる動物病院でありたいと思います。活気ある雰囲気が飼い主さんや動物にも伝わって、何でも相談できる場になり、みんなが元気になってくれたらいいと思っています。
注力されていることはありますか?
診療や検査など一般的なことはすべて行えますし、そのほかのサービスにも幅広く対応しています。特にトリミングには力を入れていて、皮膚疾患にも配慮しながら行っています。診療と合わせてトリミングができますので、飼い主さんたちにも喜んでいただけるのではないでしょうか。また、毛が長い子はどうしても毛玉などができがち。どうにもならなくなって駆け込んでこられるケースも多いのですが、そうなる前に定期的にお手入れをするのが良いと思います。
根拠に基づく診療を精一杯行う
診察時にモットーとされていることはありますか?
とにかく精一杯やる、それに尽きます。常に自分の家の子だと思って診察するようにしています。ただその中でも、自分でできることとできないことの線引きはしっかりしたいと思っていますね。また、しっかりと科学的根拠のある診療や診断を意識しています。そうでないと飼い主さんも納得してくれないと思うんです。根拠のある診療・診断で飼い主さんとの信頼関係を築きたいと思っています。そうした上で、しっかりとお話をさせていただく。医療というのは、それに尽きると思っています。
飼い主さんとの信頼関係が大切なのですね。
動物を診るのはもちろんですが、その前にしっかりと飼い主さんと向き合うことも重要です。動物はここが痛いとか気持ち悪いなど、はっきりと意思表示ができません。それが一番わかるのは飼い主さんですから、飼い主さんと私たちの信頼関係が構築できていないと治療がうまくいくはずがありません。私たちがどれだけしっかり飼い主さんとお話しできるか、飼い主さんが私たちを信頼し、治療やケアをどれだけしっかり頑張ってくださるか、それが動物の命を左右することになると考えています。
飼い主さんにお願いしたいことはありますか?
ぜひ日頃から、日常の様子をよく見てあげてほしいですね。よく見ていれば、小さな変化にも気づくことができると思うんです。逆に言えば、些細な変化に気づいてあげられるのは、飼い主さんだけだとも思います。注意ポイントとして1つあげるとしたら、食欲ですね。いつもよりたくさん食べるのか、少ないのか。体重管理もお願いしたいところです。急な体重の増減は何かのサインかもしれません。あとは体臭や、飲むお水の量。本当に生活のちょっとした変化に気づいてあげてほしいんです。また、今は情報化社会で飼い主さんが動物病院を選ぶ時代です。迅速な対応ができて、信頼できるところを選んでください。予防接種など継続的にお付き合いが長くなりますので、この先生やスタッフなら大丈夫と思えるところを見つけましょう。信頼できる獣医師やスタッフとの出会いが肝心です。
動物は人生を豊かにしてくれる存在
猫伝染性腹膜炎(FIP)の診療も積極的に行っておられます。
そうですね。的確な対処が鍵になりますので、飼い主さんには良い獣医師との出会いが重要になります。また、FIPに関してはオンラインでの相談にも応じています。残念ながら医療の地方格差は解消されていません。オンラインで飼い主さんときちんと話もできますし、猫の状態もよく見せていただけるようになり、FIPだけでなく他の病気に関しても、オンラインでできることの可能性を感じています。いずれ日本だけでなく海外の飼い主さんともつながることができれば、海外在住の飼い主さんが言語の壁や物理的な距離を気にすることなく相談できて良いと思うんです。そうすればもっと多くの命を救うことにつながるのではないかと思っています。
猫の保護活動にも注力していらっしゃいます。
ここに移転する前の当院の建物が、人通りの多い道路に面していて視認性もいいということもあって、猫の保護施設として活用しています。よく見えるところにキャットウォークを配置して猫の生活の様子を多くの方に見ていただき、みんなが猫の仕草に癒やされる町の憩いの場になればいいなと思っています。また、24時間保護猫たちの様子をライブ配信もしています。そしていつも見ている猫を家に迎えたいと思ってもらえればうれしいです。先日は初めての譲渡会も開催し、とても盛況でした。当院で病気などのスクリーニング検査をして、新しい飼い主さんのもとへ送り出していますが、まだまだやれることがあると感じています。
飼い主さんへのメッセージはありますか?
動物との生活は人生を豊かにしてくれますので、楽しみながら一緒に暮らしてほしいと思います。そういったお楽しみの一環として当院でも楽しいイベントをたくさん開催したいと思っています。ペットの頭数は減少傾向にあるといわれていますが、当院は飼い主の皆さんの動物を大切にする気持ちに十分寄り添えると思っています。新しく動物を迎える方は、最初の予防接種などの時に、犬種の特徴、かかりやすい病気や気をつける点などをぜひお尋ねください。私たち獣医師は一緒に歩むパートナーですから、どんどん活用してください。時には育児ノイローゼのようになってしまう方もおられます。ペットの飼育も子育てと同じで、時が過ぎて振り返れば一瞬だったと思うものです。また私たちと一緒に歩もうと思ってくだされば幸いです。私たちは、ほんのちょっと力を貸すくらいのことしかできませんが、ペットとの生活を一緒に楽しみましょう。