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立石 遼 院長、種山 佳那 先生の独自取材記事
タテイシ動物病院
(調布市/調布駅)
最終更新日: 2024/09/13
京王線調布駅から、旧甲州街道沿いに歩いて5分ほど。「タテイシ動物病院」は、365日休むことなく近隣の動物たちを受け入れている。予約が原則だが、緊急時には手術・検査の時間を含めて極力対応。トリミングサロンとペットホテルを併設しており、獣医師、愛玩動物看護士、トリマーがそれぞれの専門性を生かしつつ連携することでこまやかなトータルケアを実現している点も特長だ。「コンパクトでも、地域に求められる踏み込んだ医療を提供する動物病院でありたい」と話す循環器、泌尿器科、外科を得意とする立石遼院長と、画像診断を得意とする種山佳那先生に、動物病院の特徴や診療にかける思いを聞いた。(取材日2024年7月20日)
専門性の高い診断と包括的な診療が強み
まずは、開院の経緯からお聞かせください。
【立石院長】大学の付属動物病院で研修医をしながら臨床経験を積み、都内のグループの動物病院で本院の院長を務めた後に当院を開業しています。前職で学んだことは非常に多かったのですが、グループ病院として規模の大きい大企業に勤めるよりも地域に根づいた信頼される病院をめざしたかったため、方向性の違いから独立を決意しました。あらゆる疾患をまんべんなく最初から最後まで診ることができる動物病院をめざしています。種山先生は、開院の約1年後に加わってくれて、今では頼れる右腕です。 【種山先生】もともとは別の動物病院で勤務していたのですが、大学で画像診断の研究をしており、勉強と仕事を両立できる環境を求めてこちらに転職しました。
種山先生が加わったことで、どんな変化がありましたか?
【立石院長】種山先生は画像診断技術が非常に高いので、診断の精密性と迅速性が飛躍的に向上しました。2年前には新しいエコー検査装置を導入して、活用してもらっています。 【種山先生】現在のエコーはかなり画期的で、それまでのエコーでは、なかなか判断がつかないものも、はっきり見分けることができるようになりました。もちろんCTでないとわからない場合もありますが、ごく一般的な疾患であればCTは不要なレベルですね。ペットと飼い主さんをお待たせする時間も減りました。
ペットホテルとトリミングサロンを併設しているのですね。
【立石院長】飼い主さんと話をしたり、動物たちを触ったりする機会が多ければ多いほど、病気や不調に気づきやすくなりますから、当院では、動物病院、トリミングサロン、ペットホテルを併設して、動物たちと飼い主さんの生活のトータルサポートを待っています。
定期的なケアの必要性を説き、予防にも注力
どんな動物が多いですか。また、最近気になる症状はありますか。
【種山先生】犬、猫、うさぎ、フェレット、ハムスターなどが中心ですね。オールマイティに何でも診れるのが当院の強み。専門特化したすごさはないけれど、相談ごとを広く受けつけて丁寧に対応しています。 【立石院長】動物が長生きするようになり、前述したとおり画像診断の精度も向上したことで、従来は見つけられなかったような腫瘍や異常所見などが見つかるようになりました。大学病院では循環器科に在籍していたので、心臓領域にはより専門性の高い治療を提供できていると自負しています。心臓病を持つペットは心不全や肺水腫を起こすことがありますが、こまめな検査で状態を把握しておけば早期発見でき、手遅れになる前に治療介入できます。
「こんなときは受診したほうが良い」という症状があれば教えてください。
【種山先生】何も思い当たることがないのにあまり食べない、水を飲む量が減った、というときは少し注意して様子を見てあげてほしいと思います。「たかが水を飲まない程度で病院を受診していいのかな……」と悩むかもしれませんが、私たちは大歓迎。なんでもなければそれでいいわけですから、少しでも気になることがあれば相談に来てほしいです。
わかりやすく丁寧な説明で、認識の齟齬を防ぐ
先生方が獣医師をめざした理由をお聞かせください。
【立石院長】父が産業動物を診る獣医師をしていたので、小さな頃から動物に囲まれて育ちました。ずっと乗馬をしていたので、最初は馬を診る獣医師になりたいと思っていたんですよ。しかし、競走馬は早く走らせることが最大の目的で、そのための治療になることが少なくありません。できれば動物を生かすための治療に携わりたいと思って、小動物を診る獣医師を志しました。それでも馬は好きですから、今も休日になると競走馬の休養牧場に行き、足を痛めた馬が競馬場に戻れるようリハビリテーションをするボランティアをしています。 【種山先生】私も幼い頃から近くに動物がいる環境で育ち、漠然と動物関連の仕事を探すようになりました。そのことを母に相談したら、動物に関わる仕事の中で最も豊富な知識を持っているのが獣医師ではないかと言われ、獣医師の道を志しました。
診療の際には、どんなことを心がけていますか。
【種山先生】飼い主さんのつらさや悲しみに共感することは多いのですが、寄り添うだけのコミュニケーションにならないようにしています。獣医師に求められているのは、病気のことや治療のことについて、今後の見通しを含めてわかりやすく伝えることだと思うからです。親身になるところと、あえて冷静に話をするところのメリハリをつけることを意識しています。 【立石院長】診療の説明は言葉だけで終わらせず、必ず文字に起こしてメモをお渡しするようにしています。時間はかかりますが、文字にすることで飼い主さんの理解が深まり、お互いの認識が食い違うリスクを軽減することができます。治療の目的や進め方を後から見直せるのもメリットですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
【立石院長】当院は、私と種山先生、そして2年目の新徳慶子先生の3人の獣医師と4人の愛玩動物看護師が中心となって診療しています。動物のリハビリテーションについて専門に学んだスタッフもおり、ご相談いただければ院内でリハビリテーションをすることも可能です。飼い主さんとペットが幸せに生きていけるよう、全力でサポートしてまいりますので、お困りのことがあればお気軽にお声がけください。