茂木 千恵 先生、小関 隆 先生の独自取材記事

【茂木先生】ここのオーナーはご自身が飼っていた猫ちゃんを亡くしてしまったことをきっかけに、一念発起して当院の開院を決意なさったそうです。そのオーナーから直接話をお聞きする機会があったのですが、熱い思いにふれ、少しでも私がお力になれればと思い参加することになりました。 オーナーの掲げたコンセプトは、飼い主に寄り添ったさまざまなサービスを提供することで、動物はもちろん飼い主さんも健康増進できる「ペットのワンダーランド」。さらに開院にあたっては「敷居の低いクリニックでありたい」「来たら幸せになれる場所に」「安心して任せられる」「おもてなしの心」という飼い主の気持ちを大切にしたさまざまな思いがあったそうです。そのコンセプトに恵比寿という街の雰囲気も合致していたおかげで、一般的な動物病院とは違う印象のクリニックが完成したと思っています。

【小関先生】私はいろいろなご縁で茂木先生と知り合ったことがきっかけで、毎週月曜日に当院のお手伝いをさせていただくことになりました。以前から茂木先生の名前を存じあげていましたので、そんな方にここで働くきっかけをつくっていただき感謝しています。 【茂木先生】小関先生は先進的な獣医療に精通しており、何かしらの不調で受診しても「投薬までは必要ないので様子を見ましょう」と言われてしまうような、いわゆる未病の動物のサポートを専門としています。動物の寿命は人間の6分の1ほどといわれていますから、私たちにとっての1日が動物にとっては1週間にもなります。一日でも早く悩みをなくしてあげるためにも、具体的な治療が必要になる前段階のケアが大切ですが、メソッドを持っていないと実践は難しいのです。それができる獣医師の存在は絶対に必要と思いましたので、小関先生の専門性は当院にとって非常に心強いです。

【茂木先生】私の専門は行動診療で、小関先生は未病の動物のケア。加えて皮膚科が専門の獣医師が1人、一般内科を全般的に診療できる獣医師が1人、合計4人体制で診療しています。今後は栄養指導を得意とする獣医師にも加わっていただく予定で、さらに専属トレーナーが2人在籍していることも当院の強み。さまざまな分野のエキスパートが集うことで、それぞれに適した選択肢を提案することができます。私は、複数の選択肢から納得できるものを選んでいただいた上で治療に進むことが重要だと思っているんです。もし動物に何かあったとしても、「できる限りのことをやってあげた」という実感が、飼い主さんがご自身を責める気持ちを軽減してくれると考えているからです。

【茂木先生】行動診療は攻撃性や不適切な排泄行動といった動物の行動上の問題に対して時間をかけてヒアリングを行い、それぞれの症状の原因を精査した上で適切な治療法を提案するものです。問題行動はペットと飼い主さんの「ペットライフクオリティー」に大きく影響しますので、問題行動の改善を図ることで生活の質を向上をめざします。 【小関先生】未病の動物たちを、体への負担に配慮した医療でサポートすることを得意としています。特にシニアの動物は、腎臓病や肝臓病など複数の症状を抱えていることがあります。既存の治療以外でもできる体に負担の少ない治療を探しながら、健康寿命を延ばしてあげることを目標にしています。動物は人間と違ってなぜ痛みが生じているか理解できないぶん、人間以上に痛みに敏感なので、痛みにも十分に配慮した治療を心がけています。

【茂木先生】内科・外科など幅広い診療に対応し、ワクチン、健康診断、極力薬を使わないオーダーメイドの治療にも力を入れています。行動診療、皮膚科、一般内科、未病の動物のケアを得意とする獣医師も在籍し、複数の選択肢を提案できますので、飼い主さんに納得のいくものを選んでいただくことが可能です。 健康チェックやシャンプーなどを追加できるペットホテル、ワンちゃん同士の交流もできるお預かり施設、常駐するトレーナーと獣医師が連携しながら実施するトレーニングも当院の特徴です。皮膚の健康にも大きく関わるグルーミングは、皮膚の状態を見た上で獣医師が指示を出し、グルーミングの頻度やシャンプーの使い方なども飼い主さんにしっかりアドバイスさせていただきます。歯科治療は皮膚疾患の次にご相談が多いため、当院では健康診断の中に歯科も組み込み、早期発見・対応できるようにしています。

【茂木先生】当院のもう一つのコンセプトが「ペットナチュラルケアラボ」。ペットケアにナチュラルな要素を盛り込みたい、そして「ラボ＝研究室」でありたいという思いがこめられています。ラボというと研究・実験というイメージがあるかもしれませんが、エビデンスがある安心・安全を考慮した診療が前提です。先端の情報や獣医学の知識を持った専門家が、最適な治療を追求するイメージですね。新しい情報や知識に飼い主さんにもふれていただけるようにセミナーやワークショップを開催しています。最近実施した、ドッグヨガは好評でしたよ。

【小関先生】私は通っていた幼稚園が動物をたくさん飼っていて、昼休みは犬の背中を枕にして寝るようなところでした。そんな、伸び伸びとした環境で動物と一緒に過ごせたことがきっかけになりました。 【茂木先生】小学生の時に飼っていた犬が急に亡くなってしまい、こんな悲しい思いをなくしたいという思いから獣医師をめざしました。祖父が動物が好きで、犬だけでなくチャボやジュウシマツ、コイまで飼っていたという家庭環境も影響していますね。行動療法に興味を持ったきっかけは、大学生の頃に恩師から聞いた「動物の行動のすべてに意味がある。行動を見るだけで動物のことがわかる人になりなさい」という言葉に感銘を受けたこと。勉強すればするほど動物のことがわかるようになり、どんどん行動療法の魅力にのめり込んでいきました。

【小関先生】海外から患者が訪れるような、先端医療を提供する医療機関ともつながりがありますので、そういった医療機関からの情報も積極的に取り入れながらベストな医療を考えていきたいと思っています。気軽に入れるのに高度な医療も提供できるのが当院の強み。そして茂木先生が専門としている行動学も、日本で実践している獣医師はまだ少ないと思いますので、当院の大きな強みであると思っています。それをより多くの人に知っていただきたいですね。

【茂木先生】開業時にオーナーが、飼い主さんも動物も「健康長寿で恵比寿顔」になってほしいと話していました。その言葉どおり、皆さんの健やかで幸せな生活を実現するお手伝いがしたいと思います。 【小関先生】スタッフも皆笑顔が絶えない、気軽に相談できるクリニックだと思います。一般的な治療をしたら終わりでなく、一緒に相談しながらベストな治療方法を作り上げていくのが特徴です。カフェでお茶をしたついでに来ていただいても構いませんので、悩み事があればお気軽に相談してくださいね。