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皮膚科、行動科、グルーミングを軸に取り組む 皮膚病の専門的診療
evergreen pet clinic 恵比寿
(渋谷区/恵比寿駅)
最終更新日: 2024/06/14
多くの動物が経験するといわれる皮膚病。皮膚病によるかゆみや痛みなどの症状から動物を救いたいのはもちろんだが、そのストレスが問題行動を引き起こし、生活の質の低下にもつながりかねないため、早急に対処したいもの。「皮膚病は症状が同じでも原因は実にさまざま。薬を塗るだけでなく、原因を知って的確に対処することが根本的な改善策につながります」と話すのは、専門的な皮膚科診療を強みとする「evergreen pet clinic 恵比寿」の茂木千恵先生。日頃の動物の行動やシャンプーなどのケアが皮膚病に関連していることもあるという視点から、皮膚科を専門とする獣医師の診療に加え、行動診療や獣医師の指示のもと行うグルーミングも取り入れて皮膚疾患の改善を図る。今回は茂木先生に、同院の皮膚科診療の詳細を聞いた。(取材日2024年6月3日)
目次
日々のケアや行動など皮膚病の原因はさまざま。原因の分析と多彩なアプローチで根本的な改善をめざす
Q.皮膚と動物の行動は関係が深いと伺いました。
A.皮膚病は慢性化することが多いのですが、それにより動物が感じるかゆみや痛みといった慢性的な不快感が飼い主さんに対する攻撃性を上げたり、夜中にウロウロしたりといった問題行動につながることがあります。その逆で、問題行動が皮膚疾患の原因になっているケースもあるのです。飼い主さんとの関係や与えられた環境によってストレスを感じ、つい体を過剰になめてしまう、あるいはかきむしってしまうことで皮膚病が発症・悪化している可能性も。ですから、動物の行動に着目することで疾患の治療の糸口が見つかったり、皮膚病にアプローチすることで問題行動が落ち着いたりということもあるので、皮膚と行動には深い関係があるといえるのです。▲獣医動物行動学が専門の茂木先生
Q.行動も視野に入れた皮膚科診療はどんな流れで行うのですか?
A.まずは皮膚の状態を見て、アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎など診断がつけばその疾患の治療を行います。加えて、必要に応じて行動療法を行います。行動療法の基本は、飼い主さんにじっくりヒアリングすること。飼い主さんが感じている不安、最近のペットの変化などを過去までさかのぼって伺います。飼い主さんが新しいパートナーと暮らし始めた、食べ物を変えた、引っ越ししたなど、皮膚病のきっかけとなるストレスにはいろいろな原因が考えられます。また、過去の治療歴も重要です。過去に治療を受けて改善されなかったのであれば、違うアプローチをしなければなりません。当院では、カウンセリングのために90分間の時間を設けています。▲動物たちと飼い主に寄り添った治療を行っている
Q.皮膚病とグルーミングの関係について教えてください。
A.グルーミングがきっかけで皮膚の異常に気づくこともありますし、グルーミングで肌を清潔で健康な状態に保つことが皮膚病予防や改善にもつながりますから、当院ではグルーミングも皮膚病を治す上で重要なアプローチだと考えています。皮脂が多すぎると雑菌繁殖のもとになってしまいますが、取りすぎも良くありません。皮脂を適度に残し、きちんと保湿することが大切です。ぬるま湯にシャンプー剤を入れてスポンジで泡立てて、その泡を被毛の上にのせて洗うのが正解。グルーミングにはいろいろと重要なポイントがありますので、皮膚病を予防するためにも、動物を飼い始めたらできるだけ早い段階で正しいケアを学んでいただきたいですね。▲皮膚科専門の獣医師も在籍
Q.こちらの皮膚科診療における特徴を教えてください。
A.皮膚における炎症は体内の免疫力の低下の指標と捉え、今ある症状を局所的に止めるのではなく、できるだけ根本的にアプローチして健康寿命を伸ばすサポートをする方針が特徴です。動物の体質を勘案し、使用するフードの提案も積極的に行っています。グルーミングは獣医師が皮膚の状態を診た上で、グルーマーに的確な指示を出しながら実施します。 皮膚科疾患は慢性的なものが多く、ご自宅で適切なシャンプーができるように、獣医師が飼い主さんとともに薬浴の実践指導も行っています。加えて、 行動の改善が必要になった場合は、常駐するトレーナーと獣医師が連携しながら実施するトレーニングも当院の特徴ですね。▲内科・皮膚科など幅広い分野の診察にあたる
Q.動物の皮膚病に悩む飼い主さんへアドバイスをお願いします。
A.皮膚病になると動物がつらそうにしているので、飼い主さんも「このまま治らなかったらどうしよう」と不安な気持ちになりますよね。当院では、そんな気持ちの面も含めてケアしたいと思っています。飼い主さんの様子や環境がペットに大きく影響しますから、ペットは飼い主さんを映す鏡といっても過言ではありません。しかし動物がストレスを感じて問題行動を起こし、皮膚病になってしまっても、自分を責めすぎないでください。まずはクリニックに来て、一緒に改善に取り組みましょう。たくさんの選択肢の中から、飼い主さんとペットのライフスタイルに合わせた方法を提案させていただきます。▲前向きな気持ちでいつでも相談に来てほしい
動物病院からのメッセージ
茂木千恵先生
皮膚疾患は、ペットを飼っている上では避けて通れない道だと思います。環境や食べ物、ストレスなどが原因で起こる皮膚の症状はペットからのサインだと思ってください。「皮膚病になってしまった」と落ち込んでいるのではなく、「これをきっかけにペットを取り巻く環境をより良くしてあげよう」という前向きな気持ちで相談に来てください。皮膚疾患が起こったら薬を塗って改善をめざすだけでなく、そもそも何が原因で起こったのかを知って対処してあげることが根本的な改善策につながると思っています。そこには多くの場合行動が関連していますので、私の専門とする行動診療を生かしながらサポートさせていただきます。
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